報道されないウクライナの闇
ドイツのピストリウス国防相が1月20日、ウクライナに対するドイツ製の戦車「レオパルト2」の供与について
「いつ決定できるかはわからない」
と述べ、現時点で判断しないことを表明した。
賢明な判断である。
一歩進めて、武器供与しないことを決断するべきだ。
ウクライナの戦争を拡大しようとする勢力と収束させようとする勢力が存在する。
正しい判断は戦争を終結させる方向に事態を進展させることだ。
ウクライナに対して無制限、無尽蔵の武器供与を続けることは戦争を終結させるのではなく、戦争を拡大させることを目指すもの。
軍事産業は戦争拡大を希求するが、これによって犠牲になるのは戦地の市民と戦地に送られる末端の兵士である。
武器供与を拡大し、戦争を拡大させることを誘導する者は、すべて、我が身を安全な場に置いている。
我が身をリスクに晒さず、軍事産業が獲得する巨大な不労所得のおこぼれを頂戴することが目指されている。
醜悪な人々だ。
ウクライナ戦争の図式をロシア=悪、ウクライナ=善と見立てるのは間違いだ。
特別軍事作戦を始動させたことでロシアは批難されるべきだが、ロシアの行動を誘導した点でウクライナと米国も批難される必要がある。
ロシアが絶対悪でウクライナが絶対善なら、ロシアを殲滅することが正しいと言える余地はある。
しかし、事実は異なる。
軍事作戦を始動させた点でロシアは批難されるべきだが、この点を除けば悪いのはロシアではなくウクライナである。
今回の戦乱が始動する前に、ウクライナでは内戦が生じていた。
この内戦を収束させるために「ミンスク合意」が制定された。
2015年のこと。
東部のドネツク、ルガンスクの両地域に高度の自治権を付与する。
このことにより内戦を収束させる。
これで合意が成立した。
合意成立に関与したのは
ウクライナ、ドネツク、ルガンスク、ロシア、ドイツ、フランス
である。
合意は国連安保理で決議された。
合意は国際法の地位を獲得した。
2019年4月に大統領に選出されたゼレンスキーはミンスク合意履行による東部和平確立を公約に掲げた。
しかし、和平案に対してウクライナの民族主義者=ネオナチ勢力が強く抵抗した。
2014年の暴力革命によって樹立された非合法政府はロシア系住民に対する人権侵害、残虐行為を展開した。
2013年11月21日から2014年2月21日にかけて、ウクライナの首都キエフにあるマイダン広場で大規模デモが組織された。
当初は平和デモであったが途上から暴力的行為が創作された。
暴力革命を企画・演出したのは米国と見られている。
その米国がウクライナ民族主義勢力=ネオナチ勢力と結託して暴力革命が挙行された。
2014年2月21日にウクライナ政府とEUとの和解が成立した。
年内大統領選実施などが決定されデモは解散される運びだった。
これに抵抗したのが米国である。
米国はネオナチ勢力を動員し、2月22日未明、デモの最中に警官とデモ隊29名を射殺。
民衆を暴徒化させた。
その後群衆が国会を占拠し、ヤヌコビッチ大統領が国外に逃避した。
暴力革命によって樹立された非合法政府は2月23日に「ウクライナ民族社会」の設立を発表。
その内容は、ロシア語を使用するすべての者からウクライナ民族社会の正当な権利を有するメンバーという地位を剥奪すること、彼らを市民権及び政治上の権利において差別すること、などだった。
ウクライナ政府はロシア語系住民が多数を占める東部ドンバス(ドネツク、ルガンスク)地域に対して軍事攻撃を展開。
これに対してドネツク、ルガンスク両地域のロシア系住民が抵抗して内戦が勃発した。
この内戦を収束するためにミンスク合意が制定され国連安保理で決議された。
この「ミンスク合意」を踏みにじったのがウクライナと米国である。
ウクライナと米国はロシアが軍事行動を始動するようにミンスク合意を踏みにじる行為を拡大させた。
その結果として生じたのがウクライナ戦争だ。
この経緯においてはウクライナと米国が悪である。
このことを踏まえて戦争拡大ではなく、戦争の早期収束を最優先課題に位置付けて問題処理を進めるべきだ。
戦争拡大を推進する米国主導の世論誘導は完全な誤りだ。
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