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2023年1月27日 (金)

火に油注ぐ日銀は放火魔か

日銀の金融政策運営について国会で徹底論議が求められる。

いま日本はインフレに直面している。

12月の消費者物価上昇率(総合および生鮮食料品を除く総合)は前年比4%上昇した。

インフレは日本だけの問題でない。

世界的な最重要問題になっている。

現況に対して世界の主要国がインフレ抑止の政策スタンスを鮮明にしている。

FRBは2022年に猛烈な金利引き上げを実行した。

インフレ抑止を最重要政策課題に位置付けている。

金融市場はFRBのインフレ抑制姿勢を注視している。

米国長期金利が上昇するのは将来のインフレ進行を織り込むためである。

FRBが強力な利上げ政策を断行したことによって長期金利上昇に歯止めがかかった。

将来のインフレ抑止を金融市場が織り込み始めたのである。

長期金利変動は市場メカニズムに委ねる。

政策当局は市場が自由に決定する長期金利動向を注視して金融政策の効果浸透を推し量る。

これが世界の金融政策運営の常識。

日銀の金融政策運営は世界の常識から完全に外れている。

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二つの決定的な誤りを指摘できる。

第一は長期金利を市場の自由な変動メカニズムに委ねていないこと。

日銀はイールドカーブコントロールと称して、長期金利の人為的コントロールを実行している。

市場メカニズムを否定している。

人為的にコントロールすれば市場の先行き見通しが長期金利に反映されなくなる。

市場と政策当局の「対話」が不可能になる。

「人為的低金利政策」は前時代の遺物。

かつて日本では人為的低金利政策が取られていた。

1970年代以降、市場メカニズムを活用することが重視され、金利自由化が実施されてきた。

日銀の長期金利人為的コントロールは前時代に回帰するもの。

第二の問題はインフレ率が4%に達するなかで日本銀行がインフレの更なる亢進を推進していること。

これは異常を超えて狂気の沙汰である。

日本銀行法は「物価の安定を通じ国民経済の健全な発展に資すること」を金融調節の理念と定めている。

物価安定こそ日銀の最大責務である。

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このことについて日銀の黒田総裁は

「消費者物価上昇率が安定的に2%を超えて推移することを目指して大規模金融緩和を維持する」

と主張する。

すでにインフレ率は4%に達している。

41年ぶりの高インフレが現実のものになっている。

4%インフレを物価安定と言わない。

「2%超の状態を安定的に維持する」

というのは4%、5%、6%のインフレ率実現を目指すということなのか。

1970年代に経験した激しいインフレの教訓は次のもの。

インフレに対しては先手を打つ施策が最重要。

インフレに火をつけてしまうと鎮火が困難になる。

激しいインフレが生じれば激しい金融引き締めが必要になる。

激しい金融引き締めは激しい景気後退を招く。

この事態を避けるためにインフレに対する早期対応が最重要。

とりわけ重視されるのは「賃金と物価の悪循環」を発生させないこと。

70年代に経験したインフレの教訓としてこの考え方が引き継がれてきた。

黒田日銀は金融政策運営の過去の蓄積を完全に無視している。

庶民生活を悪化させている主因は物価高騰だ。

物価高騰の抑止こそ日銀が注力すべき主課題。

インフレ亢進を目指す日銀の政策暴走を国会が糺さねばならない。

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