日本経済超停滞を招いた主犯
日本経済の停滞が深刻だ。
11月15日に発表された2022年7-9月期の実質GDP成長率は年率換算で前期比1.2%減少した。
4四半期ぶりのマイナス成長になった。
日本の実質GDPがピークを記録したのは2019年4-6月期。
年率表示で557.6兆円だった。
これ以降、この水準を上回ったことが一度もない。
理由は単純明快。
2019年10月に消費税増税が実施されたこと。
アベノミクスの8年間に2度の消費税増税が実施された。
2014年4月に消費税率は5%から8%に引き上げられた。
その消費税率が2019年10月にさらに10%に引き上げられた。
消費税率は2倍になった。
消費税率が10%に引き上げられることを受けて日本経済は不況に転落した。
日本経済は2018年10月から景気後退に陥ったのである。
消費税増税で日本経済が不況に転落したタイミングでコロナショックが日本を襲った。
日本の実質GDPは2020年4-6月期に500.6兆円に急減した。
実質GDP推移
コロナショックを背景に強力な財政金融政策が実施された。
先鞭を付けたのは米国。
トランプ大統領が200兆円規模の財政支出追加を決定。
FRBはFFレートを1.5%水準から一気にゼロ水準に引下げた。
無制限、無尽蔵のコロナ融資も実行された。
日本でも無担保・無利子の融資がばらまかれた。
財政金融政策の総動員によって日本経済は改善したが、実質GDPは2022年4-6月期に545.3兆円に戻した後、7-9月期には543.6兆円に再減少した。
コロナ前の2019年4-6月期の557.6兆円の水準を回復していない。
コロナショックが発生する前に日本経済が消費税増税不況に陥っていたことを見落とすことはできない。
この消費税の巨大負担が日本経済を低迷させている主因になっている。
2021年度の法人企業の内部留保資金が516兆4750億円に達したことが公表された。
巨大な資金を企業が溜め込んでいる。
この法人内部留保に課税してはどうかとの提案がある。
これに対してすかさず出てくる反論が「二重課税論」だ。
法人の内部留保資金は法人課税後の利益処分の一形態である。
税金を払った後の内部留保に課税すれば課税が二重になるとの批判が生じるわけだ。
しかし、同じことは消費税にも言える。
消費税を払う原資は個人の可処分所得。
働いて得た賃金から労働者は所得税等を支払う。
所得税等を支払った残余が可処分所得だ。
この課税後所得で買いものをすると、再び税金を取られる。
これもれっきとした二重課税なのである。
消費すると税金をむしり取られるのだから消費税は「消費懲罰税」に名称を変更するべきだ。
消費をすると懲罰が課せられる。
これでは人々は可能な限り消費を抑制しようと努めるだろう。
消費が落ち込めば景気が悪くなる。
生産した生産物の振り向け先の最大費目が個人消費だ。
個人消費が切り詰められれば販売は不振に陥り、生産活動は停滞する。
このために消費税大不況が広がっているのだ。
ここに追い討ちをかけているのがインフレだ。
日本のインフレ率も消費者物価指数で前年比3%に到達した。
賃金が上がらず物価だけが上がる。
実質賃金が減少している。
実質賃金が減るのだから消費が減退するのは当然のこと。
この日本経済大不況を導いているのが岸田内閣と黒田日銀である。
岸田内閣と黒田日銀の経済政策失敗の責任を追及しなければならない。
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