急変する沖縄県知事選情勢
沖縄県知事選が9月11日に投票日を迎える。
立候補しているのは
無所属現職の玉城デニー氏=共産、立民、社民、社大、にぬふぁぶし、れいわ推薦
無所属新人で前宜野湾市長の佐喜真淳氏=自民、公明推薦
無所属新人で前衆院議員の下地幹郎氏
玉城デニー氏を推薦しているのが、いわゆる「オール沖縄」
しかし、オール沖縄側には不安材料があった。
昨年10月の衆院総選挙で沖縄の4つの小選挙区での勝敗が2勝2敗になったこと。
2017年選挙は3勝1敗だったが沖縄3区の議席を失った。
2022年に入ってからも、名護、南城、石垣、沖縄の4つの市長選でオール沖縄は敗北を喫した。
辺野古移設問題のカギを握る重要選挙のひとつが名護市長選だったがオール沖縄候補は自公推薦候補に惜敗した。
知事選の前哨戦と呼ばれた7月参院選では現職の伊波洋一氏が自民新人で元総務官僚の古謝玄太氏にわずか2888票差まで迫られた。
自民党幹事長の茂木敏充氏は古謝氏の勝利を確信し、選挙戦最終局面での中央からの協力応援弁士の投入を見送った経緯がある。
自民は掴みかけた議席を取りこぼした感が強い。
参院選で政権与党が議席を奪還したなら知事選での勝利に向けての気運を一段と高めた可能性がある。
オール沖縄陣営では金秀、かりゆしの保守系二大勢力が相次いで離脱した。
そもそも、オール沖縄の保守勢力と元からの辺野古移設阻止派とは同床異夢の側面があった。
保守系勢力にとっては政権与党とのつながりによる各種利権確保が最優先される。
この要請と衝突しない範囲でしかオール沖縄との協調行動は期待できなかったのだと言えるだろう。
この意味で利権重視の諸勢力の離脱は起こるべくして起きたものでオール沖縄陣営は、このことについて陣営の純化と前向きに捉えることが適正だ。
とはいえ、オール沖縄の一角が崩れたこともあり、2022年に入っての情勢はオール沖縄にとって厳しいものになった。
知事選についても勝利獲得の道は平坦でないことが想定された。
ところが、安倍元首相銃殺事件を契機に風向きが一変した。
自民党政治の正体が浮かび上がる事態が存在した。
安倍氏とその支持者は中国や韓国に対するあからさまな敵意と蔑視を軸にした嫌中、嫌韓姿勢を示し続けてきた。
ところが、安倍晋三氏が、祖父の代から反日の教義を有する、韓国を発祥の地とする新興宗教と抜き差しならぬ関係を保持してきたことが明らかにされた。
旧統一協会は、日本はかつての韓国に対する植民地支配の罪を償う為に韓国に対して巨大な献金をする義務を負うことを教義の中核に置く新興宗教であり、安倍氏を中心とする自民党はこの新興宗教に対して全面的な賛辞を贈る行動を示してきたのである。
1982年に実施された旧統一協会の合同結婚式では岸信介氏による
「天を中心とした理想と信念のもとに指導し教育しておられる文鮮明先生を私が心より尊敬する所以であります」
と礼賛する祝賀メッセージが会場で読み上げられた。
反日教義を中核に有する韓国発祥の新興宗教に最大級の賛辞を送っていたのが自民党内の保守派を自称する勢力だった。
安倍氏を絶賛してきた右翼勢力、その機関誌はこの点について見解を発しない。
同様に同じ勢力から金銭的支援まで受けてきたのだろうか。
沖縄県知事選との関連では、自民、公明が推薦する政権与党側の候補者である佐喜真淳氏が、旧統一協会(現・世界平和統一家庭連合)のフロント組織である「天宙平和連合(UPF)」のイベントに参加していたことが発覚した。
佐喜真氏は
「旧統一教会との認識はなかった」
などと説明したが誰も納得していない。
自民党政治の実態が、反日教義を中核に置く韓国発祥の新興宗教に牛耳られてきたもの、あるいは、深く癒着するものであったことに対する驚きと失望が国内に広がっている。
岸田首相はこの問題を断ち切るために内閣改造を断行したが、発足した新内閣が「旧統一協会づくし内閣」では笑い話にもならない。
下地幹男氏の出馬は保守票の分裂をもたらす可能性が高い。
「辺野古に基地を作らせない」という原点に立ち返って、玉城デニー氏の再選を実現するべく、沖縄の良識ある主権者が連帯して、この重要な知事選を断固として勝ち抜かねばならない。
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