円暴落ドル360円時代に回帰
日本円の実質実効為替レートは52年前の水準に回帰している。
日本円は暴落している。
52年前の1970年。
ドル円レートは1ドル=360円だった。
海外に出かければ日本円の弱さを実感させられた。
見かけの為替レートでは円安は24年ぶりとされる。
しかし、内外の物価変動が異なると見かけの為替レートが同じでも意味=購買力は異なる。
仮に、現在と24年前のドル円レートがともに1ドル=150円だったとする。
見かけは同じだが、この間に米国の物価水準が2倍になり、日本の物価水準が不変だったとすると、24年前に1ドルだったモノがいまは2ドルになっているので、日本円の150円はドルに交換すると24年前に買うことのできたモノの半分しか買えない。
つまり24年前に置き換えると、1ドル=300円に下落してしまっていることになる。
これが「実質為替レート」の考え方。
日本円の購買力は52年の水準にまで落ちている。
日本国民が保有する財産の価値がグローバルスタンダードでは52年前の為替レートで換算した水準に減少してしまっている。
ある人に話を聞いた。
日本で1000円あれば食べることのできる日本の外食チェーンレストランの焼き鯖定食がNYの同じ系列レストランでチップ込みで7000円もしたとのこと。
日本円の購買力がグローバルスタンダードで暴落している。
外国人から見ると日本のすべてがバーゲンセール状態。
米国でビッグマックは5.8ドルだが、現在の為替レートで円に換えて日本で購入すると2.9ドルで買える。
ビッグマックだけでない。
日本のホテルの宿泊費もNYと比べれば東京は破格の安値になっている。
日本の不動産価格も同じ。
企業を買収するための費用も暴落している。
このため、ハゲタカなどの巨大資本は、いま、日本の資産を買い占めることを真剣に検討している。
日本円が暴落しているのは日銀が円安誘導を実行しているから。
日本円を暴落させて、日本の優良資産を外国資本が買い占めることに全面協力している。
究極の「売国政策」だ。
黒田東彦氏は2013年に安倍内閣によって日銀総裁に起用された。
この安倍内閣が実行した経済政策の目的はハゲタカ利益の極大化だった。
安倍内閣が推進した売国経済政策の一環に「ハゲタカによる日本買い占め支援」が含まれていた。
日本円の暴落は日本国民保有資産の国際標準での価値暴落を意味するとともに、日本の物価を大きく押し上げる効果を発揮する。
日本におけるインフレの発生。
インフレで潤うのは企業。
賃金を据え置くだけでインフレ分だけ実質賃金負担が減少する。
そもそもインフレ誘導政策が提案された主目的は企業の賃金コストを減少させることにあった。
同時にインフレは企業の借金の重みを減らす。
インフレ分だけ借金の重みが減る。
裏を返すと、インフレは庶民にとっての悪夢。
インフレの分だけ実質賃金が減る。
そうでなくても日本は世界最悪の実質賃金減少国になった。
OECD公表データで日本の労働者の平均賃金水準はお隣の韓国にも抜かれた。
黒田東彦氏は日本の消費者が物価上昇を受け入れていると述べたが、その認識で金融政策を運営されたのでは国民は不幸になるばかり。
インフレを受け入れている国民など皆無に近い。
日本円の暴落を放置し、インフレを誘導する黒田日銀は「国賊」と表現して差し支えない存在。
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