無責任野党が助長する与党堕落
日本国憲法第41条は次のように定めている。
国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。
日本国憲法第65条は行政権が内閣に属することを定めており、第73条で内閣の職務権限の第一に、
「法律を誠実に執行し、国務を総理すること」
と定めている。
安倍元首相が銃殺されたことに関して、岸田文雄首相は「国葬」を行う方針を示している。
しかし、国葬を定める法令は存在しない。
国葬令は日本国憲法が施行された1947年の末に失効している。
国葬の法的根拠がない。
岸田内閣は内閣府設置法を根拠に国葬を行おうとしているが、内閣府設置法は国の儀式に関する事務を内閣府が所管することを定めているだけで、国葬の根拠法ではない。
1967年10月に根拠法がないなかで吉田茂元首相の国葬が実施されたが、反対意見が根強かった。
国葬強行実施に批判が沸騰した。
吉田茂元首相の国葬が強行実施された翌年の1968年5月の衆院決算委員会で、社会党議員が
「政府の思い付きで(国葬を)やることは承服できない。
国会、国民が納得する(対象者の)基準を発表する必要がある」
と質問したのに対し、水田三喜男蔵相(当時)が
「何らかの基準をつくっておく必要がある」
と答弁している。
日本が法治国家であるなら、国葬を実施する前に根拠法を定めるべきだ。
少なくとも国会の決議が必要だ。
国権の最高機関である国会が冒涜されている。
安倍元首相を銃殺したとされる山上徹也容疑者は旧統一協会(現世界平和統一家庭連合)に対する強い怨恨を抱いていたとされる。
山上容疑者は安倍元首相が祖父の岸信介氏の代から統一協会(=国際勝共連合)と深い関係があると判断し、安倍元首相を標的にしたと供述していると伝えられている。
メディアは山上容疑者の「間違った思い込み」であると当初報じたが、山上容疑者の認識が「間違った思い込み」ではないことが明らかになっている。
岸信介氏は統一協会(=国際勝共連合)と深い関りを有していた。
また、安倍元首相が選挙に際して統一協会の投票を誰に割り当てるかを決定する際に主導権を有していたこと、また、統一協会のフロント団体のイベントにビデオメッセージを送り、統一協会フロント団体幹部に最大の賛辞を送っていたことも明らかになっている。
敗戦後日本の政治史を考察する際、1947年以降の「逆コース」は最重要事項である。
米国の対日占領政策の基本路線が転換された。
連動して米国は日本における「反共活動」を全面的に拡大した。
米国が釈放した戦犯容疑者の一部がこの活動を担わされた。
その中核的存在が、岸信介、笹川良一、児玉誉士夫、正力松太郎の各氏である。
「米国に支配される日本」の基本構図がこの過程で確立された。
この意味で統一協会=勝共連合と自民党清和政策研究会のつながりを明らかにすることは極めて重要なこと。
銃殺事件に対する評価と切り離してこの問題を考察することが重要だ。
参院選が実施され、臨時国会が召集されたが、わずか3日で閉幕した。
国葬問題があり、統一協会問題があるなかで、国会は責務を果たすべきだ。
国会の会期をわずか3日にした責任の第一は与党にあるが、与党の申し出を抵抗もせずに受け入れた野党の責任も重大だ。
なぜ、実質審議を行う会期を確保することを強硬に主張しないのか。
そこには、野党第一党の党首自身が責任問題から逃避しているという事実がある。
参院選で立憲民主党は大惨敗した。
立憲民主党の比例代表選挙での絶対得票率(全有権者数に対する得票数の比率)は大惨敗した2021年10月総選挙で11.2%だったが、今回参院選では、さらにほぼ半減の6.5%にまで低下した。
泉健太立憲民主党が主権者の支持を完全に失ったことが明確になった。
この責任を取ることもできない党首が政権与党を追及することなど不可能だ。
ものごとに対して責任を明らかにすることから逃げる「無責任体質」がこの国の衰退の主因になっていると思われる。
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