戦後史のタブー・パンドラが開いた
7月11日に鳩山友紀夫元内閣総理大臣が理事長を務める東アジア共同体研究所が主宰するUIチャンネルに出演させていただいた。
https://www.youtube.com/watch?v=_-jTiEwJ_Ss
対談テーマは「参院選結果と日本の諸問題」
上記URLで視聴が可能なのでぜひご高覧賜りたい。
参院選は予想通り自民大勝、立憲惨敗、維新伸長という結果に終わった。
投票日2日前に安倍晋三元首相が殺害された事件は自民党の得票を増やす効果を持ったと見られる。
自民党は改選過半数の63議席を獲得。
立憲民主党の獲得議席は16議席(6年任期の議席数)。
非改選議席を1獲得したが、これを含めた非改選議席23から7議席も少ない獲得議席数になった。
維新は比例で8議席を獲得し、比例7議席の立憲を抜き、比例獲得議席数で第2党になった。
2014年から2017年までの国政選挙では投票率が約5割の状況下で自公への投票率と非自公への投票率がほぼ拮抗してきた。
得票における与野党伯仲状況が存在していた。
ところが、2019年の参院選以降、状況が大きく変化している。
憲法改定に積極的勢力と阻止勢力とで区分すると、今回選挙では推進勢力35%対阻止勢力15%という状況が生じた。
政治刷新を目指す野党勢力の衰退が顕著。
野党が衰退する一方、与党と野党の中間に位置する「ゆ党」が拡大している。
これは野党衰退の裏返しの現象。
野党衰退の原因は野党が分断工作によって壟断されたことにある。
野党分断工作の尖兵として活動してきたのが連合六産別。
連合六産別は旧同盟の系譜を引く。
旧同盟はCIAが野党分断を目的に創設した民社党の支援母体として創設された大企業御用組合連合。
その連合六産別が野党分断というCIAが付与した当初のミッションを忠実に実行している。
野党共闘を標的にし、中核野党が共産党と共闘することを妨害する。
この活動を展開し続けてきた。
この工作活動に籠絡されたのが立憲民主党。
強固な野党共闘を主導することを期待されて立憲民主党は躍進した。
しかし、枝野幸男氏にはこの方向で政治刷新を目指す意思が存在しなかった。
枝野幸男氏が野党共闘を否定して野党共闘が瓦解。
連動して立憲民主党が国民支持を失った。
泉立憲はこの路線を引き継ぎ、結果として立憲惨敗=自民大勝が生じた。
自民が大勝したというより立憲民主が自壊したと表現する方が現実に即している。
CIAが民社党と同盟を創設して野党を分断する工作活動を展開してきたことが取りも直さず米国の「反共化路線」である。
1947年のトルーマン・ドクトリン公表を契機に米国の対日占領政策が大転換した。
民主化は中止され、非民主化・反共化・再軍備に180度の方向転換が生じた。
日本国憲法は民主化占領政策のレガシーだが、1947年以降の米国にとって日本国憲法は邪魔な存在に転換した。
米国の対日政策の根幹が「反共化・日本再軍備化」に転換した。
このミッションを負ったのが戦犯容疑者から解放された岸信介氏だった。
1968年、統一教会の創設者・文鮮明が岸信介の協力を得て、反共産主義政治団体「国際勝共連合」を日本に設立。
韓国、日本を反共の防波堤にすることが米国の極東政策の根幹に据えられたなかで、「勝共連合」こそ米国の対極東戦略の根幹に関わる存在になった。
安倍晋三氏の銃殺事件を契機にこの問題に光が当てられることになった。
日本の反共・対米隷属政治を堅持するために米国が最大の力を注いでいるのが反共キャンペーンであり、これを実践して野党弱体化の成果を上げているのが連合六産別である。
今回選挙結果はCIAの戦略が見事に軌道に乗ったことを象徴している。
しかし、好事魔多しという。
CIA戦略そのものとも言える「勝共連合」と自民党清和政策研究会との関係性に光が当てられることは彼らにとっての最大の脅威である。
パンドラの箱が開いたと言える状況だ。
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