国民を不幸にする政治を続けるのか
参院選が公示された。
重要な選挙だが国民の盛り上がりは欠ける。
理由は民意を広く受け止める野党勢力が存在しないからだ。
政権与党の支持者はこれまでと変わらない。
全有権者の半分しか投票所に足を運ばない。
投票所に足を運ぶ主権者の約半分が政権与党に投票してきた。
政権与党は権力が支配する利権を政権支持者に配分する。
この恩恵に預かるために主権者の25%の人々は投票所に足を運び与党に投票する。
利益誘導が投票の動機になっている。
この「利権政治」を打破しようと考える主権者も多数存在する。
この勢力が主権者の25%存在して、投票所に足を運び、反与党勢力に投票する。
与党支持者と与党不支持者は数の上で拮抗しているが、与党不支持者の投票は分散するため、議席では与党勢力が圧倒的多数を獲得している。
これが日本の選挙実態である。
日本政治を刷新するには反与党勢力が大同団結する必要がある。
大同団結が実現すれば投票率は上昇し、政治刷新が実現するだろう。
このことを認識して権力を維持しようとする勢力は反与党勢力の分断を図る。
そのための方法が「共産党と共闘するんですか」という連呼である。
このフレーズが投げかけられたら、
「はい、もちろん共闘しますが、それが何か」
と反論すればよい。
それだけのこと。
ところが、野党の中核になることが期待された立憲民主党が、このフレーズに反応してしまった。
立憲民主党が右旋回して、野党共闘を破壊。
連合六産別の軍門に下ってしまった。
連合六産別は労働者の利益を代弁していない。
連合六産別は大資本の利益を代弁している。
したがって、連合六産別は自民党の支援団体に転じるのが整合的だ。
日本政治刷新を目指す市民と政治勢力は連合六産別と訣別して、政治刷新を求める市民と政治勢力の大同団結を目指すべきだ。
その出発点を作ることができるのかが問われるのが今回の選挙。
政治はいま何をするべきなのかを考えることが重要だ。
日本経済の歴史と現状を踏まえて、何をどう変えて、どのような社会を構築することを目指すのか。
この点を明確にする必要がある。
過去25年間、日本経済はまったく成長しなかった。
ドル表示の日本の名目GDPは1995年を100とすると2020年が91である。
日本経済は25年前の水準よりも縮小してしまった。
こんな国は世界のなかのどこにもない。
世界最悪の経済パフォーマンスを示したのが過去25年間の日本経済だ。
その25年間に確実に進展したことがある。
それが格差の拡大。
かつて一億総中流と呼ばれた日本経済から中間所得者層が消えた。
圧倒的多数の国民が下流に押し流された。
ひとり親世帯の相対的貧困率は49%。
ひとり親世帯の半分が相対的貧困に置かれている。
世帯の年収が127万円以下だ。
月10万円以下の収入で世帯を支えることが強要されている。
与党は成長を叫び続けたが成長は実現しなかった。
実現したのは大企業利益の成長だけだ。
その裏側が国民生活の崩壊なのである。
したがって、いま何よりも必要な施策は、国家がすべての国民に保証する最低ラインの大幅に引き上げだ。
しかし、新自由主義経済政策を基軸にする政権与党は、この声に背を向ける。
野党は明確に政策転換を叫び、政策転換のために主権者が全員投票に参加することを呼びかける必要がある。
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