地道に党勢拡大目指すれいわ新選組
れいわ新選組の山本太郎衆院議員が議員辞職した。
7月10日が投開票日になると見られる参議院議員通常選挙に出馬するとのこと。
衆院総選挙で主権者の負託を受けたのに議員辞職するのは無責任との批判があるが、定められた制度のなかで戦術を駆使するのは政党に認められた権利であるから批判は説得力を持たない。
昨日出演した『ニューズオプエド』でもコメントしたが、4月24日の石川県参議院議員補欠選挙では自民党前参議院議員が議員辞職して出馬している。
類似した行動は与党サイドでも実行されており、現在の危機的な政治状況を踏まえれば、れいわ新選組が党勢拡大のために戦術を駆使することは批判されるべきものでない。
2012年12月から安倍・菅政治が9年間も続いた。
政治私物化、権力の暴走の弊害は目を覆うばかりだった。
国民の批判は沸騰した。
この状況下で立憲民主党が中核野党として強いリーダーシップを発揮すれば政権交代さえ可能な状況だった。
ところが、その立憲民主党が自滅した。
昨年10月31日の衆院総選挙で大惨敗を喫した。
自民党は菅首相が首相を辞任し、岸田文雄氏にバトンを引き継いだ。
前任者の傲岸不遜な態度に比べて岸田文雄氏は基本動作において真摯な姿勢を示す。
自民党は大敗の危機を脱して、総選挙大勝の幸運を掴んだ。
野党が自滅する一方で与党は選挙の顔一新で総選挙大勝を掴み取ったわけだ。
転向した腰砕け野党より、丁寧な対応姿勢を示す自公がまし、との感覚を主権者が保持することに違和感は生じなかった。
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第8章に日本政治に関する考察を記述した。
メディアは立憲民主党が共産党と共闘したことが惨敗の主因であると喧伝したが、これは事実誤認またはフェイクニュース。
総選挙直前に立憲民主党枝野幸男代表は記者に対して次のように述べた。
「「野党共闘」というのは皆さんがいつもおっしゃっていますが、私の方からは使っていません。
あくまでも国民民主党さんと2党間で連合さんを含めて政策協定を結び、一体となって選挙を戦う。
共産党さんとは(共産、社民、れいわの3党と一致した政策に)限定した範囲で閣外から協力を頂く。」
枝野氏は、「野党共闘」は立憲民主党と連合、国民民主党の共闘であって、共産、れいわ、社民は共闘の対象でないとした。
立憲民主党が総選挙で惨敗した主因は、枝野代表が野党共闘を否定したために、日本政治刷新を求める主権者の多くが立憲支持から離脱したことにあると考えられる。
枝野氏が野党共闘否定を強調する発言を示したのは、連合が共産党との共闘を強く批判したことが背景だ。
かつての民主党が改革勢力と守旧勢力の二つに分裂し、立憲民主党が改革勢力としての旗幟を鮮明にすることを主権者が期待したが、連合の圧力に負けて立憲民主党が守旧勢力化してしまったことが立憲民主党支持急低下の主因だと考えられる。
このなかで、連合は2022年2月17日、参院選に向けての基本方針を発表した。
連合は、共産党を念頭に「目的や基本政策が大きく異なる政党と連携する候補者は推薦しない」ことを明記し、立憲民主党と国民民主党との関係について、「連合の政策実現に向けて、それぞれと引き続き連携を図ることを基本としつつ、今回は、候補者本位で臨む」とした。
国民民主党を支援する一方、立憲民主党候補については、共産党と共闘しない候補者だけを支援する方針を示したものと理解できる。
連合の軍門に下った立憲民主党は、もはや国民民主党との違いを失っている。
現在の連合の主導権を握っているのが「6産別」と呼ばれる勢力。
連合加盟の労働者は約700万人で労働者全体の1割に過ぎない。
その700万人加盟者の約6割に当たる400万人が「6産別」に所属している。
「6産別」とは電力総連、電機連合、自動車総連、基幹労連(鉄鋼)、JAM(機械・金属)、UIゼンセン(繊維・流通等)を指す。
この6産別が旧同盟の流れを引く御用組合連合と呼ぶべきもの。
6産別は大企業御用組合と呼ぶべきもので、加盟する労働者は「貴族労働」と表現するべき存在。
連合は自民党に急接近しており、もはや労働者の利害を代表する存在でない。
7月参院選では6産別組織内候補を全力で落選させることが極めて重要になる。
6産別組織内候補は、
川合孝典(UIゼンセン)、浜口誠(自動車総連)、矢田わか子(電機連合)、村田享子(基幹労連)、竹詰ひとし(電力総連)
の5名。
この5名を落選させることがまずは最重要課題になる。
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