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2022年4月21日 (木)

米国の横暴が通用しないG20

3月2日の国連総会緊急特別会合における「ロシアによるウクライナ侵攻を非難する決議」採択で、賛成した国は193ヵ国中の141ヵ国だった。

他方、反対5ヵ国、棄権35ヵ国、意思表示なし12ヵ国だった。

メディアは圧倒的多数で非難決議が採択されたと伝えたが、賛成した国と賛成しなかった国の人口数ではまったく違う断面が見えてくる。

賛成した国の人口合計は32.2億人。

賛成しなかった国の人口合計は45.3億人。

世界人口に対する賛成国人口比率は41.5%であったのに対し、賛成しなかった国の人口比率が58.5%だった。

日本は米国の実質植民地であるため、米国主要メディアの流す情報しか流布されない。

バイデン政権の政策を仕切っているのが「ネオコン」と呼ばれる勢力である。

ネオコンとはNeoconservatismのこと。

「新しい保守主義」である。

本来の保守主義とは違う。

この点について遠藤誉氏は次のように記述する。

「「アメリカはウクライナ戦争を終わらせたくない」
と米保守系ウェブサイトが」
https://bit.ly/3vBPIec

「そもそもネオコン(Neoconservatism )とは、アメリカの「新しい保守主義」を指し、「国際政治へのアメリカの積極的介入」あるいは「アメリカの世界覇権」や「アメリカ的な思想を世界に広めること」などを信条としているため、従来の保守主義とは異なる。

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ネオコンは今では「軍需産業」(武器商人)と密接に結びつき、アメリカの民主党との結びつきが強い傾向にある。

ならば共和党はみな反ネオコンかと言ったら必ずしもそうではなく、トランプ政権にも少なからぬネオコン派が入っていた。

ただ、本来の保守主義を主張するThe American Conservativeは、反ネオコンで、ウクライナ戦争は武器商人と結びついて、バイデン政権が起こしたものであるとしている。

これは4月13日のコラム
<ウクライナ戦争の責任はアメリカにある!
――アメリカとフランスの研究者が>
https://bit.ly/3OqPlMc

で書いた、アメリカのジョン・ミアシャイマー氏やフランスのエマニュエル・トッド氏などの見解と一致している。

特に、ネオコンの代表格であるバイデン政権のヌーランド国務次官などは、2013年末にウクライナ政権クーデター(親露派ヤヌコーヴィチ政権を打倒して親欧米派ポロシェンコ政権を樹立させたマイダン革命)をバイデン(副大統領)とともに背後で動かした中心人物だ。」

この「ネオコン発の情報」が日本で流布されている。

ヌーランドについては本ブログ、メルマガで再三取り上げてきた。

ネオコンの特徴は自分たちが信奉する価値観を他国に埋め込むためには武力の行使も辞さないとする点にある。

「力による現状変更」を強行してきたのがネオコン勢力であると言える。

この勢力による偏った情報しか流布されない日本では、「ロシア=悪魔、ウクライナ=正義」の見立てしか報道されないが、全世界の認識は、これとまったく異なっている。

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ユーラシア大陸の大国である中国とインド、イラン、パキスタン、バングラディシュはロシア非難決議に賛成していない。

4月20日、米国のワシントンでG20財務相・中央銀行総裁会議が開催された。

米国はロシアを非難し、ロシアに対する経済制裁強化を決定することを目論んだが失敗に終わった。

G20参加国のうち、ロシア制裁に賛成している国は10ヵ国(EUを1ヵ国としてカウント)。

ロシア制裁に加わっていない国がロシアを含めて10ヵ国である。

ロシア経済政策国10ヵ国の人口は8億9630万人(EUをG7以外で人口が最多のスペインの人口で計算)。

これに対して、ロシア経済制裁不参加国10ヵ国の人口は38億383万人。

人口比では経済制裁参加国が19%、経済制裁不参加国が81%である。

これから衰退する欧米が、これから栄える新興国を抑え込もうと懸命になっている。

日本では欧米の主張がすべてになるが、世界の大きな流れは、衰退する欧米と勃興する非欧米という大きな流れのなかにある。

このなかで、ネオコンは自分たちが信奉する価値観を他国に強要する活動を展開し続けている。

ウクライナの紛争も、米国が米国の価値観をウクライナに埋め込むために、ウクライナ政権を暴力によって転覆したところから始動したもの。

ウクライナに米国傀儡政権が樹立されていなければ、今回の戦乱は生じていない。

米国の価値観が唯一絶対の存在で、他の価値観の存在を認めぬ姿勢は新たなファシズムと表現できる。

民主主義の本来の最大美徳は、異なる価値観の併存を認める点にある。

米国の価値観以外の価値観の存在を認めぬ狭量なネオコンの行動が紛争を引き起こす根因であることを見落としてはならない。

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