ワクパス検査自己負担は憲法違反
市民の旅行に際して政府が利益を供与する政策が再開された。
「県民割」等の都道府県等が実施する旅行等に対する割引措置。
この利益供与提供に際して条件が設定されている。
その条件とは、ワクチン接種証明の提示または陰性証明の提示。
ただし、接種証明はワクチンの2回接種済の証明書。
陰性証明はPCR検査なら有効期限は3日、抗原検査なら有効期限は1日とされている。
健康被害等を懸念してワクチンを接種していない場合、PCR検査、抗原検査の費用は公費負担になる。
こうした利益供与策が始動された。
重大な問題点が二つある。
第一は、オミクロン株感染拡大により、ワクチン2回接種が感染防止の意味を持たないことから接種証明の運用を停止した経緯があり、この問題との関係が明らかにされていない。
接種証明制度の運用を停止したのは、ワクチンを2回接種しても感染しないことにはならないことが明らかになったため。
ワクチン接種していても感染するし、したがって、他者を感染させる。
ワクチン接種は感染防止上の強い効果を持たないことが明らかになった。
このために、接種証明活用を停止した。
この状況に何らかの変化があったのか。
変化は何も報告されていない。
政府は接種証明が感染防止上の効果がないことから、「全員検査制度」を始動させた。
この措置には一定の合理性がある。
接種証明は感染防止上の効果を持たないが、全員に対して陰性証明の提示を求めるなら、感染防止上の効果を確保できるからだ。
しかし、この場合、全員が毎回検査を受ける必要が生じる。
費用と手間が膨大になる。
しかし、意味のない接種証明を利用することよりは合理的だ。
現在、新規陽性者数が減少に転じているが、水準は極めて高い。
この状況下で旅行などを推進する施策が実施された。
しかし、感染の中心はオミクロン株である。
この状況下で、ワクチン2回の接種証明で利益供与する根拠がない。
オミクロン株ではワクチン2回接種の意味がないためにワクチン検査パッケージの運用を停止した。
その状況が変わっていないのに、2回接種証明で利益供与を行うことは論理の破綻。
第二の問題は、無料検査の期限を3月31日としていること。
県民割等の施策は3月22日から4月28日を適用期間としている。
4月1日から4月28日の間の検査費用はどうなるのか。
新型コロナワクチン接種を実施するために予防接種法の改定が行われた。
その際に衆参両院で付帯決議が採択されている。
付帯決議には
「新型コロナウイルスワクチンを接種していない者に対して、差別、いじめ、職場や学校等における不利益取扱い等は決して許されるものではないことを広報等により周知徹底するなど必要な対応を行うこと。」
が明記された。
職場や学校等における不利益取扱い等の前に、憲法が定める「法の下の平等」がある。
ワクチンを接種していない者に対する行政上の不利益取扱いが許されないことは言うまでもない。
岸田内閣はワクチン検査パッケージの運用を停止したあと、一切の説明をせずにワクチン検査パッケージの運用再開を強行した。
科学的知見、合理的説明が皆無。
反知性主義を押し通す姿勢は言語道断だ。
その上、ワクチン非接種者に対する不当な「法の下の不平等」を放置する姿勢を示している。
諸外国では接種証明制度そのものを廃止する動きが加速している。
フランスが3月14日からワクチンパスポート制度を基本的に廃止した。
米国のNY市も3月7日からワクチンパスポート制度を廃止した。
韓国も3月1日から防疫パス制度を廃止した。
英国は人権侵害を防ぐためにワクチンパスポート制度の導入を当初から見送っている。
日本のワクチン検査パッケージ制度復活は反知性主義を象徴するとともに、ワクチン非接種者へのいやがらせ措置であるとともに重大な憲法違反措置になっている。
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