正義に成りすます米国の正体
米国のこれまでの行動とロシアの行動を比較したときに、一方を悪とし、一方を善と決めつけることはできない。
今回のロシアによる軍事作戦遂行を是認できない。
武力による紛争の解決を遂行するべきでない。
しかし、米国が正義の騎士であるかのように振る舞うのは噴飯もの。
イラク戦争を再評価するべきだ。
イラクの罪なき市民が、どれだけ犠牲になったのか。
メディアは、イラクの市民生活を報道したか。
イラクの街からの中継を連日行ったか。
米軍の軍事侵攻を非難したか。
米国はイラクが大量破壊兵器を保持していると主張した。
しかし、国連は軍事侵攻の前に踏むべきプロセスがあるとして、米国による軍事侵攻を是認しなかった。
しかし、米国は制止を振り切ってイラクに軍事侵攻した。
イラク市民の犠牲者は数十万人に達した。
現在のウクライナでの犠牲者数との比較を示すべきだろう。
米国による軍事侵攻ののち、イラクから大量破壊兵器は発見されなかった。
単なる侵略戦争だったことが明らかになった。
ウクライナでは2004年と2014年に二度、政権転覆が遂行されている。
この二つの政権転覆の裏側に米国が位置している。
米国が介入して政権を転覆させたのであれば、糾弾されるべき存在は米国である。
米国は「情報力」を駆使して、自らの行動を正当化してきた。
しかし、その行動が「善」であるのか、「悪」であるのか、評価は定まっていない。
この問題を米国の著名映画監督であるオリバー・ストーン氏がドキュメンタリー映画にした。
昨日も紹介した
「ウクライナ・オン・ファイヤー」
https://www.nicovideo.jp/watch/sm40134434
画面に流れるコメントは簡単な操作で非表示にできる。
ウクライナ問題を考えるなら、必見の作品だ。
オリバー・ストーン氏は自説を強要しない。
淡々と、事実を伝えてくれる。
その事実を、どう解釈するのかは視聴者に委ねられる。
しかし、米国がウクライナの極右勢力を温存し、対ロシア戦略に活用してきたことはよく理解できる。
東欧カラー革命が類似した手法で遂行されてきたこともよく分かる。
ウクライナの反政府デモは、当初、穏健な活動だった。
デモ隊とヤヌコヴィッチ政権との間で大統領選の前倒し実施で合意も成立しかけた。
しかし、平和な妥協が成立しては困る勢力が存在した。
平和なデモを、暴力行為、流血の泥沼に移行させることを必要とした勢力が存在した。
この「転換」を担ったのが米国と連携する極右勢力だった。
彼らが採用したのが「偽旗作戦」である。
デモの最中に極右勢力がライフル銃などを用いて、故意にデモ隊に発砲し、死傷者を生み出し、それをヤヌコヴィッチ政権の治安部隊によるものであるとの情報を拡散する。
この「偽旗作戦」によって民衆の行動を特定の方向に誘導するのである。
詰まるところ、暴力革命によって政権転覆を図る。
これが2014年政権転覆の基本図式である。
同時にウクライナ極右勢力は親ロシア勢力が支配権を持つ東部ドネツク州、ルガンスク州においても挑発行為を繰り返す。
このことによって、一種の内戦状態が生み出された。
事態を収拾するために停戦協議が行われ、2014年と2015年に「ミンスク合意」が締結された。
「ミンスク合意」は東部地区の自治を広範に認める内容を含んでいた。
ロシアにはロシアの主張がある。
この点を含めて、早期に停戦が実現するように、すべての関係国が尽力するべきだ。
一方的な非難、攻撃、追い込み戦術だけで問題を解決することはできない。
鳩山友紀夫元首相との対談(アジア共同体研究所主宰YouTube動画「UIチャンネル」)
https://bit.ly/39BTgmd
10月5日発売の鳩山友紀夫元首相、孫崎享氏、前川喜平氏との共著『出る杭の世直し白書(ビジネス社)
https://amzn.to/3hSer8a
のご高覧も賜りたい。
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
のご購読もよろしくお願いいたします。
上記メルマガを初めてご購読される場合、
2ヶ月以上継続して購読されますと、最初の一ヶ月分が無料になりますので、ぜひこの機会にメルマガのご購読もご検討賜りますようお願い申し上げます。
https://foomii.com/files/information/readfree.html
続きは本日の
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
第3169号「深層は米ロのウクライナ争奪戦」
でご購読下さい。
『アベノリスク』(講談社)
の動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。
2011年10月1日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:540円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。
創刊月2011年10-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。
メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.comまでお願い申し上げます。
価格:1,650円 通常配送無料
出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する
価格:1,650円 通常配送無料
出版社:株式会社コスミック出版
amazonで詳細を確認する
価格:994円 通常配送無料
出版社:詩想社
amazonで詳細を確認する
価格:907円 通常配送無料
出版社:発行:祥伝社
amazonで詳細を確認する
価格:1,620円 通常配送無料
あなたの資産が倍になる 金融動乱に打ち勝つ「常勝投資術」~(TRI REPORT CY2018)
価格:1,620円 通常配送無料
価格:994円 通常配送無料
出版社:発行詩想社 発売星雲社
amazonで詳細を確認する
価格:1,620円 通常配送無料
出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する
価格:1,512円 通常配送無料
出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する
日本経済復活の条件 -金融大動乱時代を勝ち抜く極意- (TRI REPORT CY2016)
価格:1,728円 通常配送無料
出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する
価格:1,728円 通常配送無料
出版社:星雲社
amazonで詳細を確認する
« ウクライナ・オン・ファイヤー | トップページ | 危険なワクチン接種を止めよう »
「ウクライナ紛争」カテゴリの記事
- ウ戦争無知報道続けるメディア(2024.07.11)
- 大統領職に居座るゼレンスキー(2024.06.17)
- 和平協議拒絶するゼレンスキー(2023.11.23)
- 目を覆うばかりの米国ダブスタ(2023.11.11)
- 戦争に加担する現方針の誤り(2023.10.13)