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2021年12月16日 (木)

マスメディア堕落の本当の理由

12月15日、鳩山友紀夫元首相が理事長を務める東アジア共同体研究所主催の講演会が開催された。

講師は東アジア共同体研究所所長の孫崎享氏。

演題は「米中対立と日本の安全保障を考える」。

某全国紙が「正論」と題する論説を提示するが、客観的に見れば「自称正論」。

真正の正論ではない。

孫崎享氏が提示する主張こそ「真正の正論」である。

日本の問題は「真正の正論」が排除されていること。

孫崎氏はテレビやラジオのマスメディアにも数多く登場されていた。

極めて正確で正鵠を射る論説を提示するのだから当然のこと。

ところが、2013年に自民党の大西英夫議員が、NHKが孫崎享氏をテレビに出演させるのはおかしいとの批判を展開したことを受けてNHKが孫崎氏の排除に動く。

その後、民間メディアも孫崎氏の登場回数を減らし、現在ではほぼマスメディアでの露出がなくなっている。

私の観察では、政治権力がマスメディアでの言論統制を著しく強めたのは2001年の小泉純一郎政権発足後である。

私は小泉内閣が誕生する1年半ほど前に小泉氏に対して1対2の形態でレクチャーをしたことがある。

小泉氏と同席したのが中川秀直元自民党国会議員。

レクチャーをアレンジしたのは日本経済新聞の杉田亮毅専務。

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小泉純一郎氏と昵懇の関係だ。

小泉氏は私の説明を遮り、滔々と反論をまくし立てて、さながら小泉氏の独演会の様相を示した。

小泉氏は人の説明に真摯に耳を傾けない。

「聞く力」が皆無だった。

「改革なくして成長なし」の一点張り。

レクチャーをしたときに小泉氏は無役だったが、その後2001年4月に首相に就任した。

そして、有言実行で超緊縮財政運営を強行した。

その結果が金融恐慌の危機招来だった。

私は小泉内閣が発足したときに、テレビ番組において、小泉内閣が提示する政策を実行に移すなら、日本経済は最悪の状況に陥ると予言した。

予言通りの現実が生じた。

経済は大不況に転落し、株価暴落が金融不安の引き金を引いた。

2003年5月にはりそな銀行危機が表面化した。

このとき、小泉内閣の政策運営は破綻した。

「退出すべき企業は市場から退出させる」ことを掲げ、「大銀行といえども救済するとは限らない」として金融不安を煽ってきた結果、実際にりそな銀行危機を招来した。

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このとき、公約通りにりそな銀行を破綻処理していたなら日本は金融恐慌に突入していたはずだ。

金融恐慌が回避されたのは、小泉内閣がりそな銀行を破綻処理ではなく、公的資金で救済したからだ。

文字通り、小泉政権の政策破綻だった。

金融恐慌を回避するために公的資金によってりそな銀行を救済したことは現実的選択であったとも言えるが、その政策破綻を押し通すには「内閣総辞職」が必然だった。

ところが、この政策破綻を日本経済新聞が「金融改革」として絶賛した。

日本経済新聞の主導権はりそな危機が表面化した2003年3月に鶴田卓彦氏から杉田亮毅氏に移行する。

杉田氏が主導権を握り、小泉内閣の金融処理破綻を「正義の金融改革政策」にでっち上げた。

日本経済新聞社の私に対する攻撃が激化したのも日本経済新聞内部の権力転換と軌を一にするものだった。

話が横道に逸れたが、2001年以降、日本の言論空間の歪みが一気に激烈化した。

NHKでも、私が日曜討論に数多く出演した初期に司会を務めた山本孝氏は極めて公平な番組進行を実行した。

ところが、小泉内閣発足後は、亡くなられた影山日出夫氏や島田敏男氏などが極めて悪質な偏向司会進行を行うようになった。

日本で悪政が続いている根本要因が三つある。

政治権力によるメディアの不当支配、政治権力による刑事司法の不当支配、そして、国民の緩さである。

最も根源的な問題は国民の側にあるとも言える。

12月15日の講演で孫崎享氏は国民の側の問題を最後に強調された。

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