« ワクチンをめぐる重大人権侵害 | トップページ | 野党退潮ゆ党伸長がもたらす危機 »

2021年12月30日 (木)

最悪の成果残したアベノミクス

2021年の経済を回顧する。

日本経済の停滞はいまに始まったことではない。

日本経済の実質GDP成長率は、バブルが崩壊した1990年以降30年以上にわたって停滞し続けている。

実質GDP成長率の推移は以下の通り。

1960年代:10.5%

1970年代:5.2%

1980年代:4.9%

1990年代:1.5%

2000年代:0.6%

民主党政権時代の2009年10-12月期から2012年10-12月期の成長率平均値が1.7%。

第2次安倍内閣発足後の2013年1-3月期から2021年7-9月期案での成長率平均値が0.6%。

1990年代以降、ゼロに近い状況が30年以上も継続している。

2012年に発足した第2次安倍内閣は「アベノミクス」を掲げて日本経済を浮上させることを公約に掲げたが失敗した。

戦後最低の経済成長率を記録したのが第2次安倍内閣発足後の日本である。

1990年以降は消費税導入と消費税大増税の30年間だった。

日本経済の停滞は世界のなかでも突出している。

人気ブログランキングへ

2012年12月に発足した安倍内閣は「アベノミクス」を提唱した。

内容は財政政策、金融政策、構造政策を発動するというもの。

経済政策の主要な三手法を並べたもので目新しさはまったくなかった。

1.財政政策を発動したのは2013年だけ。

2014年には消費税増税を強行。

「アベコベノミクス」に転落した。

2.金融政策は量的金融緩和でインフレ率を2%に引き上げるというものだったがインフレ率引き上げに失敗した。

そもそもインフレ率の引き上げは生活者のための施策でない。

企業がインフレ分だけ実質賃金を引き下げることができるからインフレ率上昇が求められたという経緯がある。

インフレ率引き上げに失敗したことは国民にとって不幸中の幸いだった。

3.「アベノミクス」の核心は「構造政策」=「成長戦略」にあった。

「成長戦略」の言葉は響きが良いが「誰の」「何の」成長であるのかが重要。

「成長戦略」の「成長」は「大資本の利益の成長」を目指すものだった。

「成長戦略」の中身は「農業自由化」、「医療自由化」、「労働規制撤廃」、「法人税減税」、「公的事業払い下げ」だった。

人気ブログランキングへ

「働き方改革」という名の「働かせ方改悪」が強行されて企業収益は2012年から1017年までの5年間に2.3倍に激増した。

経済が低迷するなかで大企業利益が激増したことは労働者の賃金が減少したことを意味する。

一人当たり実質賃金は2012年から2020年の8年間に6%も減少した。

日本は世界最悪の賃金減少国になった。

最悪の経済成長率のなかで大企業利益だけが激増して労働者の賃金が激減するのは当然のこと。

同時に、「改革」の名の下に一次産業と公的事業の権益がグローバル巨大資本に供与された。

そのために跋扈したのが現代版の「政商」。

えせ経済学者勢力だ。

2021年の自民党党首選で岸田文雄氏が勝利したことの意味は小さくない。

ハゲタカ勢力は新自由主義経済政策を推進する河野太郎氏の当選を期待したはずだ。

岸田文雄氏は曲がりなりにも「新しい資本主義」を掲げて「新自由主義経済政策」を批判する主張を展開した。

日本の経済政策を「弱肉強食推進」から「共生社会確立」に転換できるのかどうか。

2022年以降の経済政策論議が重要性を帯びる。

自民党内部では「新自由主義経済政策推進勢力」と「反自由主義経済政策勢力」との間の抗争が激化することになる。

鳩山友紀夫元首相との対談(アジア共同体研究所主宰YouTube動画「UIチャンネル」)
https://bit.ly/39BTgmd

10月5日発売の鳩山友紀夫元首相、孫崎享氏、前川喜平氏との共著『出る杭の世直し白書(ビジネス社)
https://amzn.to/3hSer8a

のご高覧も賜りたい。

人気ブログランキングへ

メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」

https://foomii.com/00050

のご購読もよろしくお願いいたします。

上記メルマガを初めてご購読される場合、
2ヶ月以上継続して購読されますと、最初の一ヶ月分が無料になりますので、ぜひこの機会にメルマガのご購読もご検討賜りますようお願い申し上げます。

https://foomii.com/files/information/readfree.html

人気ブログランキングへ

続きは本日の
メルマガ版
「植草一秀の『知られざる真実』」
第3116号「2021年の回顧-経済政策-」
でご購読下さい。

『アベノリスク』(講談社)
動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。

2011101日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:540円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。

 創刊月201110-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。

 メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.comまでお願い申し上げます。

人気ブログランキングへ

 

価格:1,650円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

 

価格:1,650円 通常配送無料

出版社:株式会社コスミック出版
amazonで詳細を確認する

 

価格:994円 通常配送無料

出版社:詩想社
amazonで詳細を確認する

 

価格:907円 通常配送無料

出版社:発行:祥伝社
amazonで詳細を確認する


日本経済を直撃する「複合崩壊」の正体

価格:1,620円 通常配送無料

出版社:発行:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

あなたの資産が倍になる 金融動乱に打ち勝つ「常勝投資術」~(TRI REPORT CY2018)

価格:1,620円 通常配送無料

出版社:発行:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

「国富」喪失 (詩想社新書)

価格:994円 通常配送無料

出版社:発行詩想社 発売星雲社
amazonで詳細を確認する

価格:1,620円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する


泥沼ニッポンの再生

価格:1,512円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

日本経済復活の条件 -金融大動乱時代を勝ち抜く極意- (TRI REPORT CY2016)

価格:1,728円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

米国が隠す日本の真実~戦後日本の知られざる暗部を明かす

価格:1,728円 通常配送無料

出版社:星雲社
amazonで詳細を確認する

« ワクチンをめぐる重大人権侵害 | トップページ | 野党退潮ゆ党伸長がもたらす危機 »

アベノミクス失政」カテゴリの記事

有料メルマガご登録をお願い申し上げます

  • 2011年10月より、有料メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」の配信を開始いたします。なにとぞご購読手続きを賜りますようお願い申し上げます。 foomii 携帯電話での登録は、こちらからQRコードを読み込んでアクセスしてください。

    人気ブログランキング
    1記事ごとに1クリックお願いいたします。

    ★阿修羅♪掲示板

主権者は私たち国民レジスタンス戦線

  • 主権者は私たち国民レジスタンスバナー

    主権者は私たち国民レジスタンスバナー

著書紹介

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
2025年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

関連LINKS(順不同)

LINKS1(順不同)

LINKS2(順不同)

カテゴリー

ブックマーク

  • ブックマークの登録をお願いいたします
無料ブログはココログ