遅すぎるHIS関連GoTo不正捜査
12月15日付ブログ記事
「Go to trouble 巨大詐欺事件立件へ」
https://bit.ly/32skIm5
に、旅行大手HISの子会社である「ジャパンホリデートラベル」と「ミキ・ツーリスト」が宿泊実態のない架空の宿泊についてGoToトラベル給付金の申請を行った可能性が浮上したことを記述。
「巨大な詐欺事件に発展する様相」と記した。
この問題についてHISは調査委員会を設置。
調査委員会は12月24日に記者会見を開いて子会社による不正受給を認定したと発表した。
返還すべき給付金の総額は最大6億8300万円に上るとした。
HIS創業者の沢田秀雄会長兼社長は会見を開き、
「子会社の管理不行き届きで大変申し訳なく思っている」と謝罪したが、
「HIS本体は不正に一切関与していない」と強調した。
同時に、今回の問題への率直な受け止めを問われると、
「むかついている。なんでそんなことをしたのか」
と笑いながらコメントした。
不正受給の金額は最大6億8300万円にのぼる。
不正はHIS元社長の平林朗氏が代表を務めるホテル運営会社JHAT(ジェイハット)との取引によるもの。
HIS調査委員会で委員長を務める荒竹純一弁護士は24日の会見で、子会社の不正受給が「刑罰法規に当たると思う」と述べ、詐欺罪に問われる可能性があると指摘した。
Gotoトラブル事業では不正受給事案が数多く摘発されている。
岡山県倉敷市にあるホテルセントイン倉敷を経営するNPO法人の代表の男性がホテルの宿泊者数を水増しして申請してGoToトラベル給付金をだまし取った疑いで本年10月から12月にかけて3度逮捕された。
不正受給の総額は約1億3500万円にのぼると見られている。
本年4月には、広島市東区愛宕町で経営していた民泊施設に客が泊まったように装って国から給付金を詐取したとして、東京都品川区西大井在住の女性が詐欺の疑いで逮捕された。
逮捕容疑は、実際には宿泊していない客が2020年8月5日から31日までの間、トラベル事業を利用して泊まったように偽ってオンラインで給付金を申請し、2020年11月6日に計27万3千円を自身が管理する口座に振り込ませ、だまし取った疑い。
本年6月には、栃木県警が那須町で宿泊施設を経営する会社役員の男性ら5人を同様の疑いで逮捕している。
不正受給の金額は630万円。
GoToトラベル事務局は「外部通報窓口」を設置して、事業にかかわる不適切な行為を発見した場合は報告するよう求めていたが、多くの不正受給事件が顕在化している。
今回のケースでは不正受給の金額が最大で6億8300万円に上る。
これまで摘発された事案と比較しても規模が桁違いに大きい。
巨大な公金横領、詐欺事件として立件されることになると見込まれる。
ところが、捜査当局の対応はあまりにも遅い。
HISは今後内容を精査して不正に受け取った給付金の返還を進めるとしている。
このなかでGoToトラブル事業が早ければ2022年1月下旬に再開される方針が示されている。
HISは子会社2社には参加を辞退させるが、HIS本体については、「希望としては参加させていただきたい」とした。
HISは上場企業である。
今回の事案はJHATが主導したものであると見られているが、JHATの平林朗社長はHIS社長を務めていた人物。
JHATの本社はHISの本社と同じ東京都港区虎ノ門4丁目に所在する神谷町トラストタワーにある。
国民の税金を詐欺によって横領するという極めて重大かつ悪質な刑事事件として立件される可能性が高い。
その事案に深く関与するHISのGotoトラブル事業への参加は国民世論が許容しないと見られる。
不正受給の金額はいずれもHISの子会社であるミキ・ツーリストが4080万円、ジャパンホリデートラベルが最大6億4249万円。
GoToトラベル事務局が実施した参加者向けアンケートで、本人が知らない、宿泊していないとの回答が相当数に上り、不正が明るみに出たとのこと。
表面化している不正受給は氷山の一角と見られる。
不正受給の全面的な解明を行わずにGoToトラブル事業を再開するべきでない。
根本の問題は財政資金の利権化である。
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