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2021年9月17日 (金)

党首でなく政権の抜本刷新が必要

メディアが政治を娯楽エンタメのように取り扱うから勘違いしてしまうが政治はエンタメではない。

政治は私たちの生活そのもの。

政治は私たちの選択。

堅苦しい表現だが日本国憲法前文にこう書かれている。

「日本国民は正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、

(中略)ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。

そもそも国政は国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。」

政治の権威は国民に由来する。

福利は国民が享受する。

日本は議会制民主主義の仕組みを取っているが、具体的には

国民が正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、

権力を国民の代表者が行使して、行われる。

政治は政治家に任せるものではない。

主権者である国民が代表者を正当な選挙を通じて選出し、国民に福利を提供するために代表者に権力を行使させるもの。

この原点を忘れてはならない。

これまでの自公政権首相の質があまりにも低かったから、首相の交代を誰もが歓迎する。

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新しい自民党党首を選出するイベントを一種のエンタメとして国民が受け取っている。

しかし、その感覚で党首選を政治ショーにしてしまうことは誤りだ。

政治が何をするのかが大事。

自民党の党首が誰になろうと自公政治そのものが変わるわけではない。

たしかに、同じ自民党でも政策路線に大きな相違を示す政治勢力が同居しているから、どちらの系列の人物が党首になるのかによって、政治の方向が若干変化することはあるだろう。

しかし、根本的な変化がもたらされることはない。

私たちの暮らしに大きな影響を与える政治。

とりわけ次の三点を考える必要がある。

第一は米国との関係。

敗戦後の日本敗戦直後の2年間を除き、米国の巨大資本に支配され続けてきた。

敗戦後の2年間だけが例外だった。

米国の民主主義勢力が日本の占領統治を担ったために、音速の勢いで日本民主化が推進された。

しかし、本格的な民主化は巨大資本にとって不利益になる。

米国の基本路線が転換して日本民主化に急ブレーキが踏まれた。

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1947年以降は米国の巨大資本による日本支配の構造が堅持されてきた。

爾来、日本政治の基本が「対米隷属」とされてきた。

このことの是非を考える必要がある。

第二は憲法観。

日本国憲法制定においてGHQが主導的役割を果たしたのは事実。

しかし、最終的に決定したのは日本の国民。

結果として世界に誇ることのできる崇高な憲法が制定された。

平和主義、国民主権、基本的人権の尊重の基本を揺るがすことはできない。

ところが、この憲法の破壊=壊憲を目論む勢力が存在する。

基本的人権を制限し、日本を「戦争をする国」に変える。

日本国憲法を大日本帝国憲法に

先祖返りさせることを目論む勢力がいる。

これについてどう考えるか。

第三は経済政策の考え方。

市場原理を基軸に据えて格差拡大を放置する立場と、市場原理がもたらす結果としての格差・貧困問題を是正しようとする立場がある。

どちらの立場を取るのか。

この三つの点でこれまでの政治のありようを根本から変える必要があるなら自公政治を打破するしかない。

自民党の党首が誰になろうとも大きな変化は生じない。

日本政治を根本から変える必要があるのかどうか。

この視点から政治を見つめ、政治ショーと化している自民党党首選を遠くから見ることが必要だ。

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