« 子どもに学校に行く義務はない | トップページ | コロナ感染重大化させた菅義偉氏 »

2021年8月26日 (木)

国連食料システムサミットの危うさ

本年9月にニューヨークで国連総会と並行して国連食料システムサミットが開催され、フードシステムについての国際的な議論が行われる。

「食料システム」とは食料の生産、加工、輸送、および消費に関わる一連の活動のこと。

国連のグテレス事務総長はサミット開催について次のように述べている。

https://bit.ly/3mzQ4zi

「現在、私たちは、2030年までに持続可能な開発目標(SDGs)を達成するための軌道を大きく外れているという認識を新たにしています。

新たに発表された悲劇的なデータによれば、2020年に世界で飢餓に直面した人は7億2,000万から8億1,100万人に上り、2019年比で1億6,100万人増となっています。

コスト高に加え、高い水準にとどまる貧困、収入の不平等が重なり、世界中のあらゆる地域に住むおよそ30億人が、いまだに健康的な食生活を送ることができていません。

実際、飢餓はここ数年増加傾向にあり、2021年現在、私たちは世界中の人々の基本的な権利であるはずのものを提供できていない状況にあります。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は事態を悪化させ、不平等、貧困、食料と疾病との間の関係を明らかにしました。1960年代半ば以降、世界の食料生産は300パーセント増加したにもかかわらず、栄養不良が平均寿命の低下を招く主な要因となっています。

気候変動は、飢餓を悪化させる要因であり、その結果でもあります。私たち人間と自然との戦争には、すべての温室効果ガス排出量の3分の1を生み出す食料システムも含まれます。それはまた、生物多様性喪失の原因の最大80%を占めています。」

人気ブログランキングへ

斎藤幸平氏が指摘するようにSDGsの欺瞞に目を向けることも必要だ。

SDGsの核心はDevelopment=開発にある。

開発は表現を変えれば成長。

さまざまな問題を生み出している根源に資本主義の活動がある。

飽くなき利潤の追求が資本主義の運動法則。

この根本に対する考察を抜きに人類が直面している問題を解決することはできない。

SDGsは資本主義の運動法則についての考察を抜きに、現行システムのなかでの問題の縮小を目指すだけのものであって、根本的解決に到達できる代物ではない。

国連食料システムサミットの開催に合わせて日本政府が本年5月に

「みどりの食料システム戦略」

中間取りまとめをまとめた。

有機農業面積を2050年までに全体の25%まで拡大すること

ネオニコチノイド系を含む従来の殺虫剤に代わる新規農薬等の開発によりリスク換算で化学農薬使用量を50%低減すること

なども盛り込まれた。

一見すると良い施策のように見えるが強い警戒が必要だ。

政策連合(オールジャパン平和と共生)運営委員でヴィジョン21食政策センター代表の安田節子氏が厳しく指摘する。

人気ブログランキングへ

有機農業を拡大するというが、2018年時点で耕地面積全体の0.5%=2万3700haの有機農業取り組み面積を、2030年に6万3000haにする目標しか提示されていない。

それを2050年には一気に50倍の規模に拡大するという。

化学農薬の使用量をリスク換算で2050年までに50%低減する方針にも重大な問題が隠されている。

これについても安田氏が厳しい指摘を示す。

提案は、2050年までの30年間、新規農薬が普及するまで、現在の農薬使用を継続することを意味する。

EUが提示している「農場から食卓まで」戦略は、2030年までの農薬使用半減を示す。

同時に、2030年までの有機農業25%を示す。

巨大な落差がある。

2030年から2050年に世界がどうなっているか想像もできない。

世界の枠組みが変わってしまっていることすら考えられる。

10年後から30年後にかけての、実態の裏付けのない想定に意味はない。

現時点から10年後までの変化、努力、実行こそ重要だ。

日本政府が「みどりの食料システム戦略」で示しているのは、「スマート育種システム構築」と「ゲノム編集作物開発」。

鈴木宣弘氏が指摘するように、本来は「地域を喰い物にしようとする「今だけ、金だけ、自分だけ」の人達を排除し、安全・安心な食と暮らしを守る、種から消費までの地域住民ネットワークを強化し、地域循環型経済を確立すること」が重要なのだ。

食料と農業の問題は私たちの命に直結する問題であると同時に地球の命にも直結する重要な問題。

方向性を間違わないための十分な国民的論議が求められている。

人気ブログランキングへ

メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」

https://foomii.com/00050

のご購読もよろしくお願いいたします。

上記メルマガを初めてご購読される場合、
2ヶ月以上継続して購読されますと、最初の一ヶ月分が無料になりますので、ぜひこの機会にメルマガのご購読もご検討賜りますようお願い申し上げます。

https://foomii.com/files/information/readfree.html

人気ブログランキングへ

続きは本日の
メルマガ版
「植草一秀の『知られざる真実』」
第3015号「食と農業の支配目論む巨大資本」
でご購読下さい。

『アベノリスク』(講談社)
動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。

2011101日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:540円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。

 創刊月201110-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。

 メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.comまでお願い申し上げます。

人気ブログランキングへ

 

価格:1,650円 通常配送無料

出版社:株式会社コスミック出版
amazonで詳細を確認する

 

価格:994円 通常配送無料

出版社:詩想社
amazonで詳細を確認する

 

価格:907円 通常配送無料

出版社:発行:祥伝社
amazonで詳細を確認する


日本経済を直撃する「複合崩壊」の正体

価格:1,620円 通常配送無料

出版社:発行:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

あなたの資産が倍になる 金融動乱に打ち勝つ「常勝投資術」~(TRI REPORT CY2018)

価格:1,620円 通常配送無料

出版社:発行:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

「国富」喪失 (詩想社新書)

価格:994円 通常配送無料

出版社:発行詩想社 発売星雲社
amazonで詳細を確認する

価格:1,620円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する


泥沼ニッポンの再生

価格:1,512円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

日本経済復活の条件 -金融大動乱時代を勝ち抜く極意- (TRI REPORT CY2016)

価格:1,728円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

米国が隠す日本の真実~戦後日本の知られざる暗部を明かす

価格:1,728円 通常配送無料

出版社:星雲社
amazonで詳細を確認する

« 子どもに学校に行く義務はない | トップページ | コロナ感染重大化させた菅義偉氏 »

グローバリズム」カテゴリの記事

有料メルマガご登録をお願い申し上げます

  • 2011年10月より、有料メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」の配信を開始いたします。なにとぞご購読手続きを賜りますようお願い申し上げます。 foomii 携帯電話での登録は、こちらからQRコードを読み込んでアクセスしてください。

    人気ブログランキング
    1記事ごとに1クリックお願いいたします。

    ★阿修羅♪掲示板

主権者は私たち国民レジスタンス戦線

  • 主権者は私たち国民レジスタンスバナー

    主権者は私たち国民レジスタンスバナー

著書紹介

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
2022年8月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

関連LINKS(順不同)

LINKS1(順不同)

LINKS2(順不同)

カテゴリー

ブックマーク

  • ブックマークの登録をお願いいたします
無料ブログはココログ