RCEP協定とグローバリズムを問う
4月14日午後、RCEP(Regional Comprehensive Economic Partnership)協定批准案が衆議院の外務委員会で採決、可決された。
共産党のみ反対、共産党を除く野党は立憲民主党を含めて賛成した。
RCEPはASEAN10ヵ国、日、中、韓、オーストラリア、ニュージーランドの15ヵ国による包括的な経済連携協定である。
TPP11(CPTPP)、日欧EPAに続き、日本は多国間の包括的経済連携協定に加盟または署名している。
今国会でRCEP協定が批准されれば、RCEP協定にも加盟することになる。
今国会でRCEP協定批准案が審議入りしたのは4月2日。
十分な審議も行わず、形だけの参考人意見陳述だけを行って拙速採決した。
日本が批准してきた包括的な通商協定=メガFTAであるTPP11や日欧EPAと比較すると、グローバルに活動する巨大資本の利益極大化の取り決めがやや抑止されている部分があるが、全体としての基本性格は変わらない。
「大資本の大資本による大資本のための制度的枠組み」
という基本性格は変わらない。
このRCEP協定によって日本が受ける影響も極めて甚大である。
協定の内容を精査せず、協定が日本に与える影響に対する考察も十分に行わずに、拙速審議、拙速採決を行うことは許されない。
日本政府と国会は一体、誰のどのような利益のために行動しているのか。
その根本が問われる。
衆議院外務委員会でRCEP協定批准案が審議されているなかで、
「TPPプラスを許さない全国共同行動」
https://nothankstpp.jimdofree.com/
は、本日、4月14日午後1時半から午後4時まで、衆議院第二議員会館第一会議室において
「RCEP協定とグローバリズムを問う」
と題する院内集会を開催した。
院内集会では「TPPプラスを許さない全国共同行動」実行委員でアジア太平洋資料センター代表理事の内田聖子氏から基調講演をいただいた。
内田氏はRCEP協定の概要を説明するとともに同協定の問題点を摘示くださった。
その後、国会議員からの意見表明をいただき、フロア参加者、オンライン参加者と討議を行った。
院内集会コーディネーターを私が担当した。
国会議員の出席者は発言順に
紙智子参議院議員(日本共産党)
井上さとし参議院議員(日本共産党)
嘉田由紀子参議院議員(院内会派「碧水会」所属)
田村貴昭衆議院議員(日本共産党)
篠原孝衆議院議員(立憲民主党)
田村議員は衆議院外務委員会で質疑を行った上で院内集会に参加くださった。
私たちはTPP論議が始動した時点からTPP反対の立場で行動を続けてきた。
米国を含むTPPは米国の離脱によって未発効に終わった。
2016年末に安倍内閣が米国を含むTPP協定批准を強行した際、安倍首相(当時)は、
「TPP合意最終文書の改訂は行わない。
米国がTPPから離脱した場合は米国のTPP復帰を求める。」
と繰り返し答弁した。
トランプ政権が発足と同時に、トランプ大統領は米国のTPP離脱を決定した。
TPP合意文書の改訂を行わない限り、米国のTPP復帰無くしてTPP発効は不可能だった。
「TPPは死んだ」と見られたが、このTPPをゾンビのように復活させたのが安倍内閣だった。
安倍内閣が強引に主導してTPP合意文書を改訂し、米国抜きのTPP(CPTPP)を成立させて発効させた。
TPPをはじめとするメガ協定の基本は
「グローバル大資本のグローバル大資本によるグローバル大資本のための制度的枠組み」。
この点においてはRCEPも変わりがない。
そのRCEPを十分な審議もせずに批准する国会の行動に私たちは強い反対意思を表明する。
根本的な疑問は日本の政党と国会が、一体誰の利益のために行動しているのかということ。
グローバルに活動する巨大資本の利益だけが追求され、主権者である日本の国民、市民の利益が完全に無視されている。
この政治の現状を認識し、その変更、刷新を求めなければならない。
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