市民の沈黙が権力の暴走を許す
この国の特異体質がクローズアップされている。
英紙ガーディアンの東京特派員が、
“The Tokyo 2020 Olympics grow more grotesque by the day”
と評した。
日本政府が医療従事者、高齢者よりも先に東京五輪に出場する日本代表選手に対して新型コロナウイルスのワクチンを接種することを可能とする方向で検討に入ったという報道に対しても批判が沸騰した。
批判を受けて五輪担当相は報道内容を否定した。
丸川珠代五輪担当相は
「IOCと我々(日本政府)は、ワクチンを前提としない大会として準備している」
と述べた。
しかし、この「ワクチンを前提としない大会」が恐ろしい。
日本でいま、感染第4波が拡大中だ。
昨年12月に英国で変異株が確認された。
直ちに日本政府は外国人の入国規制を厳格化するべきだった。
しかし、これを阻止したのが菅義偉氏である。
12月28日に決めた対応策はかたちだけのザル対策。
外国人入国の太宗を占めるビジネストラック、レジデンストラックを規制対象外にした。
この措置を1月13日まで引っ張った。
菅氏は両措置を、当該国で変異株の国内感染が確認されたら停止するとの方針を示した。
菅首相の反知性主義は恐るべきもの。
変異株の流入を「未然に」防ぐのが水際対策の目的。
「国内感染が確認されたら入国を停止する」という言葉は、菅氏が「水際対策」の意味をまったく理解していないことを示している。
外国人の大量入国が放置されて変異株はフリーパスで日本国内に流入したと見られる。
菅義偉氏は3月21日に緊急事態宣言を終結させた。
日本における人流は12月31日に最低値を記録。
1月中は低水準で推移した。
しかし、緊急事態宣言解除の思惑が浮上するのに連動して増加に転じた。
2月中旬からは明確に増勢を示し始めた。
人流変化が新規陽性者数変化につながるまでに3週間の時間がかかる。
日本におけるコロナ新規陽性者数は3月8日に最低値の599人を記録した。
しかし、3月9日以降は増加に転じた。
さらに、緊急事態宣言解除の動きを受けて人流が一段増勢に転じた。
3月下旬にかけて、花見、歓送迎会、卒業旅行、各種行楽で人流が急拡大する。
このことが明白な状況下で3月21日をもって緊急事態宣言を解除した。
理由は3月25日に聖火リレー始動が予定されていたこと。
緊急事態宣言下での聖火リレーは海外での反響を踏まえて避けなければならないと考えたのだろう。
この事情から宣言解除を強行した。
その結果、想定通り、人流が急拡大した。
人流が最高値を記録したのは3月26日。
3週間後の4月中旬には新規陽性者数増加となって影響が表出するだろう。
感染力と毒性が強く、ワクチンが利かないとの疑いが指摘されている。
先行して宣言解除に突き進んだ大阪府は医療非常事態宣言発出に追い込まれた。
3月の緊急事態宣言解除が致命的な誤りだった。
この緊急事態下で密集・密接を人為的に創出するスポンサーの車列が大音響を伴って行進する「商火リレー」が強行されている。
菅内閣、五輪組織委員会、利権スポンサー、利権メディアの醜態は言葉で表現し尽くせない。
しかし、ここで見落とせないのが市民の沈黙。
市民の沈黙は権力の暴走容認を意味してしまう。
市民が立ち上がり、声を上げるべき局面だ。
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