五輪念頭にフクシマ重大事実隠蔽か
2013年9月7日、アルゼンチンのブレノスアイレスで開かれたIOC(国際オリンピック委員会)総会。
2020年東京五輪招致に向けて、安倍首相は次のように述べた。
「フクシマについて、お案じの向きには、私から保証をいたします。状況は、統御されています」
英語での表現は
“The situation is under control .”
また、安倍首相は質疑応答では次のように答えた。
「汚染水による影響は、福島第一原発の港湾内の、0・3平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされています」
『国家はいつも噓をつく』
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2月22日、福島県沖で行われている漁で水揚げされたクロソイから、基準を超える放射性物質が検出された。
測定の結果は、放射性セシウムの濃度が1キロ当たり500ベクレルで、国の食品基準を5倍上回った。
県漁連の自主基準を10倍上回った。
東京電力は原発の港湾出入り口に魚の出入りを防ぐ網を設置しているが、港湾内と外界との間に遮蔽壁が設置されているわけではない。
安倍氏の「完全にブロックされています」の発言は「完全に嘘」だった。
港湾は放射性物質で汚染されており、この港湾と外海は隔てられておらず、放射性物質が港湾外に流出していると考えられる。
東京電力は、港湾内の海水の44%が1日で港湾外の海水と交換されていることを明らかにしている。
このフクシマ原発でリスクが増大している。
2月13日午後11時7分、福島県沖でマグニチュード7.3の地震が発生した。
最大震度は6強だった。
フクシマ原発立地地点も激しい揺れに襲われた。
この地震によって重大な事態が発生している。
しかし、五輪に直結する重大事案であるために隠蔽が図られている。
菅義偉首相は2月14日未明、首相官邸で記者団の質問に対して、
「津波の心配はなく、原子力関係もすべて正常だ」
と述べた。
しかし、この発言も真っ赤な嘘だった。
嘘つき総理が二代続いている。
東電がフクシマ原発の異常を発表している。
東電によると、1号機で15日から、3号機で17日以降に、それぞれの格納容器内の温度計の一部で測定温度が低下していることから、温度計が水につかっていないと判断して、水位低下と結論付けた。
1号機では1.9メートルの水位が40~70センチ低下。
3号機も6.3メートルの水位が約30センチ低下したと見られるとした。
また、格納容器には水素爆発を防ぐため窒素が注入され、圧力が高められているが、1号機では大気圧との差を計測する圧力計の値が1.2キロパスカルから0.1パスカルまで低下し、格納容器内の圧力がほぼ大気圧になっていることも公表された。
極めて重大な事態である。
福島第一原子力発電所では、1号機、2号機、3号機でメルトダウンが発生した。
圧力容器内の炉心が溶融して溶け落ちた。
1号機では格納容器の底を破って地下にまで核燃料が溶け落ちていると見られている。
溶融した燃料デブリを冷却するために注水が行われているが、水位が低下すれば燃料デブリがむき出しの状態に移行する可能性がある。
2011年3月12日正午のニュースでNHKは次のように放送した。
https://www.youtube.com/watch?v=WHUyLdPhcbg
「原子力発電所に関する情報です。
えー、原子力安全保安院などによりますと、福島第一原子力発電所一号機では、原子炉を冷やす水の高さが下がり、午前11時20分現在で、核燃料棒を束ねた燃料集合体が水面の上、最大で90センチほど露出する危険な状態になったということです。
このため消火用に貯めていた水など、およそ2万7000リットルを仮設のポンプなどを使って水の高さをあげるための作業を行っているということです。
この情報を繰り返します」
この原稿を読み上げたあと、約7秒間の沈黙があり、横から。
「ちょっとね、いまの原稿使っちゃいけないんだって」
という声が入った。
アナウンサーは、当初の原稿を繰り返さずに別の原稿を読み上げた。
本年2月13日の地震でフクシマ原発の格納容器に新たな損傷が発生した疑いが強い。
格納容器の水位が低下して燃料デブリがむき出しになれば、新たな水素爆発が発生する恐れがある。
2011年の東日本大地震の余震が続いている。
次の強い揺れで格納容器の損傷が拡大すれば重大事態が発生するリスクが高い。
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