巨大補正で国民生活支えぬ悪徳内閣
東京都渋谷区で路上生活をしていたとみられる大林三佐子さん(64)が頭を殴られて死亡した事件で、警視庁捜査1課は11月21日、傷害致死の疑いで同区の職業不詳吉田和人容疑者(46)を逮捕した。
この事件をFNN、AERA、東京新聞の3誌が報じている。
AERA.dotは記事の冒頭で、
「所持金はわずか8円。
最終バスが通り過ぎた夜半に現れ、人目をしのぶように夜明けまで過ごしていた生活困窮者の女性が、なぜ暴力の標的にされなければならなかったのか。」
と記述する。
東京新聞は、
「捜査関係者によると、亡くなった大林さんは広島県出身で、約3年前まで杉並区のアパートに居住。
今年2月ごろまで同区のスーパーで働いていたが、春ごろから現場のバス停で寝泊まりしていたとみられる。」
と事実関係を偏りなく伝えている。
これに対してFNNの報じ方はまったく違う。
「逮捕された男が事件前日、この女性に「お金をあげるから、このバス停からどいてほしい」と声をかけていたことが新たにわかった。」
「吉田容疑者を知る人は、「真面目で親思いで、こんな子が今時いるんだなと思っていた。(事件を聞いて)ショックというか、考えられないような」と話した。
調べによると、吉田容疑者は、事件前日の未明、同じバス停にいた大林さんに「お金をあげるから、バス停からどいてほしい」と声をかけたが、断られたという。」
と報じた。
FNNの伝え方は、事件の加害者の側に立ちすぎるもの。
仮に加害者が被害者に声をかけていたことが事実だとしても、加害者が本当に
「お金をあげるから、このバス停からどいてほしい」
と声をかけたのかどうかは、録音データがない限り確認しようがない。
内容的にこれと類似した発言をしていたとしても、言葉の使い方が異なれば、ニュアンスはまったく違うものになる。
「声をかけていたことが新たにわかった」と表現するのはおかしい。
「声をかけていたと主張していることが新たにわかった」と表記するのが正しい。
FNNの記事の記述は加害者を擁護しすぎている。
重大犯罪の容疑者であり、事実関係が明らかになっていないのに、表記が偏りすぎている。
東京新聞は
「母とともに清掃ボランティアも近所トラブル絶えず」
見出しを付している。
記事では、
「近隣住民らによると、吉田容疑者は自宅マンションの1階店舗で母親と酒店を営んでいた。母親と2人暮らしで、父親が約3年前に他界後は二人三脚で店を支えていたが、近所トラブルを起こす一面もあったという。」
「近所の男性(36)は「神経質そうな感じで、たびたび苦情を言われてクレーマーのようだった」。
男性が引っ越してきた1年半前、吉田容疑者が男性宅を訪れ、「自宅のバルコニーから見える世界が自分の全て。景色を変えたくない」と、アンテナの設置位置を変えるよう強く求められたなどトラブルが絶えなかったという。」
と伝えている。
FNNがこのような凶悪事件の加害者側を擁護する記述を展開するのは極めて奇異である。
フジサンケイグループの特殊性が顕著に表れている。
殺害された女性の所持金はわずか8円だったという。
東京新聞記事は
「捜査関係者によると、亡くなった大林さんは広島県出身で、約3年前まで杉並区のアパートに居住。
今年2月ごろまで同区のスーパーで働いていたが、春ごろから現場のバス停で寝泊まりしていたとみられる。」
と記述する。
日本国憲法第25条は
「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」
と定めているが、現実には最低限度の生活が保障されていない。
90兆円もの補正予算を編成するというのに、国民の生活が支えられていない。
このような現実に目を向ける必要がある。
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