第5類感染症に区分変更しない悪徳性
通常国会の召集日が1月8日になるとの観測報道があり、1月解散総選挙の可能性が取り沙汰されているが、1月総選挙の可能性は限定的である。
コロナ陽性者数が急増している。
菅内閣はコロナが極めて深刻な感染症であるとする国民の認識を変えようとしていない。
この状況下での総選挙強行は強い批判を招く。
昨年1月にコロナ感染症を第2類相当指定感染症にしたために、コロナ重大論が拡散されてきた。
第2類相当指定感染症への区分指定は極めて重大な感染症に対するもの。
感染症法は感染症に迅速かつ適確に対応するため、感染症を「一類感染症」から「五類感染症」、「新型インフルエンザ等感染症」、「新感染症」、そして「指定感染症」という8区分に区分すること、ならびにその区分に応じた措置が取ることを定めている。
「指定感染症」は、新しい感染症への対策を迅速に法に基づき行うために、期限付きで運用できるようにするためにつくられたカテゴリー。
今回の新型コロナ感染症(COVID19)は本年1月28日に2021年2月6日までの期限付きで第2類相当指定感染症に区分された。
感染症法上、2類感染症には、ポリオ、結核、ジフテリア、SARS、MARS、鳥インフルエンザがある。
安倍内閣は本年1月28日に今回のコロナウイルス感染症を期限付きで第2類相当の指定感染症に区分することを閣議決定した。
新型コロナが第2類相当指定感染に区分されたために、新型コロナ感染者への行動制限措置(入院させる、仕事を休ませる、濃厚接触者に外出自粛要請をするなど)を行うことが可能になっている。
また、医師に対する報告義務が課せられている。
このような法律上の措置が強制されるため、病床の確保などの医療逼迫の問題が深刻な問題として浮上した。
市民の側も、新型コロナで陽性になれば、入院措置などが強制されることなどから、新型コロナを重大視する状況が生まれてきた。
新型コロナを指定感染症から外し、例えば「五類感染症」にすると、
1.都道府県としての新型コロナウイルス感染症対策は調査をのぞいては無くなり、国や都道府県(保健所設置区市)の費用負担もなくなる。
2.新型コロナウイルス感染症の感染が拡大しても放置することが許される。
3.行政検査はなくなり、検査をしたい人は自らの費用で検査することになり、濃厚接触者の追跡・クラスター追跡の作業もなくなる。
4.感染者の隔離も不要になり、宿泊療養施設も不要、感染者の自宅待機も不要になる。
5.入院勧告も不要になり、入院したい人は自らの費用で入院すればよいことになる。
新型コロナを第2類相当指定感染症からインフルエンザ並みの第5類感染症に区分替えをすれば、直ちに上記の変化が生じることになる。
この指定区分が実行されれば、市民は新型コロナに対する認識を180度転換することになる。
本年1月から8月ごろまでの期間においては、日本における新型コロナ感染症の被害状況の全貌が見えていなかったから、リスク管理の鉄則として
「最悪に備える」
ことは必要不可欠だった。
しかし、本年夏以降、日本における被害状況の全貌が明らかになってきた。
これを踏まえれば、第2類相当指定感染症の区分を第5類感染症の区分に変更することが合理的だ。
この点が論議されないことが事態を混乱させている。
菅内閣は新型コロナ感染症を「第2類相当指定感染症」の区分に置いたままGoToトラブル事業を全面推進している。
そのなかでGoToトラブル事業が感染再拡大の主因になっている。
コロナ感染症を第2類相当指定感染症の区分に置いたまま感染が急拡大すれば混乱拡大は必至だ。
医療逼迫の危険さえ生じる。
菅首相は新型コロナ感染症の被害状況が軽微であるとの認識を有していると見られる。
この判断に基づいてGoToトラブル事業を全面推進し、2021年五輪開催も強行しようとしているのだと見られる。
そうであるなら、そのことを国民に説明する責務がある。
同時に、第2類相当指定感染症の区分を直ちに第5類感染症の区分に変更する必要がある。
しかし、そうなると別の問題が浮上する。
最大の問題はワクチン買い上げ7000億円の正当性が完全に消失すること。
また、厚労省の感染症ムラは巨大予算を獲得し続ける根拠を失う。
感染症ムラの人々はコロナウイルス感染症を深刻、重大なものにし続けることによる巨大利益獲得を狙っている。
これらに関する菅義偉首相の判断を推察すると、1月解散の可能性は低いと考えられる。
菅首相は五輪開催を強行し、2021年秋に衆院選を実施する体内スケジュールを保持している可能性が高い。
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