臨時国会最大争点の種苗法改悪案
10月26日にようやく臨時国会が召集される。
菅義偉内閣が発足したのは9月16日。
1ヵ月半もの間、菅内閣は所信表明さえ行っていない。
この間に、日本学術会議会員の任命拒否問題が発覚した。
日本学術会議法の規定に基づき、会員は学術会議が推薦し、内閣総理大臣が任命する。
その任命は「形式的任命にすぎず」、「学会の方から推薦をしていただいた者は拒否はしない、そのとおりの形だけの任命をしていく」ことが1983年の国会答弁で明らかにされている。
日本学術会議は日本学術会議法第17条の規定に基づき「優れた研究又は業績がある科学者のうちから会員の候補者を選考し、内閣総理大臣に推薦する。」
このとき、内閣総理大臣は学会の推薦を拒否せず、形だけの任命をすることが国会答弁で確認されている。
ところが、菅義偉首相は学術会議が推薦した105名のうち、6名に対して任命を拒否した。
その理由は、6名の学者が、政府の施策に対して反対意見等を表明してきたことにあると推察されている。
政府に楯突くものは法律違反を犯してでも排除する。
この姿勢は民主主義国家の政府のものでない。
全体主義、独裁国家の政府の行状だ。
菅首相は法律違反の任命拒否を撤回し、直ちに6名の候補者を会員に任命する必要がある。
この指摘に対しても菅首相は真摯に答えない。
「総合的、俯瞰的な活動を確保する観点から判断した」
「推薦のとおりに任命すべき義務があるとまでは言えない」
の言葉が繰り返されるが、任命を拒否した理由になっていない。
具体的に6名の候補者に対して任命拒否することを提言したのは杉田和博内閣官房副長官であると見られる。
野党は杉田氏の国会参考人招致を求めているが、自民党は「過去に前例がない」ことを理由に拒絶する構えを示している。
これこそ、「悪しき前例踏襲主義を打破する」必要があるのではないか。
野党は立憲民主党の安住淳国対委員長が折衝の窓口になっているが、安住氏はいつも自民党の森山裕国対委員長の言いなりになっている。
この問題でも安住氏が森山氏の言いなりになるなら、立憲民主党は安住氏を更迭すべきだ。
国会審議の段取りを整える国対委員長が自民党に丸め込まれているなら、緊張感のある国会審議など成り立ちようがない。
召集される臨時国会では、まずは、菅首相による違法任命拒否の撤回と6名の候補者に対する任命実施確約確保が求められる。
野党は厳しい姿勢で国会に臨むべきだ。
その結果として菅義偉氏が衆院解散に踏み切るなら、野党は堂々とその挑発に対応するべきだ。
臨時国会には9本の法案と1本の条約批准案が提出される見通しだ。
提出される法案の数は絞られる。
しかし、このなかに「種苗法」改定案が含まれる見通し。
通常国会では審議未了になり、継続審議になった。
種苗法改定の焦点は、農家による自家採種を原則禁止にすること。
農家は生産する農産物の種子を自家採種して農業に取り組んでいる。
これまで自家採種は原則として自由だった。
ところが、菅内閣はこの基本を大転換しようとしている。
農家の自家採種を原則禁止にする方針なのだ。
種子の育種権者の権利を保護することが理由とされるが、種苗法が改定されれば農家は甚大な被害を受けることになる。
そのことは、直接、消費者の不利益につながる。
要するに、種子ビジネスを支配するグローバルな巨大資本の利益を拡大させるために、日本の農家、日本の消費者に取り返しのつかない犠牲を強いるのが今回の種苗法改定=改悪案なのだ。
山田正彦元農林水産大臣が中心になって
『タネは誰のもの』
という映画が制作された。
直ちに、日本の主権者が全員、この映画を視聴するべきだ。
10月31日(土)にも日比谷コンベンションホールで試写会が開催される。
https://kiroku-bito.com/tanedare/
ぜひご高覧賜りたい。
また、10月28日(水)夕刻から政策連合(オールジャパン平和と共生)主催
「政策連合総決起集会&松元ヒロさん公演」
が四谷区民ホールで開催される。
参加ご希望の方は、いますぐ、氏名、住所、電話番号を明記の上、
までメールでお申し込みを賜りたい。
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