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2020年10月23日 (金)

窮地に追い込まれる菅義偉首相

日本学術会議問題は日本の劣化を象徴している。

それぞれに主義主張があるのは構わない。

多様な主義主張があること自体が健全だ。

しかし、その主義主張と、ルールを定めてルールを守ることとは別次元の問題。

現在の日本学術会議のあり方が適正だと思う人もいれば、学術会議のあり方を変えた方が良いと思う人もいる。

これはこれで何の問題もない。

しかし、明確なルールがあり、その明確なルールに反する行為があったのなら、それは学術会議のあり方とは別の次元の問題だ。

明確なルールとは「法治国家」というルール。

議会が法を定めてその法に基づいて行動する。

これがルールだ。

具体的運用については解釈の余地に幅があることも当然生じ得る。

その場合には、具体的な運用方法について定めておくことが必要になる。

刑事司法においては「罪刑法定主義」という重要な原則がある。

罪刑を定めるのに基準が曖昧ではまずい。

基準を明確にしておく。

これが罪刑を定める前提条件になる。

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日本学術会議の会員の任命については、日本学術会議法の第7条と第17条に定めが置かれている。

何度も記述してきたから詳細は省くが、

「優れた研究又は業績がある科学者のうちから日本学術会議が会員の候補者を選考し、内閣総理大臣に推薦する。」

「内閣総理大臣は学会の推薦を拒否せず、形だけの任命をする」

ことが、法の条文と過去の国会答弁で確認されている。

会員推薦の要件は「優れた研究又は業績がある科学者」であって、「政府に楯を突かない科学者」でもなければ「政府に従順な科学者」でもない。

菅内閣は6名の学者が政府の施策に反対意見を示したこと、政府の施策に反対する運動に参画したことを理由に任命拒否したのだろう。

政府が理由を明らかにしないから推測で語るしかないが、存在する状況から推察すると、これらのことしか浮上しない。

「総合的、俯瞰的」との表現が用いられているが、意味不明である。

日本の劣化を象徴するのは、この種の論議に関して、政権を擁護する発言者が多数登場すること。

政府に従順であることも、政府に媚びを売ることも、政府の応援団を買って出ることも、それぞれの個人の自由だから好きにすればよい。

しかし、そのことと、ものごとを論理的に考えるかどうかは別の次元の問題。

開いた口が塞がらないのは

「学術会議問題、ついにリベラル派が分裂し「内部崩壊」が始まった…!」などと題する文章がインターネット上の言論空間に登場すること。

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タイトルが興味深いので、つい読んでしまったが、日本学術会議の梶田会長が菅義偉首相と会談した際に、任命拒否を撤回し、6名を任命することを菅首相に強く発言できなかったことを、前川喜平元文部科学事務次官が批判したことを「内部崩壊」と表現しているらしい。

評論を書いた人物の知性が疑われるとしか言いようがない。

任命拒否を批判する公式見解を発し、菅首相に任命拒否の撤回と6名の会員候補の任命を求めることを学術会議が決定したのだから、会長は任務を果たすのは当然のことだ。

それを実行しなかった梶田会長が批判されるのは当然のこと。

梶田会長批判が正論であって、正論を述べることは内部崩壊ではない。

菅首相を応援し、菅内閣を応援しようとするなら、まずは、菅首相が陥っている陥穽から菅首相をすくい上げるのが先決ではないのか。

現行の法規定および政府公式見解が

「優れた研究又は業績がある科学者のうちから日本学術会議が会員の候補者を選考し、内閣総理大臣が学会の推薦を拒否せず、形だけの任命をする」

ことになっているのだから、誤解が入り込む余地がない。

菅首相なり、杉田官房副長官が、6名の学者が政府に批判的な言動を示したことを理由に任命拒否することは現行の法規定の枠組みの下ではできない。

これは、菅内閣を応援する者にとっても、応援しない者にとっても変わらない事実。

菅内閣を応援する者が、これを無視して、菅首相の任命拒否を是認することが日本の劣化を象徴している。

10月28日(水)夕刻の政策連合(オールジャパン平和と共生)主催

「政策連合総決起集会&松元ヒロさん公演」

フライヤー

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会場:四谷区民ホール

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