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2020年10月11日 (日)

「奪い合い」を「分かち合い」に政策転換

コロナの実態にはよく分からない部分が多い。

不幸中の幸いで、東アジアにおけるコロナ被害は相対的に軽微に抑制されている。

人口100万人当たりのコロナ死者数がペルーでは1000人に到達寸前だが日本は13人、台湾に至っては0.3人にとどまっている。

東アジアと欧米・南米で著しい相違が観察されている原因は明確にはなっていない。

しかし、東アジアの現状が今後も維持されるなら、コロナに対する過剰な対応は修正する必要がある。

安倍内閣は1月28日にコロナ感染症を第2類相当指定感染症とした。

この決定がその後の混乱の重要な一因になったことを否めない。

国民全般がコロナを最大級の警戒を要する感染症であるとの認識を持つ結果を招いた。

また、第2類相当指定感染症としたために硬直的な検査対応と医療機関逼迫の問題が引き起こされた。

民間臨調が日本のコロナ対応について、「場当たり対応が続き」、「泥縄だったが結果オーライ」の評価を紹介したが、日本政府の対応は極めて拙劣だったことに異論は生じないと思われる。

コロナによって深刻な影響が経済に生じた。

米国と同様に日本でも2020年4-6月期の実質GDP成長率は年率マイナス30%に近い水準に達した。

交通、宿泊、飲食、興行、各種サービス業に極めて深刻な影響が発生して、いまなお持続している。

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コロナショックに対して安倍内閣は二次にわたる補正予算を編成した。

補正予算規模は第一次が26兆円、第二次が32兆円に達した。

合計58兆円の予算が編成された。

本予算である当初予算の規模は103兆円だが、この103兆円のなかに23兆円の国債費と16兆円の地方交付税交付金が含まれている。

政策支出となる一般歳出は62兆円だが、義務的支出になる社会保障関係費が36兆円を占めるから、社会保障以外の政策支出は26兆円に過ぎないということになる。

この金額を踏まえれば58兆円の補正予算がいかに巨大な予算であるのかが分かる。

第一次補正は当初、17兆円で編成された。

ところが、条件付き一人30万円給付政策に批判が噴出して、条件なし一人10万円給付政策に変更された。

この結果として17兆円補正予算が26兆円補正予算に修正された経緯がある。

国民全員に一人10万円を給付すると13兆円の規模になる。

58兆円の補正予算を編成するなら、一人10万円給付政策を4回実施して、なお10兆円近くのお金が余る。

また、消費税収は税率10%で1年当たり約22兆円だから、10万円給付政策のほかに、消費税率ゼロなら丸2年間、消費税率5%なら丸4年間実施できる。

巨大な補正予算を編成するなら、「透明」、「公正」にお金の使う必要がある。

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ところが、安倍内閣、菅内閣の対応は異なる。

第2次補正予算には10兆円もの予備費が計上された。

予備費では使途が不明だ。

日本国憲法は財政支出について国会の議決を経ることを求めている。

予備費は例外的に認められているものに過ぎない。

その予備費に10兆円もの資金が充当されることは日本の財政民主主義を破壊するもの。

いま必要な経済政策は、困窮するすべての個人に生存権を保障することだ。

透明で公正な経済政策を明示して、すべての国民に生存権を保障する。

このための抜本的政策を実現することが求められている。

具体的施策として、

1.消費税減税・廃止

2.最低賃金全国一律1500円政府補償&生活保障制度確立

3.初等・中等・高等教育無償化&奨学金徳政令

を提案する。

同時に必要なことは、明確な財源論を提示すること。

これらの施策をすべて借金で賄うことには強い異論がある。

財政は魔法ではない。

財政赤字拡大に近視眼的対応を示すことは間違いだが、長期的な財政バランス確保は必要だ。

この経済政策を次の衆院総選挙争点に位置付けることが重要だ。

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