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2020年9月12日 (土)

ピーチマスク騒動は曖昧ルールが原因

9月7日に北海道の釧路空港から大阪府の関西国際空港に向かったピーチ・アビエーションの航空機が新潟空港に緊急着陸した。

同機の乗客の一人がマスクの着用を拒否。

飛行中の機内で客室乗務員に対して威圧的な態度を取ったとされ、航空法73条の「機内の秩序を乱す安全阻害行為」にあたる行為があったとして新潟空港で強制的に降機させられた。

ネット上の議論ではマスク着用を拒否した男性を批判する声が多い。

しかし、男性は搭乗前にマスク着用の義務を聞かされていなかった。

男性は9月12日、共同通信の取材に対して、「健康上の理由で長時間マスクをするのが難しい。客室乗務員に簡単な質問をしただけなのに安全阻害行為と判断され遺憾だ」と話したと報道されている。

コロナ対応でマスクをする根拠は、飛沫を飛ばさないこと。

マスクの素材はウイルスを通してしまうが、コロナ感染の中心が飛沫感染であり、マスクを着用することによって、飛沫を空気中にまき散らすことを回避できる。

マスク着用は人からの感染を防ぐことよりも、人を感染させることを防ぐ面で有用であると理解されている。

コロナに対する極めて強い警戒感が醸成されている。

「コロナは危険である」ことを前提とすれば、感染予防の措置に注力することが必要との結論が導かれる。

個人で対応できることを実践する上で、とりわけ、人に迷惑をかけないとの意味で、マスクを着用することによって、他人に自分の唾液等の飛沫を浴びせることを避けようと多くの人が考える。

マスク着用は基本的に他者のための行動であり、自分自身がその責任を果たさなければならないと考える人は、他者も同様に考えてマスクを着用することが当然であると考える。

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この認識と判断に立つならば、マスクを着用せずに狭い空間に入る人は、他者への配慮を欠く迷惑な人と認識されることになる。

マスク着用の必要性、有用性に疑問を持つ人は多く存在する。

しかし、他者に対して配慮しない行動を取っていると判断されることをよしとはしないため、不本意ながらマスクを着用している人も多いだろう。

こうした思考回路を踏まえるなら、旅客機のような極めて狭い、密閉された空間に多数の他者とともに時間を過ごす場合には、お互いに不愉快な思いをしないために、マスクを着用することが必要だと判断する人が圧倒的多数だ。

仮に健康上の理由でマスク着用ができないのであれば、その事情を丁寧に説明することも必要である。

マスク着用が不可能でないなら、集団で行動しなければならない局面では、多少の無理をしてでもマスクを着用するというのが社会的には適正な行動であると判断される。

ただし、事業者の対応としては、そのような人々の「善意」だけを前提とする対応は不適正だ。

事業者の対応としては、「ルールの明確化」が必要不可欠だ。

上記のような理由で、多くの乗客は、すべての乗客がマスクを着用することを強く求めると考えられる。

マスクを着用したくて着用している人など、もとより多くはない。

多くの人も、できることならマスクなど着用したくはない。

しかし、他者に対する配慮として、無理をしてマスクを着用している。

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集団行動であるから自分のわがままを抑制してマスク着用をしているのだから、他者にも同様の行動を求めるのが普通の感覚だ。

一人だけ「マスクをしたくない」と言い張ってマスクを着用しない乗客がいれば、人々の批難はその乗客に向かう。

乗客同士でのトラブルに発展することも十分に想定できる。

このようなことを踏まえるなら、航空会社は搭乗に際してのルールを明確にすることが必要不可欠だ。

マスク着用を求めるが、マスク着用は乗客の任意の判断に委ねる

のか

マスク着用を義務とする

のかをあらかじめ明示することが必要だ。

マスク着用が任意であるなら、この航空便を利用しないという乗客も現れるだろう。

同時に、マスク着用が義務とされるなら、この航空便を利用しないという人も現れる。

マスク着用が「任意」であることが明確であれば、個人の判断でマスクを着用しないという乗客が搭乗してもトラブルにはならない。

マスク着用が「義務」とされるなら、マスクを着用しない者は搭乗できないことになる。

機内でマスクを着用しない乗客がいれば、降機を求めることも可能になる。

緊急着陸して乗客を降機させることも正当な対応になる。

ルールを明確にしないから、このようなトラブルが発生する。

マスク着用の是非を論じる前に、今回のトラブルの主因が、航空会社のルール設定のあいまいさにあることを確認しなければならない。

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