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2020年8月 3日 (月)

自民党は20日以内国会召集を憲法改正案に明記

安倍内閣には2017年にも野党の国会召集要請を無視した前科がある。

2017年、野党は森友・加計問題を追及していた。

野党は2017年6月22日に、日本国憲法第53条に基づいて臨時国会の召集を要求した。

ところが、安倍内閣は野党の要求から98日を経過した同年9月28日まで臨時国会を召集しなかった。

安倍内閣は臨時国会を招集した冒頭に衆議院を解散し、10月に衆院総選挙が実施された。

野党が求めた実質的な審議は行われなかった。

この対応について、沖縄県選出の野党国会議員4名が、憲法違反であるとして沖縄地方裁判所に提訴した。

この裁判の判決が本年6月10日に示された。

判決は、臨時国会の召集決定が「高度の政治性を有する」としたが、憲法第53条は「単なる政治的義務ではなく、憲法上明文をもって規定された法的義務である」と指摘した。

「この義務を履行しなかったり、不当に召集を遅らせたりした場合は、少数派の国会議員の意見を国会に反映させるという憲法53条の趣旨が没却される恐れがある」として司法審査の対象となるとした。

しかしながら、野党議員が求めた損害賠償については、「臨時国会開催で得られる国会議員の利益は、個人的な利益ではなく、国民全体のための利益であり、個々の議員への金銭賠償で補てんされ、回復するという性質のものではない」として請求を棄却した。

このため、安倍内閣の対応については、「違憲かどうかを判断するまでもない」として、憲法判断を示さなかった。

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沖縄選出国会議員4名の損害賠償請求は棄却されたが、沖縄地裁の山口和宏裁判長は、

・憲法第53条後段に基づく召集要求がなされた場合、内閣は憲法上の義務法として召集義務を負う。これは政治的義務にはとどまらず法的義務である。

・臨時会を召集する、しないについて内閣に認められる裁量の余地は極めて乏しい。

・召集時期に関する裁量も必ずしも大きいものとは考えられない。

ことを明記した。

原告の訴えそのものは棄却されたが、憲法第53条に基づく臨時国会召集の要求に対して臨時会を招集することは内閣の法的義務であることが明記された意味は大きい。

また、招集時期に関する裁量も大きいものとは考えられないとした意味も大きい。

判決は

「通常国会の開催時期が近いなどの特段の事情がない限り、国会を召集する義務があり、内閣に認められる裁量の余地は極めて乏しい。召集しないという判断はできず、召集時期に関する裁量も大きくない」

と明記した。

国会召集の要求から招集までの日数について、原告側は「遅くとも20日間」が合理的期間と主張してきた。

自民党も憲法改正草案で、憲法第53条について、国会召集の期限を定めた改正案を明示している。

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自民党の改正案条文は次のもの。

第五十三条
内閣は、臨時国会の召集を決定することができる。いずれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があったときは、要求があった日から二十日以内に臨時国会が召集されなければならない。

自民党の「憲法改正草案Q&A増補版」は次のように記述している。

【Q23】その他、国会に関して、どのような規定を置いたのですか?

【自民党の答】 (53条 臨時国会)
53条は、臨時国会についての規定です。現行憲法では、いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣はその召集を決定しなければならないことになっていますが、臨時国会の召集期限については規定がなかったので、今回の草案では、「要求があった日から20日以内に臨時国会が召集されなければならない」と、規定しました。

党内議論の中では、「少数会派の乱用が心配ではないか」との意見もありましたが、「臨時国会の召集要求権を少数者の権利として定めた以上、きちんと召集されるのは当然である」という意見が、大勢でした。

自民党自身がまともな考え方を示している。

憲法の規定に沿って野党が国会召集を要求した場合、内閣は20日以内に国会を召集する法的義務を負っているとするのが自民党の判断なのだ。

那覇地裁判断が示された意味は大きい。

2017年同様、安倍内閣は国会召集を遅らせて、招集と同時に衆院を解散し、総選挙に突入することを目論んできたと見られる。

しかし、コロナの感染拡大第2波で、早期の衆院解散・総選挙を実施できる環境は消滅しつつある。

安倍首相は逃げ回らずに、国会を召集し、堂々と国会論戦に臨むべきだ。

コロナ対応も最悪の状況にある。

このような局面で国会から逃げ回るようなら、即刻内閣総辞職することが求められる。

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