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2020年5月 1日 (金)

振ってない旗を振ってるとうそぶく厚労相

「PCR検査は、なぜ少ないんでしょうか」

国民民主党の森ゆう子参議院議員が糺す。

加藤勝信厚労相はこう述べた。

「それぞれの地域のなかでご努力いただいているんです。

国だけ旗を振ったからといって、どうにかなるもんではない。」

こんな答弁をする者に厚労相を務める資格はない。

政府がPCR検査を拡大する方針を決めてPCR検査を拡大すればよいだけのこと。

「為せば成る 為さねば成らぬ なにごとも

成らぬは 人の 為さぬなりけり」

加藤厚労相がPCR検査を妨害しているからPCR検査が増えない。

「地域のなかでご努力いただくこと」

ではなく、

「国がPCR検査を拡大する具体的方法を定めて実施」

すればよいだけのこと。

現状では、感染を疑う市民が「帰国者・接触相談センター」に電話して、「帰国者・接触者外来」での受診予約を得て診察を受け、「帰国者・接触者外来」の医師が判断して初めてPCR検査が実施される。

「帰国者・接触者相談センター」に電話がつながらない。

電話がつながっても「帰国者・接触者外来」での受診を許可してもらえるのは20人に1人。

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「帰国者・接触者外来」で受診を認められても、4人に3人しかPCR検査は受けられない。

政府に特別のつてがある者以外の市民にとって、PCR検査を受けることは日本における超難関だ。

「帰国者・接触者相談センター」と「帰国者・接触者外来」がPCR検査を妨害する防波堤になっている。

4月末にかけて東京都での新たな感染確認者数が減少傾向を示したが、4月末にかけては全国での検査件数が減少している。

4月25日(土) 6667
4月26日(日) 3968
4月27日(月) 5576
4月28日(火) 4149

である。

安倍首相は4月6日の新型コロナウイルス感染症対策本部で、

「感染拡大の防止に向けて、PCR検査体制の一日2万件への倍増や保健所の体制強化により、クラスター対策を抜本的に強化します」

と述べたが、1日2万件の検査と現実の間に埋めがたい落差がある。

安倍首相は4月30日の国会質疑で

「我々、能力を1万5000まで上げてきたということでございまして、地方と一緒になって努力を重ねていきたい」

としながらも、

「さまざまな目詰まり、あるいは地域ごとの差があるわけでございまして、国が仲介をしながら、融通しながら、検査を受けられるようにしていきたい」

「厚労省を問いただしている」

と述べた。

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「帰国者・接触者外来」の医師が判断してPCR検査を実施するというプロセスを定めたのは誰なのか。

厚労省ではないか。

厚労省が専門家会議と共謀してこの方式を決定して、全国の都道府県、市町村に強制しているから、かかりつけ医の判断でPCR検査を発注できない現状が生み出されている。

厚労相が自分自身でPCR検査を妨害するプロセスを定め、それを日本全体に強要しておきながら、PCR検査が拡大しないことについて、

「国だけが旗を振ってもどうにかなるもんではない」

と逆ギレしている。

こんなデタラメ国会答弁を放置すべきでない。

安倍首相は

「医師が必要と考える場合にはPCR検査が行われるようにすることを掲げて、これを実行している」

とするが、ここでいう「医師」は「帰国者・接触者外来の医師」であって、すべての「かかりつけ医」ではない。

「帰国者・接触者外来」は全国に850しかない。

医療機関は全国に11万以上存在する。

11万以上の医療機関の医師がPCR検査が必要と判断する場合にPCR検査を行えるよう、PCR検査実施プロセスを国=厚労相が変えればよいだけのこと。

国が旗を振るどころか、国が旗をたたんでしまい込んでいるだけだ。

人為的な不作為を押し通す加藤厚労相を罷免しない限り、日本のPCR検査後進国の現状は変わらない。

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