コロナが浮かび上がらせた安倍内閣の無能
条件を設定して選別的に給付金を支払う。
条件を設定せず、一律に給付金を支払う。
どちらが迅速に実施できるか。
答えは明白だ。
それにもかかわらず、面倒な条件を設定する。
しかも、その面倒な条件がいまなお煮詰まっていない。
世帯主の収入が減っていなくても配偶者の所得が減少している場合があり、この場合に給付金が支給されないのはおかしいとの声が上がる。
これを受けて官房長官が、
「世帯主以外が生計を支えている家庭もあり、こうした事情を踏まえた対応が可能になるように検討する」
と述べて、配偶者の所得減少の場合にも給付金が支払われるとの期待が生まれているが、恐らくそうではない。
菅官房長官は、官僚が作成した文章を読み上げている。
ここには、
「世帯主以外が生計を支えている家庭」
と表現されており、
世帯主以外の者の所得が世帯主の所得よりも多い世帯において、
その世帯主以外の所得の多い者の所得が減少した場合に、
世帯主の所得が減少した場合と同等の対応を示す、
ことを示唆したまでのことだろう。
基準を満たした者には給付金が支払われ、基準に1円でも届かない者には給付金が支払われない。
こうなると、給付金支払後の所得では、所得の少ない世帯主のいる世帯の所得が、それよりも所得の多い世帯の所得を上回るケースが発生する。
場当たりの細かく詰めた提案でないから矛盾だらけの制度になる。
国民の間に巨大な不公平感が生み出される。
これが危機に対応する国民の分断をもたらす。
このような危機局面であるからこそ、単純明快な、分かりやすい国民支援の施策を打つべきなのだ。
制限を設けずに一律の全員給付を行えば納得感がもっとも高くなる。
御用コメンテーターの田崎史朗氏が懸命に、一律給付では時間がかかると述べるが、一律給付がもっとも迅速な方法なのだ。
一律給付で時間がかかるなら、自己申告による給付にどれだけの時間がかかるか想像もつかないことになる。
2009年の給付金支払いに3ヵ月もかかったことを理由に上げるが、2009年のやり方が悪かっただけのことだ。
各人の居住実態を確認するのに時間がかかるというが、選挙の際の投票券配布のシステムを利用すればよいだけのこと。
参政権を持たない住民に対してだけ別途措置すれば済む。
条件を設定せずに一律給付を行う。
ただし、給付金を課税対象にする。
そうなると、高額所得者は給付金の多くを税金で国庫に返納することになる。
これによって富裕層への実質的な給付金を削減できる。
条件設定のない一律給付によって危機に対する意識が共有される。
公務員に対する給付への批判が強いなら、公務員だけ給付の対象から外すという選択肢はあるだろう。
しかし、コロナで所得が減少しない労働者は公務委員以外にも存在するから、これも水平的な不公平感を生み出す理由になってしまう。
年金生活者への給付をしないとの意見もあるが、年金生活者もコロナによって深刻な影響を受けている。
各種の必要物資の価格は高騰しており、年金生活者に対しても給付金を支払う必要性は高い。
この意味で、条件を設定せずに給付金を一律給付することが適正だ。
事務処理を円滑にするために、オンラインまたは郵送による入金口座の通知を一括処理する事務センターを準備して一括対応を行うことが有効だ。
もうひとつ有効な施策が消費税率ゼロへの引き下げだ。
所得の少ない世帯への恩恵が大きい。
年間22兆円の施策になる。
すべての国民に一律10万円の給付は13兆円の施策。
合計で35兆円の生活支援策になる。
生存権の保障には生活保障=生活保護を活用するべきだ。
生活保護受給要件を一時的に緩和すべきだ。
居住用財産を保有する者も生活保護受給の対象に含めるべきだ。
生存権の保障を生活保障=生活保護制度活用を軸にすることを確認するべきだ。
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