10万円給付はコロナ危機対策の入口
FTサイトが公表するコロナウイルスの感染者数と死者数は以下の通り。
感染者数 2,433,672
死者 156,568
(資料出所:ジョンズホプキンス大学)
2020年4月20日
致死率は6.5%
コロナウイルスを風邪の一種だとする主張があるが正しくない。
2009年に感染が拡大した新型コロナウイルスの致死率は0.5%未満だった。
コロナウイルスの致死率は新型インフルエンザの10倍以上である。
日本の感染者数、死者が少ないとの指摘があるが、日本の場合、公表数値を信用できない。
日本では軽症者に対してはPCR検査を行わない方針が取られてきたから、確認されていない感染者が多数存在する。
WHO事務局長上級顧問の渋谷健司氏は実際の感染者数は公表数値の10倍以上ではないかと指摘している。
これに対して日本のコロナウイルス死者数が少なく、実際の感染者数が多いとの指摘を批判する声もある。
しかし、日本のコロナウイルス死者数の信用度も低い。
肺炎死者が多数存在しており、このなかにコロナウイルスによる死者が含まれていると指摘されている。
すべての肺炎死者にPCR検査を行っていないからコロナウイルス死者数が過少報告されている可能性が高いのだ。
ウイルス感染者が社会の構成者全体の7~8割に達すれば感染拡大は収束する。
社会的免疫が獲得されれば感染拡大が収束に向かう。
欧州諸国では当初この方針が検討されたが、すぐに廃棄された。
理由は致死率の高さだ。
とりわけ高齢者の致死率が高い。
社会の構成者全体の7~8割が感染する状況下では極めて多数の死者が発生する。
その死者数を容認できるのかが問題になる。
致死率6.5%では社会的免疫獲得方針選択はあり得ない。
そこで、多くの国が感染を抑止するために都市のロックダウンなどの強硬策を採用した。
ロックダウンによって感染拡大を抑止する。
新規感染者数が大幅に減少すれば経済活動を拡大させる。
ただし、経済活動を拡大させれば再び感染が拡大する可能性が高い。
そうなれば再び経済活動を抑止せざるを得ない。
この「ストップアンドゴー」を繰り返して時間をかけて社会的免疫を確保する。
ただし、ワクチンが開発されて、社会の構成員の大多数にワクチンが授与される状況が生じれば感染を収束させることは可能になる。
しかし、社会の構成者大多数に供給できるワクチンを確保するためには長い時間が必要であると考えられている。
コロナウイルスの致死率が高い現実を踏まえれば、極めて厳しい対応を長期にわたり継続することが必要になる可能性が高い。
安倍内閣は5月6日という期限を設定しているが、この期限設定自身がミスリーディングであると考えられる。
緊急事態宣言を発する段階で、5月6日に宣言を解除できる可能性は限定的であることをアナウンスしておくべきだった。
安倍内閣は2週間経過して、様子を見て休業要請を検討するとのスタンスを示したが、対応が中途半端である。
最大の問題は通勤電車での通勤を放置していること。
「三密」回避と言いながら、「三密」の典型事例が通勤電車だ。
出社の7割削減が必要と言われても補償がなければ出社を廃止することは不可能だ。
感染拡大を抑止するには通勤電車を含めて人と人との接触を減らすことが必要になる。
感染抑止には思い切った対応を取ることが必要なのだ。
しかし、その際、経済への打撃が極めて深刻になる。
重要なのは、経済悪化に対して政府が万全の対応を示すことだ。
10万円の一律給付が決まり、テレビメディアは給付方法などに時間を割くが、より重要な問題がある。
今後の経済を展望して政府が実行するべき対応策の全体を考察することだ。
10万円給付は政策対応の入口に過ぎない。
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