PCR検査を拡充しない安倍内閣の罪状
テレビ朝日のモーニングショーが4月28日の放送内容について訂正と謝罪をした。
4月28日の同モーニングショーで、4月27日に発表された東京都の新型コロナウイルス感染者数が39人だったことについてコメンテーターの玉川徹氏が
「(すべて)民間(医療機関)の検査の件数。
土日は行政機関の(検査をしている)ところが休みになる」
と発言した。
しかし、この発言は誤りだった。
玉川氏は、「昨日の放送の中で、月曜日の都内の感染者数、39名、すべてが民間の検査機関によるものだというふうに私はお伝えしました。
さらに、土日に関して、行政の検査機関は休んでいたというふうにお伝えしました。
しかし、正しくは、その39名の中に行政機関の検査によるものが、多数含まれていたことが分かりました。
そして、土日に関しても行政の検査機関は休んでいなかったというふうなことも分かりました。」
と説明した。さらに、
「コメントの全ての責任は私にあります。
このことにより、土日も働いてらっしゃる都庁関係者の皆様、保健所の皆様、そして検査機関の皆様、検体を採取する医療関係者の皆様、すべてに多大なるご迷惑をおかけしてしまいました。
本当にすみませんでした。」
と謝罪した。
厚労省は「国内における新型コロナウイルスに係るPCR検査の実施状況(結果判明日ベース)」を公表している。
この数表にはデイリーでの検査機関種類ごとの検査件数が示されている。
東京都だけでなく全国を集計したものだが、これまでの土日についてもすべて記載されている。
検査機関の種類は、国立感染研、検疫所、地方衛生研、大学等、医療機関に区分されている。
これまでの実績を見ると、地方衛生研と民間検査機関の日曜日の検査件数が少なくなる傾向が観察される。
しかし、土日に検査件数がゼロになるケースは存在しない。
PCR検査について言及するなら、まずは厚労省が発表するこのデータを確認することが基本になるだろう。
この点を踏まえるとテレビ朝日ならびに玉川徹氏のコメントには明白な落ち度があったと言える。
しかし、厚労省公表データにも問題がある。
集計が遅い。
厚労省はリアルタイムで検査件数を把握しておくべきだ。
一日が終了した時点で正確な検査件数を完全に捕捉して公表すべきことは当然だ。
コロナ下の勤務時間を踏まえれば、翌日の朝一にでも前日の検査件数集計値を公表すべきだ。
その程度の情報も補足できないなら、厚労省の情報処理能力が低すぎると言うほかない。
4月29日(水)に4月25日(土)と4月26日(日)のデータが公表されたが、この計数ですら暫定値の可能性がある。
暫定値であることを認識した上で言及すると4月26日(日)の検査件数は4000件を下回っており、著しく少ない。
安倍首相は2月29日の記者会見で、
「かかりつけ医など、身近にいるお医者さんが必要と考える場合には、すべての患者の皆さんがPCR検査を受けることができる十分な検査能力を確保いたします」
と述べた。
さらに、4月6日の新型コロナウイルス感染症対策本部では、
「感染拡大の防止に向けて、PCR検査体制の一日2万件への倍増や保健所の体制強化により、クラスター対策を抜本的に強化します」
と述べた。
しかし、実際の検査件数は安倍首相の対策本部での発言翌日にあたる4月7日以降、7000~9000件の水準で横ばい推移なのだ。
検査を希望しているのに検査を受けられない人が極めて多数存在することが指摘されている。
しかも、この検査件数には入院患者が退院するために必要は2回の陰性確認の為の検査が含まれている。
新規の感染確認のための検査は圧倒的に不足しているのだ。
2月の会見から2ヵ月が経過するのにPCR検査を妨害し続ける安倍内閣の責任を適正に問う必要がある。
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