原子力緊急事態+コロナ対応長期化下の日本
昨年12月1日付ブログ記事
「フクシマ事故と東京オリンピック」
https://bit.ly/2yJOLXw
に東京五輪の背徳性を指摘した。
2013年9月7日、アルゼンチンのブレノスアイレスで開かれたIOC(国際オリンピック委員会)総会。
2020年夏のオリンピック招致に向けて、安倍首相は次のように述べた。
「フクシマについて、お案じの向きには、私から保証をいたします。状況は、統御されています」
英語での表現はこうだ。
“The situation is under control.”
「東京には、いかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも及ぼすことはありません。」
さらに、安倍首相は質疑応答で次のように答えた。
「汚染水による影響は、福島第一原発の港湾内の、0・3平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされています」
記事では小出裕章氏による
『フクシマ事故と東京オリンピック【7ヵ国語対応】』
“The disaster in Fukushima and the 2020 Tokyo Olympics”
(小出裕章著、径書房)
https://amzn.to/2OAIdzO
あとがきで小出氏は次のように記す。
「筆舌に尽くしがたい被害と被害者が生まれた。
一方、原発の破局的事故は決して起こらないと嘘をついてきた国や東京電力は、誰一人として責任を取ろうとしないし、処罰もされていない。
絶大な権力を持つ彼らは、教育とマスコミを使ってフクシマ事故を忘れさせる作戦に出た。
そして、東京オリンピックのお祭り騒ぎに国民の目を集めることで、フクシマ事故をなきものし、一度は止まった原発を再稼働させようとしている。
フクシマ事故が起きた当日に発令された「原子力緊急事態宣言」は事故から8年経った今も解除できないままである。
しかし、国民のほとんどはその事実すら知らない。」
安倍内閣は福島第一原発による放射能汚染水海洋放出を強行する構えだ。
小出氏は次の事実を指摘する。
「2017年1月に東京電力は原子炉圧力容器が乗っているコンクリート製の台座(ペデスタル)内部に、いわゆる胃カメラのような遠隔操作カメラを挿入した。」
「圧力容器の底を抜いて溶け落ちてきた炉心が、さらに下まで落ちていることが分かった。」
「人間は全身で8シーベルト被曝すれば、確実に死ぬ。
圧力容器直下での放射線量は一時間当たり20シーベルトであり、それすら大変な放射線量である。
しかし、そこに辿り着く前に530あるいは650シーベルトという放射線が計測された。」
「溶けた核燃料が「ペデスタルの外部に流れ出、飛び散ってしまっている」ことを示す。
こうなると、溶け落ちた炉心を回収し、容器に封入することはできなくなる。
炉心を冷やすために水を注入してきたが、
そのため、毎日数百トンの放射能汚染水が貯まり続けている。
東京電力は敷地内に1000基近いタンクを作って汚染水を貯めてきたが、その総量はすでに100万トンを超えた。
敷地には限りがあり、タンクの増設にも限度がある。
近い将来、東京電力は放射能汚染水を海に流さざるを得なくなる。」
安倍首相が述べた
「汚染水による影響は、福島第一原発の港湾内の、0・3平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされています」
は真っ赤な嘘なのだ。
日本政府は2011年3月11日に「原子力緊急事態」を宣言した。
この宣言がいまなお解除されていない。
さらに本年4月7日、コロナウイルス感染拡大による「緊急事態宣言」が発出された。
事態収束の見通しは立たない。
五輪どころでないというのが現実だ。
五輪延期にさらに3000億円もの血税を投入することが完全なる間違いであることは明白だ。
国会は2021年五輪中止を決議するべきだ。
政府はコロナウイルス感染拡大収束と国民生活支援に全力を挙げるべきだ。
同時にフクシマ原発被災者を切り棄てる政策を是正すべきだ。
国民生活崩壊を放置して五輪を強行する選択肢は存在しない。
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