相撲協会は発熱力士に直ちにPCR検査を実施せよ
コロナウイルスの感染が世界的に拡大している。
WHOは3月11日にパンデミック宣言を行った。
安倍首相は3月14日の記者会見で次のように述べた。
「現時点において感染者の数はなお、増加傾向にあります。
しかし、急激なペースで感染者が増加している諸外国と比べてわが国では増加のスピードを抑えられている。
これが専門家の皆さんが今週発表した見解です。
WHOが今週、パンデミックを宣言しましたが、人口1万人当たりの感染者数を比べるとわが国は、0.06人にとどまっており、韓国、中国のほかイタリアをはじめ、欧州では13カ国、イランなど中東3カ国よりも少ないレベルに抑えることができています。
こうした状況を踏まえれば、現時点で緊急事態を宣言する状況ではないと判断しています。」
これが、安倍内閣による「PCR検査封じ込め」の狙いである。
検査を実施しなければ感染者数としてカウントする必要がない。
公表する感染者数を抑制するために「PCR検査封じ込め」が強行されている。
しかし、日本の公表新規感染者数の推移は他国の新規感染者数推移とまったく異なる軌跡を示しており、日本の感染者数が実態を表していないことは明白である。
朝日新聞は3月14日、「パンデミック」に詳しい米ジョンズ・ホプキンス大のジェニファー・ナゾ上席研究員への取材内容を記事として公表した。
ナゾ氏は、
「検査をどう拡大できるかを見極める、各国の努力が絶対的に重要だ」
(日本の検査人数は少ないとして)「検査拡大に努めるべきだ」
と述べた。
安倍首相は記者会見で、
「(PCR検査は)現時点で前回会見したときよりも、50%多い1日あたり6000件を超える確かな検査をおこなうことが可能となっています」
「今月中には1日当たり8000件まで検査能力が増強できる見込みです」
と述べたが、問われているのは検査実施数の拡大だ。
3月日6日からはPCR検査が保険適用となったが、3月14日発表のPCR検査数は859件でしかない。
累計の検査実施数も3月14日時点で1万2090件にとどまる。
検査を拡大すれば比例して感染確認者数が増える。
これを回避するためにPCR検査を851しかない帰国者・接触者外来に限定し、国民に検査を受けさせない体制が維持されている。
大相撲でも発熱力士が現れている。
日本相撲協会は感染者が出れば相撲興行を中止することを明言しているが、検査を行わない。
検査を行わないことが感染を拡大させる原因になる。
バスケットボールの試合でも、審判や選手に発熱者が現れている。
感染の疑いがあり、直ちに検査を実施するべきだが検査を行わない。
安倍内閣がイベント自粛の期限を3月19日としているのは、3月20日に聖火が日本に到着する予定になっているからだ。
3月26日から聖火リレーを行うことになっているが、ギリシャでは聖火リレーが中止された。
理由は沿道に市民が出現するからである。
日本で聖火リレーを行えば、沿道で市民が濃厚接触状況を作り出す。
聖火リレーを挙行する選択肢は存在しない。
感染が疑われる者に対して検査を行わない。
このような馬鹿げた対応が貫かれている。
「街のクリニックで検査を行うことが危険だ」とするキャンペーンは日本医師会が主導するものだ。
日本医師会の政治連盟が日本医師連盟であり、自民党と近い。
安倍内閣が日本医師会にPCR検査を阻止するための情報流布を求めているのだと推察される。
大半の感染者は重症化せず、発熱も収まる。
相撲協会が、万が一にでも感染者が現れることがないかどうか、慎重な見極めをするスタンスなら、発熱者に対して直ちにPCR検査を実施することになる。
ところが、相撲協会はPCR検査を実施しない。
感染防止ではなく、相撲興業優先なのだ。
安倍内閣の基本姿勢とまったく同じだ。
安倍内閣の最悪の対応が日本における感染爆発をもたらすことになる可能性はきわめて高い。
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