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2020年2月13日 (木)

国内での感染拡大リスクに対応しない安倍内閣

新型肺炎への対応が安倍内閣の危機対応能力を鮮明に示している。

ウイルスの日本への侵入を遮断するのか。

ウイルスの侵入は遮断できないとして、侵入を前提とした対応策を取るのか。

まずは基本判断が必要である。

折しも大型クルーズ船の帰港があった。

ダイヤモンド・プリンセス号は1月20日に横浜を出港し、鹿児島、香港、ベトナム、台湾、沖縄を経由して2月4日に横浜に帰港するスケジュールで航行されていた。

日本への帰還は2月1日の那覇港への帰港で達成されている。

那覇港を経て横浜港に帰港する予定だった。

この便に香港在住の男性が1月20日に横浜で乗船、1月25日に香港で下船した。

下船後、新型肺炎に感染していることが明らかになった。

そのため、沖縄を経由したダイヤモンド・プリンセス号の乗員・乗客は横浜での下船が許可されず、そのまま船内に拘束されることになった。

ダイヤモンド・プリンセス号は洋上に浮かぶ監獄と化した。

安倍内閣は最初の段階で乗員・乗客全員にPCR検査を実施するべきだった。

ところが、実際に検査が実施されたのは273人。

このなかから61名の感染が確認された。

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しかし、全員に対する検査が行われないなかで、乗員・乗客の感染が広がった。

2月13日時点で船内での感染者数は218人に達した。

船内に拘束したことで感染者数が拡大した可能性が高い。

最初に全員に対するPCR検査を実施しなかった判断の誤りが被害を拡大させたと言える。

船内ではシーツの交換も部屋の清掃も行われず、衛生状態の悪化も懸念されている。

安倍内閣は「おもてなし」を売りにしているようだが、安倍内閣の「おもてなし」の驚くべき実態が世界中に人々に伝播されている。

安倍内閣はウイルスの日本の侵入を水際で遮断するとして、3711名もの乗員・乗客の船内拘束の方針を決めて実行したようだが、これと整合性のある水際対策が実行されてきたのか、はなはだ疑問である。

最大のポイントは中国からの人の移動を禁止していないことだ。

中国では武漢市の封鎖などの措置が採られたが、中国での感染は武漢市および湖北省にとどまっていない。

武漢市が封鎖される前に、多くの人が武漢市から中国全域に移動している。

そのため、中国全土で感染が広がりを示している。

その中国からの人の移動を制限せずに、ウイルスの日本への侵入を防げるわけがない。

新型コロナ・ウイルスは、感染者のなかに症状のない人がいることが大きな特徴である。

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つまり、入国の際の問診では感染者の入国を防げない。

入国に際して、全員にPCR検査が実施されるなら、まだ水際対策という言葉が意味を持つかも知れない。

しかし、その場合でも、当初は陰性であった人が日数を置いて陽性に転じることがあるから、ウイルスの国内への侵入を遮断することは極めて難しい。

2月13日になって、国内における感染者の新たな判明が相次いで報じられている。

ダイヤモンド・プリンセス号乗員・乗客の感染者数拡大を踏まえると、このウイルスが極めて強い感染力を持っていることが窺われる。

ダイヤモンド・プリンセス号で問診などの検疫手続きを行った職員の感染も明らかになった。

安倍内閣の危機管理能力の低さを如実に示す事例であるが、同時に、ウイルスの感染力の強さを示す事例でもある。

安倍内閣は実体上の水際対策を万全の体制で実行していないのだ。

そうであるなら、ダイヤモンド・プリンセス号の乗員・乗客を2週間も船内に拘束する洋上監獄対応は適正でない。

3700人の経過観察場所を確保するのは容易でないが、それをこなすのが「おもてなし」なのではないか。

クルーズ船の寄港地ワーストランキングで日本がトップに躍り出ることは間違いない情勢だ。

安倍内閣の「おもてなし」についての正確な理解が世界に広がる可能性が高い。

安倍内閣の「おもてなし」は実は「うらばかり」ということ。

日本の対応の「裏」をよく知っておかないと、とんでもない思いをすることになる。

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