安倍政治に対峙する主権者と政治勢力の結集
第2次安倍内閣が発足してから7年の時間が経過する。
この7年に極めて重大な事態が進行した。
日本政府が40年以上も維持してきた憲法解釈が憲法改定なしに改変された。
集団的自衛権の行使が容認され、米国が引き起こす戦争に日本が加担する法制が整備された。
国民の知る権利を侵害する特定秘密保護法が制定され、憲法が保障する国民の知る権利が侵害された。
共謀罪が創設され、政治的敵対者が、犯罪が存在しないなかで犯罪者に仕立て上げられる制度が創設された。
原発の稼働が推進された。
日本の一次産業、食の安全、公的保険医療制度を破壊し、国家主権が毀損される条約の締結が強行され、国会での承認が強行された。
大資本の利益極大化を目的に労働法制が改変され、圧倒的多数の国民が劣悪な賃金と労働環境を強制されるようになった。
税制においては逆進性が極めて強い消費税の負担が激増される一方で、法人税および富裕者所得税が著しく軽減されてきた。
「戦争と弱肉強食」が徹底して推進されてきたのだ。
この日本政治の事実を肯定する者も存在するが、これに反対する主権者も多数存在する。
選挙では主権者の約半分が参政権を放棄してしまっている。
主権者の半分しか意思表示をしていない。
そのうち約半分が安倍内閣与党の自公に投票し、約半分が反自公勢力に投票している。
この選挙結果として、与野党伯仲の状況が生まれるのが順当であるが、現実には自公が国会議席の約3分の2を占有して、独裁的な政治が行われている。
選挙において約半数の票を得ている反自公勢力の獲得議席が全体の3分の1にとどまっているのは、1人しか当選者が出ない選挙区に反自公勢力が複数の候補者を擁立しているからだ。
しかし、安倍内閣が推進している政治の方向に絶対反対の主権者が多数存在する。
選挙で投票する権利を放棄してしまっている主権者を含めて考えると、安倍政治に絶対反対の主権者が圧倒的に多いと考えられる。
安倍政治に絶対反対であるのに参政権を放棄してしまっているのは、選挙に際して自公圧勝というメディア情報が流布されているからだ。
選挙に行っても結果が変わらないと判断して選挙に参加することをやめてしまう主権者が多数なのだと考えられる。
この現実を踏まえれば、選挙に対しての戦術を変更すれば、政治の現状を直ちに変えられる。
重要なことは、
主権者のすべてが選挙に行くこと
反自公勢力を一本化すること
である。
この二つの条件が整えば、次の選挙で政権を刷新することも可能になる。
反自公勢力が結集することが非常に重要になる。
これが実現すれば、安倍政治を終焉させて、新しい政権を樹立することができる。
野党の結集は極めて重要だ。
しかし、野党が結集して、政権を刷新すれば、それで問題が解決するわけではない。
新しい政権が政策運営を一新することこそが最終的な目標になる。
政策を一新するとは、
1.日本を「戦争をする国」に改変させないこと
2.原発を稼働しないこと
3.「弱肉強食推進」をやめて国家がすべての国民に保障する最低水準を大幅に引き上げること
である。
政権が刷新されても政策路線が変更されないのでは意味がない。
この点が決定的に重要になる。
立憲民主党と国民民主党が合流するとの話が浮上しているが、元の民主党、民進党に戻るということなら、主権者はこれをまったく支持しないだろう。
反安倍政治の政策公約を明示して、その上で合流するというなら意味がある。
しかし、そうでないなら、単なる選挙目当ての数合わせに過ぎないということになる。
この点の見極めが何よりも重要になる。
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