アベノミクスで庶民の暮らしは真っ暗闇だ
日本経済の超低迷は他国に類例を見ない。
本年末でバブル崩壊の起点から30年の時間が経過する。
この30年間、日本経済はまったく成長していない。
名目GDPの水準は500兆円から550兆円の範囲内にとどまり続けている。
「失われた10年」が「失われた20年」になり、「失われた30年」になった。
明日、10月4日、生活協同組合パルシステム東京の「六カ所から地球を考える委員会」主催の講演会で講演する。
演題は「わたしたちの暮らしとお金」である。
私たちの暮らしにとって、もっとも切実な問題が経済問題だ。
2012年12月に第2次安倍内閣が誕生してから本年12月で丸7年の時間が経過する。
安倍首相はアベノミクスが成功したかのように発言するが、アベノミクスの下で生活が良くなったという話を聞いたことがない。
若い人々の安倍内閣支持率が高いと言うが、そもそも主権者の半分が選挙に行っていないなかで、若い人が安倍内閣を支持しているという話にはまったく信ぴょう性がない。
本年7月の参院選の投票率は48.8%だった。
史上第2位の低投票率だった。
このなかで、18~19歳の投票率が32.3%、20~24歳の投票率が28.2%、25~29歳の投票率が33.8%だった。
若い人が安倍内閣を積極的に支持している形跡は皆無である。
選挙では自公への投票と反自公への投票が拮抗している。
ただし、自公が候補者を一人に絞るのに対して、反自公が複数候補を擁立することが多いから、議席数では自公が7割、反自公が3割という結果になっている。
安倍内閣は韓国敵視政策を推進し、嫌韓を煽っている。
安倍内閣は米国に対しては、ただひれ伏すだけの屈辱的な外交を展開するが、その裏返しの現象として、韓国に対して非礼極まりない対応を示している。
韓国に対しては日本が優位に立っているとの尊大な意識が存在するように見えるが、経済力については、すでに日本は韓国からも遅れを取り始めている。
一人当たりGDPのランキング推移を見ると、西暦2000年には日本が世界第2位に位置し、韓国は世界第35位に位置していた。
ところが2018年の実績では、日本が世界第26位、韓国が世界第31位で、その差はほとんどなくなった。
5Gの特許件数では日本は韓国のはるか後塵を拝している。
日本経済の停滞は世界のなかでも突出している。
安倍内閣の下で日本経済はまったく成長できていない。
経済成長率平均値は民主党時代の+1.7%を大幅に下回る+1.3%である。
このなかで、突出して拡大したのは企業収益である。
企業収益は2012年から2018年の6年間に倍増した。
企業の内部留保資金は2018年度末に463兆円にも達した。
経済が低迷しているのに企業利益が倍増した。
このことが意味することは、労働者への分配が圧縮されたということだ。
労働者一人当たりの実質賃金は、第2次安倍内閣発足後に5%も減った。
民主党政権時代でさえ、一人当たり実質賃金は横ばい推移だった。
今回の消費税増税で労働者の実質賃金はさらに減少する。
安倍首相は「有効求人倍率が上昇した」、「雇用者数が増えた」ことをアピールするが、低賃金の非正規雇用が増えただけなのだ。
安倍内閣はGDPを増やすために生産年齢人口の国民を全員働かそうとしている。
もちろん、働き口は非正規の低賃金労働だ。
これを安倍内閣は「国民総活躍」と言っているが、実態は「国民総低賃金強制労働」である。
消費税増税は財政再建のため、社会保障制度維持のためだと言うが、1989年度以降の事実経過は、消費税による税収が、ほぼすべて法人税減税と所得税減税に投入されてきたことを示している。
生産活動の果実の多くが株主と企業役員によってかすめ取られ、労働者への分配が大幅に減少した。
税制はこれをさらに拡大するように、法人税と金融所得を優遇し、労働者に対して過酷な消費税負担を押し付けてきた。
その結果、日本は世界有数の格差大国に転じ、新しい貧困問題が生まれている。
現状を変えるには政治を変えることが必要不可欠になる。
そのためには、主権者が真実を知り、行動することが必要不可欠だ。
投票率を5割から7割に引き上げることで政治刷新を実現できる。
日本の主権者がその意思を持つかどうかが鍵を握る。
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