相互信頼・相互尊重こそ健全近隣外交の要
野球のU18ワールドカップで日本代表は9月7日の対オーストラリア戦に4対1で敗北し、スーパーラウンド戦績を2勝3敗として5位で全日程を終えた。
日本は9月6日に韓国と対戦。
延長戦で5対4の逆転サヨナラ負けを喫した。
韓国は3位決定戦に駒を進めた。
日韓の戦いは韓国の勝利に終わった。
なぜか、日本のメディアはこの事実をほとんど伝えない。
この日韓戦で9回、日本の宮城大弥投手が投げた球が韓国のイ・ジュヒョン選手の頭部ヘルメットを直撃する死球になった。
プロ野球であれば「危険球」として一発退場となるプレーだった。
1塁に進んだジュヒョン選手に対して、宮城投手は被っていた帽子を取り、頭を下げた。
これに対して、ジュヒョン選手は、お辞儀を返しながら、帽子を取った。
この両選手の行動が絶賛されている。
日韓関係が悪化するなか、安倍首相はU18野球選手の姿勢を見習うべきだ。
日本では日韓関係に関する情報が操作され、主権者の嫌韓感情が煽られている。
その理由は、日本のメディアが安倍内閣の発する
「韓国は約束を守らない」
「韓国は国際法に違反している」
との主張を垂れ流しているからだ。
「韓国が約束を守らない」、「韓国は国際法に違反している」ことが事実であるなら、安倍内閣の主張も正しく、この情報を背景に主権者が嫌韓感情を持つのもやむを得ないと言えるかも知れない。
しかし、事実は違う。
日本のメディアが日本の主張と並行して、韓国の主張をまったく伝えず、日本の主張だけを正しい主張として報道していることが嫌韓感情をあおり立てる最大の要因になっている。
大きな問題とされてきた三つの事象がある。
従軍慰安婦問題に関する少女像の問題
レーダー照射の問題
徴用工の問題
である。
少女像の問題に関して、日本政府は日韓の外相合意によって最終的な解決が図られたと主張し、日本大使館前の少女像が撤去されないのはおかしいと主張するが、日韓外相合意では、韓国政府による少女像撤去の合意は存在しない。
外相合意の内容がそもそもあいまいなもので、本ブログ、メルマガでは合意が発表された時点で、あいまいな合意内容が招来に問題を引き起
こすことを警告した。
2015年12月29日付記事
「日韓合意、日本政府謝罪明記でも玉虫決着」
https://bit.ly/2k4Euy9
「日韓合意あいまい決着が問題を再燃させる懸念」
https://foomii.com/00050
元航空幕僚長の田母神俊雄氏は、
「世界中の軍が日常的にレーダー操作訓練を実施しており、地対空ミサイル部隊や海に浮かぶ艦艇などでは火器管制レーダーの電波照射は日常的に行われている。そしてその電波は地対空ミサイル部隊や艦艇などの周辺にいる航空機などには届いてしまうことが多い。
戦争が行われている場合や情勢が緊迫している場合なら火器管制レーダーの電波照射はミサイル発射の前兆であり、危険であるが、平時においては火器管制レーダーの電波照射が行われることが、直ちに危険であるということはない。
陸海空自の対空ミサイル部隊では日々の訓練で、自分の部隊の上空に接近する航空機は、万が一に備えその航空機が何者であるか識別するとともに、あらゆる航空機を疑似の射撃目標としてレーダー操作訓練を実施している。疑似目標には自衛隊機だけでなく米軍機も民間航空機も含まれている。
これは多くの国で同様な訓練を実施していると思われる。民間航空機を目標として危険な訓練を実施していると騒ぐ人たちがいるかもしれないが、ミサイルが飛んでいくことはないので全く安全である。
射撃管制レーダーの電波照射自体は別に危険なことではない。世界中で日常的に行われていることであり、いま日本と韓国が戦争をしているのではないのだから、電波照射とミサイル発射は別物である。
韓国海軍が敵意むき出しで海上自衛隊に向ってきたと考える日本国民もいるかもしれないが、私はそうではないと思っている。」
と指摘している。
しかしながら、日本ではレーダー照射の問題について、韓国が日本に宣戦布告をしたかのように大騒ぎをした。
徴用工の問題も、根底には日本の植民地支配に関する日韓の合意形成が十分ではないとの現実が横たわっている。
50年以上も前の協定を金科玉条として「国際法違反だ」一点張りの日本政府の主張自体があまりにも柔軟性を欠くものである。
対韓国敵対外交が日本の主権者に多大な損失を与える結果となって跳ね返ってくることを忘れてはならない。
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