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2019年8月23日 (金)

窮地に追い込まれる安倍韓国敵視外交

韓国政府が8月22日、日本と締結している軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄すると発表した。

日本政府は韓国政府がGSOMIAを破棄しないと高を括っていたようだ。

韓国政府発表後の狼狽ぶりにその事実が表れている。

「鏡の法則」という言葉があるが、韓国政府の対応は日本政府の対応を反映するものである。

融和・友好・信頼・尊重で進めば、融和・友好・信頼・尊重が返ってくる。

敵意・攻撃・不信で進めば、同じ対応が返ってくる。

徴用工の問題では1965年の日韓請求権協定を根拠に、日本に対する請求権は消滅しているというのが日本の主張だ。

しかし、日本の最高裁判所の判断は、日本と中国との間の賠償関係等について外交保護権は放棄されたが、被害者個人の賠償請求権については、「請求権を実体的に消滅させることまでを意味するものではなく、当該請求権に基づいて訴求する権能を失わせるにとどまる」としたものである(最高裁判所2007 年4 月27 日判決)。

これに対して、韓国大法院は、元徴用工の慰謝料請求権は日韓請求権協定の対象に含まれていないとして、その権利に関しては、韓国政府の外交保護権も被害者個人の賠償請求権もいずれも消滅していないとした。(2018年10月30日)。

「元徴用工の韓国大法院判決に対する弁護士有志声明」
http://justice.skr.jp/statement.html


は、韓国大法院判決について「被害者個人の救済を重視する国際人権法の進展に沿った判決である」として、次のように指摘している。

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「本件のような重大な人権侵害に起因する被害者個人の損害賠償請求権について、国家間の合意により被害者の同意なく一方的に消滅させることはできないという考え方を示した例は国際的に他にもある(例えば、イタリアのチビテッラ村におけるナチス・ドイツの住民虐殺事件に関するイタリア最高裁判所(破棄院)など)。

このように、重大な人権侵害に起因する個人の損害賠償請求権を国家が一方的に消滅させることはできないという考え方は、国際的には特異なものではなく、個人の人権侵害に対する効果的な救済を図ろうとしている国際人権法の進展に沿うものといえるのであり(世界人権宣言8条参照)、「国際法に照らしてあり得ない判断」であるということもできない。」

声明は日本の最高裁判決に関して、

「この解釈によれば、実体的な個人の賠償請求権は消滅していないのであるから、新日鉄住金が任意かつ自発的に賠償金を支払うことは法的に可能であり、その際に、日韓請求権協定は法的障害にならない。

安倍首相は、個人賠償請求権について日韓請求権協定により「完全かつ最終的に解決した」と述べたが、それが被害者個人の賠償請求権も完全に消滅したという意味であれば、日本の最高裁判所の判決への理解を欠いた説明であり誤っている。

他方、日本の最高裁判所が示した内容と同じであるならば、被害者個人の賠償請求権は実体的には消滅しておらず、その扱いは解決されていないのであるから、全ての請求権が消滅したかのように「完全かつ最終的に解決」とのみ説明するのは、ミスリーディング(誤導的)である。

そもそも日本政府は、従来から日韓請求権協定により放棄されたのは外交保護権であり、個人の賠償請求権は消滅していないとの見解を表明しているが、安倍首相の上記答弁は,日本政府自らの見解とも整合するのか疑問であると言わざるを得ない。」

と指摘している。

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中国人強制連行事件である花岡事件、西松事件、三菱マテリアル事件などにおいては、訴訟を契機に、日本企業が事実と責任を認めて謝罪し、その証しとして企業が資金を拠出して基金を設立し、被害者全体の救済を図ることで問題を解決した。

そこでは、被害者個人への金員の支払いのみならず、受難の碑ないしは慰霊碑を建立し、毎年中国人被害者等を招いて慰霊祭等を催すなどの取り組みが行なわれてきた。

「弁護士声明」は、

「日本政府は、新日鉄住金をはじめとする企業の任意かつ自発的な解決に向けての取り組みに対して、日韓請求権協定を持ち出してそれを抑制するのではなく、むしろ自らの責任をも自覚したうえで、真の解決に向けた取り組みを支援すべきである。」

と提言している。

建設的な主張である。

日本に日本の主張があるのと同様に、韓国には韓国の主張がある。

双方が歩み寄りを示さなければ問題を解決することは困難だろう。

2020年に東京オリパラを控えているが、このオリパラの招致活動のなかで、安倍首相は2013年9月7日にアルゼンチンのブレノスアイレスで開かれたIOC(国際オリンピック委員会)総会でこう述べた。

「フクシマについて、お案じの向きには、私から保証をいたします。状況は、統御されています」

「汚染水による影響は、福島第一原発の港湾内の、0・3平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされています」

このことに関して、東京電力は8月8日、福島第一原発で事故を起こした建屋などから発生する汚染水をためるタンクが、2022年夏ごろに満杯になる見通しを明らかにした。

これについて原子力規制委員会の更田豊志委員長は8月21日の記者会見で、処理水を希釈して海に放出することを東電などに求めた。

安倍首相の五輪招致IOC総会での発言と直結する問題である。

韓国外交省はこの点について8月19日、在韓日本大使館の西永知史公使を呼び、「事実関係の確認と今後の処理計画などについて、日本政府の公式回答を求める」との口述書を手渡した。

客観的に見ると日本が窮地に追い込まれつつあるように見える。

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