永田町の上から目線議席でないことに意味がある
れいわ新選組やNHKから国民を守る党が議席と政党要件を確保したことにさまざまな論議がある。
N国の立花孝志党首のアグレッシブな行動についても賛否両論がある。
これまでの永田町秩序から逸脱していることが批判の対象とされている面もあるだろう。
しかし、そこに二つの新党の登場の意味がある点を見落とすべきでない。
永田町はこれまで「既得権益」の牙城であった。
そこに既得権と関わりのない、文字通り草の根勢力がわずかながらもポジションを得た。
この意味が大きい。
特定の勢力が永田町権益を占拠し続けてきた。
日本の法制度は既存の政治勢力に極めて手厚く、市民政党に冷酷な面を有してきた。
選挙においても、政党要件を確保していなければ政党討論会にも出席することすらできない。
テレビメディアも、市民政党の存在すら、ほとんど報じない。
既成の一定の勢力を有する政治組織しか国政に参入できない、巨大な参入障壁が張り巡らされてきたと言える。
れいわ新選組とN国はこの防護壁を乗り越えて政党要件を獲得した。
その意味を軽視するべきでない。
これらの新勢力を政党という地位にまで登らせたのは主権者である。
その主権者の意思と行動を蔑(さげす)むことは民主主義そのものに対する冒とく行為であると言わざるを得ない。
現在のNHKのあり方には重大な問題がある。
NHKが公共放送としての責務を果たしているなら、受信契約の強制も受診料支払いの強制も正当化できる余地はある。
ところが、NHKの現状は「公共放送」のあるべき姿からかけ離れている。
最大の問題は、NHKという組織が法律の規定上、政治権力の支配下に置かれてしまっていることにある。
政治権力はその気になれば、経営委員会委員の人事権を行使することによって、NHK会長、副会長、理事を恣意的に決定することができる。
NHKの業務運営は会長、副会長、理事によって構成される理事会の指揮下に置かれている。
したがって、政治権力がNHKを実効支配し、NHKが公共放送の役割を果たさずに、ただひたすら御用放送を実施する機関になり果てることを否定できない。
安倍内閣下のNHKはまさにこの状態にあると言える。
この状況が是正されない現状においては、NHK放送をスクランブル化し、NHKと受信契約を締結した者だけがNHKを受信できる「スクランブル化」=「受信契約の任意制への移行」が正当性を有することになる。
NHK放送のスクランブル化を求めるとの主張には合理的根拠があり、この公約を掲げたN国が政党要件を獲得したことについて、これを一方的に批判することは正当な論評とは言い難い。
日本国憲法前文は
「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、」
の書き出しで始まる。
国政を担う国会議員は、「正当に選挙された国会における代表者」であり、主権者である国民を代表する存在である。
その国会議員を選出した主権者の意思を軽んじること、侮蔑することは正当でない。
「れいわ新選組」が少なからぬ主権者の支持を集めたことは、特定の勢力によって永田町、すなわち日本政治が支配されている現状に対して、多数の主権者が不満を高めていることの表れでもある。
政治は本来主権者国民のものである。
その政治が主権者国民の手元から切り離されて、エリートを自任する勢力に完全に支配されている状況は、本来の民主主義のあり方から外れている。
米国でトランプ大統領が誕生した背景にも、ワシントンのエスタブリッシュメントによる米国政治支配に対する米国民の強い不満があった。
批判は、自公の与党勢力だけに向けられたものではない。
野党勢力もひたすら自分自身の身分の安泰だけを優先する議員に占有されてしまっている傾向を有し、本当の主権者である国民の意思に積極的に寄り添う姿勢を示してこなかった。
「れいわ新選組」は、これまで吸い上げられることのなかった、本当の意味の草の根市民の声に積極的に耳を傾けようとしている。
それが大きな支持のうねりを生み出す背景になっている。
永田町から市民が主権を取り戻す。
この意識が日本政治を変革させる大きなうねりになる可能性が高まりつつある。
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