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2019年8月 9日 (金)

「れいわ新選組」に課せられた役割と今後の課題

7月21日に実施された参院選で安倍自公は勝利していない。

自民党獲得議席は公示時改選数より9少ない57議席にとどまり、自民党は参院の単独過半数を割り込んだ。

改憲勢力は自公維三党議員に改憲に積極的な無所属議員を含めて160にとどまり、参院3分の2超の164に届かなかった。

自公は激戦の東北6県で2勝4敗となり、1人区は22勝10敗に終わった。

激戦区では自民候補が軒並み競り負けた。

比例代表選での自民党得票は1771万票で2016年参院選の2011万票から240万票減らした。

公明党も757万票から654万票へと104万票減らした。

立憲民主党は2017年10月衆院選の1108万票から792万票へと317万票減らした。

得票減では立憲民主党の317万票が自民党の240万票を大きく上回る。

全有権者に占める自公の得票率は22.9%で、2016年参院選の27.0%から4%ポイントも得票率を下げた。

全有権者の5人に1人強しか自公に投票していない。

「安倍一強」という言葉と現実との間に想像を超える隔たりがある。

安倍内閣の基盤が脆弱であり、その脆弱性が一段と鮮明になったことは事実である。

しかし、このことが直ちに政治刷新の実現性を高めるとは言えない点に注意が必要だ。

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その理由は、野党も支持を高めてはいないことにある。

安倍内閣支持者の支持理由の筆頭に挙げられるのは、

「他の政権よりましだから」

というものだ。

主権者の強い支持を得る存在が見当たらなかったのだ。

立憲民主党は2017年10月の衆院選で躍進した。

立憲民主党が躍進したのは、旧民主党、旧民進党が「守旧」と「革新」に分離したと判断され、立憲民主党が「革新」勢力であると見なされたからだ。

さらに、共産党が立憲民主党の議席獲得に大いなる貢献をした事実も見落とせない。

安倍政治を打破するには、主権者の強い支持を得ることのできる「たしかな野党」勢力が存在することが必要不可欠だ。

かつての民主党、民進党は、「革新」と「守旧」の混合体であり、「鵺(ぬえ)」の存在であった。

主権者は旧民主党に完全に裏切られた経験を有しており、民主党、民進党を積極支持する意欲は消滅していた。

そのなかで、「水と油の混合物」の旧民進党が分離、分裂した。

その「革新勢力」として「立憲民主党」が誕生したとの判断から、この政党が主権者多数の支持を得たのである。

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しかし、その後の立憲民主党は迷走した。

その最大の理由は、枝野代表、福山幹事長が、この新党を私物化したことにある。

新党が躍進できたのは、主権者の支持があったからだ。

共産党の強力な支援の賜でもある。

枝野氏と福山氏がこの原点に立って、主権者の意思を現実政治に反映することを第一に位置付けていたなら、立憲民主党は支持を失わなかったはずだ。

ところが、枝野氏と福山氏はこの二名による独裁的な党運営に突き進んだ。

主権者が求める政権を樹立することよりも、自分たちが主導権を握る政権の樹立を目指したのである。

ここに最大の矛盾があった。

主権者が求めるのは「特定の人物による政権」ではなく、「特定の政策を実現する政権」なのだ。

「私」ではなく「公」が重要なのだ。

「公」ではなく「私」を優先したところに間違いがあった。

次期衆院総選挙に向けて大事なことは何か。

それは、「政策を基軸にすること」である。

「誰がやるか」ではなく「何をやるか」が重要なのだ。

オールジャパン平和と共生は、「何をやるか」を明確にしてきた。

その政策提言を丸呑みしたのが「れいわ新選組」である。

「れいわ新選組」は、この政策を基軸に進まなければならない。

自分たちの勢力を大きくすることに目的があるのではない。

主権者が求める政策を実現することに基軸を定める必要がある。

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