« れいわ新選組の経済政策方針を広く共有しよう | トップページ | 吉本がCARISERA提供イベントに芸人派遣した事実 »

2019年7月24日 (水)

露見した吉本興業三大疑惑で進退問題焦点に

日本財政最大の問題は、利権財政支出が巨大であることだ。

一般会計、特別会計を合わせた国の財政支出が投融資を除いて約230兆円ある。

そのうち、90兆円は国債費、90兆円は社会保障支出だ。

社会保障支出の財源の3分の1が国費で残りの大半は保険料収入である。

年金、公的医療保険、介護保険の保険料収入だ。

国債費、社会保障関係支出を除いた約50兆円が国の政策支出だ。

そのうち、約20兆円は地方交付税交付金として地方自治体に配分される。

この50兆円の政府支出に無限の利権支出が含まれている。

財政改革とは、無駄な利権支出を切ることである。

このことを、拙著『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書)
https://amzn.to/2WUhbEK

に記述した。

吉本興業の企業としてのあり方が問題になっている。

発端は、吉本興業所属タレントが反社会勢力のイベントに参加してギャラを受領したことである。

問題が発覚した時点で、当該タレントがギャラの受領を否定し、その後に肯定したことで問題が大きくなった。

しかし、当該タレントは7月20日に記者会見して、当初、虚偽を述べたことを謝罪するとともに、問題発覚後、早期に事実を明らかにして謝罪する会見を開催することを吉本興業に強く求めたが、吉本興業によって抑止された事実を明らかにした。

人気ブログランキングへ

当初、虚偽の説明をしたことは正しくないが、その後に事実関係を明らかにし、謝罪したことで、この件に関する疑惑は相当程度解消した。

残される問題は、当該タレントと反社会的勢力との関わりが実際になかったのかどうかの検証である。

仮に、タレントが述べたことが事実で、当該タレントと反社会勢力との関わりがなかったのであれば、この問題に対する対応は変わらざるを得ない。

他方で、この問題との関連で新たな重大問題が表面化した。

それは、吉本興業という企業の問題である。

重大な問題が三つある。

第一は、吉本興業の経営最高幹部によるパワハラ行為が存在したとの疑惑である。

第二は、吉本興業の雇用契約のあり方に関する問題である。

第三は、本問題の発端となった反社会勢力との関わりに関して、吉本興業自体が反社会勢力との関わりを有していた疑いが浮上したことだ。

本ブログ、メルマガで、この問題を取り上げるのは、吉本興業が単なる一民間企業ではなく、在京、在阪キー局を持つ大手メディア企業の関連会社であり、また、国が巨額の財政資金を投じている事実があるからだ。

吉本興業が上場廃止する際、在京、在阪キー局を持つ大手メディア企業、ヤフー、ソフトバンクグループなどが吉本興業の株主=所有者になった。

したがって、吉本興業は大手メディア企業の関連会社になっている。

これらの大手メディア企業はすべて上場企業であり、上場企業として、関連会社のガバナンス体制、ならびにコンプライアンス体制について、責任を負っている。

その吉本興業が上記の三つの重大問題を抱えているとすれば、その問題をあいまいに処理することは許されない。

また、大規模な国民資金が投入されることに関して、その是非が徹底的に論議される必要がある。

人気ブログランキングへ

当該タレントの記者会見において、問題となったイベントへの参加を応諾した際、ギャラが高額であることに関して、

「亮くんに話を聞いて認識したんですけど。50万、100万だと。そこで亮くんが「大丈夫かと。そんな大金払えるとこは」と入江くんに聞いたみたいで。その時に入江くんが、「僕がやる吉本の会社を通したイベントに付いてくれているスポンサーなんで、そこは安心です」と。そこで亮くんは、「じゃあ大丈夫か」と」

と述べた。

発言に示されたイベントは2014年5月31日に開催されたもので、主催者は問題のフロント企業「CARISERA」ではなかったが、「CARISERA」はこのイベントのスポンサーになっていた。

したがって、上記の記者会見での説明は事実と大きく相違していない。

吉本興業はこのイベントにタレントを派遣しているが、コンプライアンス上のチェックというのは、タレントを派遣するイベントに反社勢力の資金が入っているかどうかを調べることが基本となる。

タレントの側においてはイベントの性格を十分に調査することが難しいと推察され、上記のような説明を受けてイベント参加を決定したのであれば、その決定の落ち度は相当程度減殺されることになる。

人気ブログランキングへ

第二の下請け契約の問題については、弁護士の郷原信郎氏が詳細な問題指摘をされているので、郷原氏の論考を参照賜りたい。

https://bit.ly/2GprGu7

ヤフーニュースサイトを見ると、吉本興業の大崎会長、岡本社長ならびに両者と極めて近い関係にある松本人志氏を擁護する記事が極めて目立つ。

ヤフーは吉本興業出資企業であり、利害関係企業である。

このことを明かさずに、ニュースサイトを編成していることに強い疑義が生じる。

上記「CARISERA」については、フジサンケイグループの企業がネット上で社長インタビューを掲載していた。

https://bit.ly/32R1fr8

当該タレントは記者会見で、

「飲んでいるときに、雑誌の名前は言えないですけど「某ビジネス雑誌にも登場している」と聞いていたので、大丈夫かなとなったんだと思います。」

と述べている。

当初に嘘をついたことは問題だが、イベントに参加した経緯自体の非を問うことは難しいのではないか。

局面は完全に転換した。

社長、会長の進退問題を軸に吉本興業の経営体制をどう刷新するのか、また、国民資金の吉本興業への投入是非が論じられなければならない。

人気ブログランキングへ

メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」

https://foomii.com/00050

のご購読もよろしくお願いいたします。

上記メルマガを初めてご購読される場合、
2ヶ月以上継続して購読されますと、最初の一ヶ月分が無料になりますので、ぜひこの機会にメルマガのご購読もご検討賜りますようお願い申し上げます。

https://foomii.com/files/information/readfree.html

人気ブログランキングへ

続きは本日の
メルマガ版
「植草一秀の『知られざる真実』」
第2389号「吉本興業問題は安倍政治根幹に関わる事案」
でご購読下さい。

『アベノリスク』(講談社)
動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。

2011101日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:540円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。

 創刊月201110-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。

 メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.comまでお願い申し上げます。

人気ブログランキングへ

 

価格:994円 通常配送無料

出版社:詩想社
amazonで詳細を確認する

 

価格:907円 通常配送無料

出版社:発行:祥伝社
amazonで詳細を確認する


日本経済を直撃する「複合崩壊」の正体

価格:1,620円 通常配送無料

出版社:発行:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

あなたの資産が倍になる 金融動乱に打ち勝つ「常勝投資術」~(TRI REPORT CY2018)

価格:1,620円 通常配送無料

出版社:発行:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

「国富」喪失 (詩想社新書)

価格:994円 通常配送無料

出版社:発行詩想社 発売星雲社
amazonで詳細を確認する

価格:1,620円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する


泥沼ニッポンの再生

価格:1,512円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

日本経済復活の条件 -金融大動乱時代を勝ち抜く極意- (TRI REPORT CY2016)

価格:1,728円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

米国が隠す日本の真実~戦後日本の知られざる暗部を明かす

価格:1,728円 通常配送無料

出版社:星雲社
amazonで詳細を確認する

価格:1,512円 通常配送無料

出版社:ビジネス社

amazonで詳細を確認する


日本の奈落 (TRI REPORT CY2015)

価格:1,728円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

日本の真実 安倍政権に危うさを感じる人のための十一章

価格:1,620円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する


日本経済撃墜 -恐怖の政策逆噴射-

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:日本文芸社
amazonで詳細を確認する



オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下

価格:2,100円 通常配送無料

出版社:早川書房
amazonで詳細を確認する

アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する


鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ)

 

 




鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ)

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

金利・為替・株価大躍動 ~インフレ誘導の罠を読み解く

価格:1,785円 通常配送無料

出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する

消費税増税 「乱」は終わらない








消費税増税 「乱」は終わらない

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:同時代社
amazonで詳細を確認する

国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る

 









国家は「有罪(えんざい)」をこうして創る

価格:1,470円 通常配送無料

出版社:祥伝社
amazonで詳細を確認する

消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す!

 

 

消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す!

価格:1,000円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却

価格:1,575円 通常配送無料

出版社:青志社
amazonで詳細を確認する

日本の独立








日本の独立

価格:1,800円 通常配送無料

出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する

売国者たちの末路

 









売国者たちの末路

価格:1,680円 通常配送無料

出版社:祥伝社
amazonで詳細を確認する

知られざる真実―勾留地にて―

 

 




知られざる真実―勾留地にて―

価格:1,890円 通常配送無料

出版社:イプシロン出版企画
amazonで詳細を確認する

消費税のカラクリ

価格:756円 通常配送無料

出版社:講談社

amazonで詳細を確認する


戦後史の正体








戦後史の正体価格:1,575円 
通常配送無料
出版社:創元社
amazonで詳細を確認する

日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土

 









日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土

価格:798円 通常配送無料

出版社:筑摩書房
amazonで詳細を確認する


日米同盟の正体~迷走する安全保障

価格:798円 通常配送無料

出版社:講談社
amazonで詳細を確認する

検察崩壊 失われた正義

 









検察崩壊 失われた正義

価格:1,365円 通常配送無料

出版社:毎日新聞社
amazonで詳細を確認する


検察の罠








検察の罠価格:1,575円 
通常配送無料
出版社:日本文芸社
amazonで詳細を確認する

「主権者」は誰か――原発事故から考える

価格:525円 通常配送無料

出版社:岩波書店
amazonで詳細を確認する

原発のカラクリ―原子力で儲けるウラン・マフィアの正体

 

« れいわ新選組の経済政策方針を広く共有しよう | トップページ | 吉本がCARISERA提供イベントに芸人派遣した事実 »

政治・芸能・メディアの癒着」カテゴリの記事

有料メルマガご登録をお願い申し上げます

  • 2011年10月より、有料メルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」の配信を開始いたします。なにとぞご購読手続きを賜りますようお願い申し上げます。 foomii 携帯電話での登録は、こちらからQRコードを読み込んでアクセスしてください。

    人気ブログランキング
    1記事ごとに1クリックお願いいたします。

    ★阿修羅♪掲示板

主権者は私たち国民レジスタンス戦線

  • 主権者は私たち国民レジスタンスバナー

    主権者は私たち国民レジスタンスバナー

著書紹介

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
2023年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

関連LINKS(順不同)

LINKS1(順不同)

LINKS2(順不同)

カテゴリー

ブックマーク

  • ブックマークの登録をお願いいたします
無料ブログはココログ