消費税増税強行=参院選単独実施は本当なのか
消費税増税が間違っている理由を三つ挙げてきた。
第一は、日本経済を深刻な不況に転落させること。
第二は、消費税増税が格差拡大をさらに推進すること。
第三は、消費税増税が零細・中小企業を直撃すること。
消費税増税を阻止しなければならない。
安倍内閣が消費税増税を強行して参院選を単独実施するとの見方が強まっているが、予断を許さない。
過去には、中曽根内閣の「死んだふり解散」という事実があるからだ。
1986年に、解散はないと見せかけておいて解散を断行した。
この「死んだふり解散」によって衆参ダブル選が実施された。
状況に類似点があるわけで、6月19日の党首討論、通常国会会期末に向けての野党による内閣不信任案提出などの要因によって、衆院解散、衆参ダブル選が実施される可能性は、まだ消えていない。
自民党の参院選公約に消費税増税が書き込まれたが、政策BANKという資料に小さく1文が書き込まれているだけで、簡単に消去できる。
大量印刷はまだ行われていないのではないか。
消費税増税に突き進めば、日本経済は深刻な不況に突入する。
すでに日本経済は景気後退に移行している可能性が高い。
消費税増税は、この動きを加速させる最大の要因になる。
2012年12月の第2次安倍内閣発足後の日本経済は超停滞を続けている。
その超停滞の日本経済が本格的な不況に移行することになる。
日本経済でいま、もっとも重要な経済問題は格差拡大である。
多数の国民が下流に押し流されていることが問題なのだ。
フルタイムで働いているのに年収が200万円に届かない労働者が1100万人を超えている。
安倍内閣は大資本が求める労働コストの削減を全面的に支援している。
「働き方改革」という言葉が用いられたが、実態は「働かせ方改悪」である。
長時間残業が合法化され、新しい残業代ゼロ労働制度も創設された。
人手不足と言われる業界があるが、人手不足を解消する方策である賃金引き上げが推進されていない。
それどころか、人手不足と言われる分野の賃金を引き上げないために、外国人労働力の大量輸入を実現するための入管法改定が強行された。
安倍内閣は「賃金不足」を是正する考えを保持していないのだ。
金融広報中央委員会による「家計の金融行動に関する世論調査」(2018年)によると、
2人以上世帯における所得ゼロ世帯の57.1%、所得300万円未満世帯の28.4%が貯蓄ゼロである。
単身世帯では、所得ゼロの世帯の55.6%、所得300万円未満世帯の40.2%が貯蓄ゼロである。
金融庁が老後の生活には2000万円の蓄えが必要であるとの報告書を発表して論議を呼んでいるが、これらの所得の少ない階層の人々に、安倍内閣はどう説明するのか。
金融庁公表数値は、男性65歳以上、女性60歳以上の2人世帯で、30年生存する場合、2000万円の蓄えが必要だとしたが、この資産の前提は、この夫婦に月21万円の収入があるというものだ。
国民年金では満額支給でも二人で13万円にしかならない。
収入が13万円になると、必要になる蓄えは4680万円に跳ね上がる。
所得の少ない人は、国民年金の保険料さえ支払うことが困難だ。
年金の受給資格がなければ、不足金額はさらに膨れ上がる。
この問題を放置して消費税増税に突き進むのか。
主権者国民の怒りは爆発することになるだろう。
安倍内閣は懸命に、火消しの情報流布をメディアとライターに命じているが、人為的な情報操作に騙されてはならない。
そして、消費税増税が直撃して、その存在が破壊されるのが、実は零細、中小企業なのだ。
消費税増税を価格に転嫁できない零細・中小企業は、消費者が負担することとされている消費税を肩代わり負担させられる。
所得税の納税が免除される所得水準の零細個人事業主が巨大な消費税負担肩代わりを強制されると完全に潰されてしまうのだ。
消費税増税は亡国の政策である。
財務省が消費税増税を推進するのは、財務省が大資本に利益を供与したいからなのだ。
財務省が大資本に利益を供与すると、財務省の天下り利権が維持・拡大される。
このために、財務省は消費税増税を推進している。
こんな私利私欲行政を日本の主権者は絶対に許すべきではない。
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