ダメな安倍内閣によく似合うダメな国民ではダメだ
6月11日に「TPPプラスを許さない!全国共同行動」主催の院内緊急集会
「STOP!日米FTA-わたしたちの暮らしを守ろう-」
が開かれた。
第1部で金子勝氏と孫崎享氏による講演が行われ、第2部では安田節子氏に加わってくださり、パネルディスカッションが行われた。
私は第2部でコーディネーターを務めさせていただいた。
第1部では、まず孫崎享(東アジア共同体研究所所長)氏が「日米通商交渉をどうみるか」と題して、現在の日本と米国の政治状況の分析をもとに本年夏以降の日米合意可能性について話された。
5月の安倍・トランプ首脳会談後に、トランプ大統領が農産物の関税引き下げを含む日米協議を8月に妥結させる意向を示した。
孫崎氏は現在の日米交渉が最悪の組み合わせになっていることを指摘した。
最悪の組み合わせとは、
日本からむしり取れるものはすべてむしり取ろうとする米国大統領と
米国から要求されれば、何の抵抗も示さずに言いなりになって何でも差し出す日本の首相
という組み合わせだ。
米中の貿易戦争が勃発しているが、技術面ではすでに中国が米国を凌駕していることが客観的データに寄って裏付けられている。
その経済の現実を覆い隠すために、米国が「政治力」で中国を抑圧しようとしているのが現状であるとの認識が示された。
世界秩序は大きく変化している。
安倍政権はその変化に目を向けることなく米国に追従し続け、官僚機構はこれに盲従し、メディアは安倍支持への偏向を続け、経済界が追随する。
しかし、根源的には日本の国民の責任が大きいわけで、ダメな安倍内閣によく似合うダメな日本国民という図式が成立してしまっているのではないか。
孫崎氏は日本全体の現在の風潮、空気全体を厳しく指弾した。
日米同盟=米国の核の傘という「信仰」が存在するが、これも現実妥当性を失っている。
世界情勢の変化を直視することが重要だと指摘した。
立教大学大学院特任教授の金子勝氏は、交渉能力のない日本政府が日米貿易交渉において譲歩を重ね、食の安全や農業を危機に陥れる恐れがあると指摘された。
金子氏は、現在の状況が第二次世界大戦前と酷似していることを指摘した。
ポピュリズムの象徴と言えるトランプ大統領が危機の象徴である、とした。
関税引き上げ、ドル切り下げが進行するに連れて貿易も縮小していく。
また情報通信分野においては、米国企業のプレゼンスが大幅に低下している現実がある。
日本は旧産業・企業を重視し続けているが、日本企業の凋落は目を覆うばかりである。
日本政府が米国に組み込まれ続ける対応を続ければ、日本産業が崩落することは間違いない。
同時に、大規模化一辺倒の日本の農業政策が日本農業の力を低下させ続けている。
これからは、拠点に集中するのではなく、分散型の持続可能なネットワークを構築する必要があると提言した。
第2部のパネルディスカッションでは、安田節子氏が、「日本はGATT
ウルグアイラウンド交渉以来、譲歩を重ねてきており、とりわけ安倍内閣は国内での規制緩和を率先して推進している」と指摘された。
トランプ米国大統領は日本に対してTPP以上の譲歩を求めており、日本政府はこれまで聖域とされた重要5品目(コメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、サトウキビなど甘味資源作物)の輸入拡大とともにGMO、食品添加物、農薬などにおける安全性にかかる規制緩和を積極的に推進している。
食の安全に関する米国の主張は「科学主義」に基づいているが、食の問題への対応に必要な基本姿勢は「予防原則」である。
米国流の「科学主義」に基づく対応を日本政府が採用してしまっており、日本の食の安全が完全に崩壊しつつある。
安田氏はこの点への強い警戒を呼びかけた。
安田氏はさらに、「日本での農薬使用量は世界最高水準に達しており、国民の命が侵されている。
全耕地面積の0.5%でしかない有機農業を拡大し、日本は有機農業立国を目指すべきだ。
そのために、まず、食品の農薬使用を表示させる必要があると訴えた。
この主張は荒唐無稽だと批判されたが、現実にフランスで農薬使用を表示する法案が上院に提出されており、同じ考えを持つ人々が世界に存在することに勇気づけられた。」と述べた。
現実は危機的であるが、ものごとを真剣に考え、現実を是正するために行動する者が存在する。
運動を継続して、日本政府の間違った対応を正してゆかねばならない。
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