老後資金2000万円+消費税増税で安倍内閣与党惨敗
安倍内閣が消費税増税強行を掲げて参院選単独実施に突き進むなら、日本政治にとっての千載一遇のチャンスになる。
伊藤真弁護士が提示する「ピンチはチャンス」である。
安倍首相が消費税増税に突き進むことを決めたのなら、その最大の背景は財務省による脅し=ブラフにあったと考えられる。
よく知られているように、安倍首相は2017年2月17日の衆院予算委員会で森友学園への国有地不正払い下げ疑惑事案に関して、
「私や妻がこの認可あるいは国有地払い下げに、もちろん事務所も含めて、一切かかわっていないということは明確にさせていただきたいと思います。もしかかわっていたのであれば、これはもう私は総理大臣をやめるということでありますから、それははっきりと申し上げたい、このように思います。」(議事録251)
「繰り返しになりますが、私や妻が関係していたということになれば、まさに私は、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめるということははっきりと申し上げておきたい。」(議事録255)
と答弁している。
しかし、その後に、森友学園への国有地不正払い下げ疑惑事案に関して、安倍首相夫人の安倍昭恵氏が深く関係していたことが明らかになった。
したがって、財務省がこの事案の詳細を公表すると、安倍首相は総理大臣をやめるだけでなく国会議員もやめざるを得ないことになる。
その財務省が消費税増税強行を強く求めている。
他方、安倍首相は消費税増税に慎重な姿勢を維持してきたと考えられる。
この状況下で、財務省は、安倍首相が消費税増税延期に進むなら、森友事案の詳細を外部に流すと脅しをかけてきたのだと考えられる。
いずれにせよ、安倍内閣が消費税増税強行に突き進むなら、その政策運営を糾弾しなければならないが、この夏の国政決戦への影響を踏まえると、日本政治刷新の大きなチャンスが提供される点にも注目する必要がある。
このチャンスを確実に生かさなければならない。
各種世論調査では、主権者の約6割が消費税増税に反対で、消費税増税に賛成する国民は4割にも達していない。
日本経済は昨年10月以降、新たな景気後退局面に移行した可能性が高い。
また、世界経済は米中貿易戦争や欧州経済の停滞などを背景に、強い下方リスクに直面している。
この局面で消費税増税に突き進むのは狂気の沙汰である。
しかし、その狂気の沙汰の消費税増税を安倍内閣が強行する可能性が高まっているのだ。
この暴走を止められるのは日本の主権者だけだ。
選挙で、消費税増税NOの意思を鮮明に示すべきだ。
幸い、消費税増税阻止では、野党が政策を共有できている。
野党は消費税増税阻止連合で2019政治決戦に臨むべきだ。
ただし、安倍内閣が本当に消費税増税強行で参院選に臨むのかどうかは確定していない。
選挙公約に消費税実施が書き込まれたことが、増税強行説の根拠となっているが、これは政策BANKという冊子に、極めて小さな字で一文が入れられているだけで、この部分の削除は1秒で可能だ。
増税延期の効果を引き上げるために、増税実施論が流布されている可能性もあるから予断を持つべきではない。
こうした情勢のなかで、政府が格好の論争材料を提供した。
老後の生活を支えるには高齢期に入る段階で2000万円の貯蓄が必要だとの報告書が提示されたのだ。
政府は盛んに人生100年時代をアピールしているが、90代まで生きてゆくには、平均で2000万円の貯蓄が必要だとする報告書が提示された。
2018年発表の金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」によると、2人以上世帯の28.3%が貯蓄ゼロ世帯である。
単身世帯では37.3%が貯蓄ゼロ世帯である。
この統計は2018年発表分から統計調査手法が変更された。
質問方式を変えて、貯蓄ゼロ世帯の数値が低く出るように制度変更されている。
実質賃金統計の偽装と類似した「工作」が行われたのだ。
その「工作」後の数値でも貯蓄ゼロ世帯の比率は極めて高い。
とりわけ、収入ゼロ世帯では貯蓄ゼロが5割を超えている。
この現状があるなかで、老後の生活を支えるには2000万円の貯蓄が必要とする報告書を出したのだから、主権者が反発するのは当然である。
安倍内閣は主権者国民に安泰な生活環境を提供していない。
「貧乏人は野垂れ死ぬがよい」という政策を推進している。
消費税増税の負担が最も過酷なのが、所得がない主権者である。
消費税増税阻止連合が大同団結して、2019政治決戦で、安倍暴政を排除するしかない。
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