消費税増税強行なら安倍内閣総辞職不可避の情勢
いよいよ政局が夏の陣を迎える。
通常国会の会期末は6月26日。
自民党の森山裕国対委員長は5月29日に会期延長の必要がないとの見解を表明した。
西村康稔官房副長官は5月29日のラジオ番組で「首相の近くにいて(衆院解散の)雰囲気は感じない」と述べた。
政治決戦夏の陣に向けた神経戦が始まっている。
この夏に参院選が実施されることは決まっている。
衆院については任期が2年余り残っているが、早くも解散の憶測が広がっている。
焦点は二つ。
衆院解散があるのかどうか。
消費税増税延期があるのかどうか。
想定されている四つのシナリオがある。
消費税増税決行で参院選のみ実施。
消費税増税決行で衆参ダブル選。
消費税増税延期を表明して衆参ダブル選。
消費税減税を表明して衆参ダブル選。
この四とおりのシナリオがある。
消費税減税で衆参ダブルは私が提示したものだが、これが最近になって安倍首相に近い筋から紹介されている。
消費税増税でも選挙を戦えるとの判断が安倍内閣によって持たれる場合、参院選単独実施と衆参ダブル選選択の二とおりの可能性が浮上する。
消費税増税を実施すると、その後に衆院選実施タイミングを得るのが困難になる。
消費税増税でも選挙を戦えるとの判断があれば、この際に衆参ダブルを実施して、改憲になだれ込むとの戦術が採られてもおかしくない。
大義名分は野党が内閣不信任案を提出することだ。
安倍内閣が消費税増税強行のスタンスを明示して選挙に臨むことは、主権者による選択によって日本政治の方向が定められるという意味で意義があると言える。
野党は消費税増税阻止で足並みを揃えて選挙を戦うことができる。
この場合には、安倍内閣与党が大敗するだろう。
衆参ダブル選になった場合、野党の対応は現段階では遅れているが、消費税増税の是非が争点になる選挙になるから、衆議院でも急速な候補者一本化調整が進展することになると思われる。
安倍内閣総辞職、政権交代の可能性も浮上する。
消費税増税の是非を問う選挙が行われることは、主権者が政権を選択するという意味で極めて意義が大きい。
参院選単独で選挙が実施される場合でも、安倍内閣与党が大敗するなら、安倍首相は引責辞任を迫られることになるだろう。
これも意義のあることだ。
この現実を冷静に洞察できるなら、安倍首相は消費税増税強行を選択しないだろう。
消費税増税再々延期を公表し衆参ダブル選に臨むことになる。
安倍内閣が消費税減税を提示する場合にはサプライズになる。
この場合、野党がダブル選で勝利することはかなり難しくなる。
私がこの見通しを提示したことが、あるルートによって安倍官邸に伝わった。
その結果として、安倍内閣が、このサプライズシナリオを検討している可能性があるのだ。
現に、安倍首相に近い筋から、このサプライズシナリオが語られ始めている。
安倍内閣が消費税減税を表明して衆参ダブル選に突き進む場合には、安倍内閣与党を打倒することがかなり難しくなる。
したがって、これが要警戒シナリオになる。
だが、この場合には、消費税増税が中止されるだけでなく、消費税率が5%に引き下げられることになるわけで、結果としては正しい方向に政策が変更されることになるから、このこと自体は歓迎できないことではない。
野党が32の参院選1人区の30選挙区で候補者を一本化することで合意したと伝えられている。
これは歓迎するべき事象だが、現状のままでは、安倍内閣が消費税増税を延期する場合、あるいは、消費税減税を提示する場合には、選挙での大勝を確保できると言い切れない。
野党陣営は消費税率を5%に引き下げることで政策協定を締結するべきである。
政策の基軸が強固でなければ、単なる野党共闘だけでは選挙に勝つことができないと考えられる。
野党陣営は消費税減税の共通公約を明示するべきだ。
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
のご購読もよろしくお願いいたします。
上記メルマガを初めてご購読される場合、
2ヶ月以上継続して購読されますと、最初の一ヶ月分が無料になりますので、ぜひこの機会にメルマガのご購読もご検討賜りますようお願い申し上げます。
https://foomii.com/files/information/readfree.html
続きは本日の
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
第2343号「2019政治決戦夏の陣に勝利するための方策」
でご購読下さい。
『アベノリスク』(講談社)
の動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。
2011年10月1日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:540円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。
創刊月2011年10-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。
メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、info@foomii.comまでお願い申し上げます。
価格:907円 通常配送無料
出版社:発行:祥伝社
amazonで詳細を確認する
価格:1,620円 通常配送無料
あなたの資産が倍になる 金融動乱に打ち勝つ「常勝投資術」~(TRI REPORT CY2018)
価格:1,620円 通常配送無料
価格:994円 通常配送無料
出版社:発行詩想社 発売星雲社
amazonで詳細を確認する
価格:1,620円 通常配送無料
出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する
価格:1,512円 通常配送無料
出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する
日本経済復活の条件 -金融大動乱時代を勝ち抜く極意- (TRI REPORT CY2016)
価格:1,728円 通常配送無料
出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する
価格:1,728円 通常配送無料
出版社:星雲社
amazonで詳細を確認する
価格:1,512円 通常配送無料
出版社:ビジネス社
価格:1,728円 通常配送無料
出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する
価格:1,620円 通常配送無料
出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する
価格:1,680円 通常配送無料
出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する
価格:1,680円 通常配送無料
出版社:日本文芸社
amazonで詳細を確認する
オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下
価格:2,100円 通常配送無料
出版社:早川書房
amazonで詳細を確認する
価格:1,575円 通常配送無料
出版社:講談社
amazonで詳細を確認する
鳩山由紀夫 孫崎享 植草一秀 「対米従属」という宿痾(しゅくあ)
価格:1,470円 通常配送無料
出版社:飛鳥新社
amazonで詳細を確認する
価格:1,785円 通常配送無料
価格:1,470円 通常配送無料
価格:1,470円 通常配送無料
価格:1,000円 通常配送無料
価格:1,575円 通常配送無料
価格:1,800円 通常配送無料
価格:1,680円 通常配送無料
価格:1,890円 通常配送無料
価格:756円 通常配送無料
出版社:講談社
戦後史の正体価格:1,575円
通常配送無料出版社:創元社
amazonで詳細を確認する
日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土
価格:798円 通常配送無料
出版社:筑摩書房
amazonで詳細を確認する
日米同盟の正体~迷走する安全保障
価格:798円 通常配送無料
価格:1,365円 通常配送無料
検察の罠価格:1,575円
通常配送無料出版社:日本文芸社
amazonで詳細を確認する
価格:525円 通常配送無料
« 相撲協会は今後も座布団投げを刑法犯罪とするのか | トップページ | 理不尽、不条理、苦しみに溢れるこの世を生きてゆくために »
「消費税大増税=大企業減税」カテゴリの記事
- 消費税問題は選挙の道具でなく核心(2020.09.13)
- 不況下大増税強行という世紀の大失策(2020.08.01)
- 深刻化避けられない消費税大増税大不況(2020.02.27)
- 2014年を上回る消費税増税大不況の深刻度(2020.02.08)
- 深刻な消費不況に移行している日本経済(2020.01.05)