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2019年4月 5日 (金)

WSJ紙が安倍内閣消費税増税批判を開始した

昨年10月以降、世界経済には大きな不安が広がった。

きっかけは中国株価の急落だった。

中国の国慶節の連休明けに中国人民銀行が預金準備率を引き下げた。

金融緩和措置であり、通常なら金融市場はこれを景気支援要因として受け止める。

ところが、中国株価が4%近くも急落した。

理由は、いよいよ中国経済の底割れが生じるとの警戒感が広がったことにある。

中国株価は昨年1月末までは順調に推移していた。

2015年後半に中国株価が急落して2016年、中国経済が崩落するのではないかとのリスクが警戒されたが、このときは、中国政策当局が政策を総動員して危機を封じた。

2016年2月に中国上海でG20会合が開かれ、主要国の政策総動員が確認された。

中国経済は緩やかながらも底入れを実現し、2018年1月には株価も反発傾向を強めていた。

ところが、2018年1月末にNY株価が急落して中国株価も影響を受けた。

さらに、3月になると、トランプ大統領によって米中貿易戦争の火ぶたが切られた。

トランプ大統領が中国の対米輸出に制裁関税をかける方針を明示したのだ。

実際に7月以降、制裁関税が発動され、順次拡大してきた。

米中貿易戦争の拡大を受けて中国株価が下落を続けた。

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10月初旬に中国株価が急落すると、これを契機に史上最高値を記録していたNYダウが急落した。

中国株価は年初からの下落率が3割を超えた。

主要国の株価も2割の急落を演じた。

世界的な株価下落のもう一つの背景は米国の金融引締め政策だった。

2018年に米国FRBは4度の利上げを実行した。

12月に利上げを決定した際には、その利上げを2019年にさらに2回、2020年に1回実施する見通しが示された。

米国の強力な金融引締め政策方針が世界経済の先行きに対する警戒感を一気に高めることになった。

2018年末に向けてグローバルな株価下落が加速したのである。

ところが、ここから事態は急変する。

1月4日、米国FRBのパウエル議長が金融政策運営の路線転換を明言した。

FRBの金融引締めをもっとも強く批判してきたのはトランプ大統領だったが、大統領府が利上げ禁止命令を出せば出すほど、FRBは利上げをせざるを得ないというジレンマに追い込まれた。

中央銀行が政治権力の支配下に置かれるという図式が金融政策に対する信認を失わせる原因になるからだ。

FRBのパウエル議長はワンテンポずらして金融政策の路線転換を示した。

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その後、FRBは実際に政策運営を変更し、3月のFOMCでは2019年の利上げ見通し回数を0回に変更した。

他方、中国政策当局は中国経済の悪化に対応して、再び政策を総動員する方針を明示し始めた。

3月に開催された全人代で、2019年の実質GDP成長率見通しを6%台前半に設定した。

2018年と比較して中国経済が減速する見通しを明示した。

しかし、中国当局は33兆円規模の減税ならびに30兆円規模のインフラ整備の方針を打ち出した。

政策を総動員して中国経済の底割れを回避するスタンスを明示したのである。

同時に、米中通商協議の妥結に向けて、中国が譲歩を重ねる姿勢を鮮明に示し始めた。

こうした政策対応を受けて、主要国の株価が大幅に反発している。

主要国の政策協調が世界経済の危機を回避する重要な要因になる。

そのなかで、ひとり日本だけが逆方向の政策を示している。

2019年10月に消費税率を10%に引き上げる方針を堅持しているのだ。

このことについて、4月4日付けのウォール・ストリート・ジャーナルが、

「不安出ずる国、日本の消費増税」

と題する社説を掲載した。

日本の増税政策は国際政策協調の視点からも批判を浴びるものになる。

安倍内閣は最終的に消費税増税を再々延期する可能性がある。

その場合には、7月21日の選挙が衆参ダブルになる可能性が高い。

このことを前提に選挙対応を構築する必要がある。

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