OECD=財務省消費税率26%提言絶賛御用の朝日星浩氏
経済協力開発機構(OECD)が15日公表した対日経済審査報告書が、日本の消費税率を最大26%にまで引き上げる必要があると指摘した。
TBS夜のニュース番組のMCを務めている元朝日新聞編集委員の星浩氏は、このニュースについて、
「日本政府の債務残高が1000兆円を超えており、OECDの報告をしっかり受け止める必要がある」
と解説した。
これでは解説者としての本来の役割を果たしているとは言えない。
2019年10月に消費税増税が計画されている。
財務省にとっては、この実施が現下の至上命題である
メディアに露出する者、報道機関に対する情報統制を強めている。
TAXのPR活動の意味で「TPR」という名称が付されている、財務省による情報工作活動があり、TPRの一環として増税推進の世論誘導が行われている。
テレビに登場するコメンテーターも学者も財務省の覚えをめでたくするために、率先して財務省の意向に沿う言動を示す者が多い。
彼らのことを「御用コメンテーター」、「御用学者」と呼ぶ。
御用コメンテーターは財務省の意向を受けて、財務省のための発言を繰り返す。
そのために、真実の情報が主権者に伝わらない。
ニュースの解説においては、ニュースの背景、実相を正確に伝えることが必要不可欠だ。
今回のニュースに関して重要なことは次の二点だ。
第一は、OECDの日本政府に対する政策提言の発信源がどこにあるのかを押さえること。
第二は、財務省の「借金が1000兆円あるから財政再建が急務である」との主張を適正に論評すること。
OECDが日本の消費税26%を提言し、財務省が日本政府の借金1000兆円が危機的としているから消費税の増税を真剣に考えなければならないと解説するだけなら、子どもの使いだ。
日本のメディアの質が低いのか、メディアが御用体質に染まっているのか、判断は分かれるところだが、解説として失格だ。
OECDやIMFが日本の経済政策について見解を示す場合、見解を作成するのは、それぞれの機関の「日本デスク」である。
「日本担当者」がIMFやOECDの日本に対する提言をまとめる。
重要なのは、その担当者が日本政府から派遣されている官僚であるという事実だ。
かつて、経済企画庁が存在していた時代には、OECDの日本のマクロ経済政策担当デスクには、経済企画庁から職員が派遣されていた。
他方、IMFには財務省から職員が派遣されていた。
経済企画庁は経済政策運営において拡張的な政策を指向する傾向があり、OECDは日本に積極的経済政策運営を求めることが多かった。
これに対して、IMFは財務省から派遣された職員が日本デスクを担当するため、日本政府に対して緊縮的政策を提言することが多かった。
ところが、省庁再編で経済企画庁の組織が内閣府に吸収された。
財務省は内閣府経済政策担当部門の支配権を確保した。
このために、現在はOECD出向者も財務省の影響を強く受けるようになっている。
今回、OECDが日本の消費税率を26%まで引き上げる提言を行った背景に財務省の指令があると考えて、まず間違いない。
財務省が主張するより国際機関が主張する方が有効だと財務省は判断している。
かつて私が大蔵省で売上税導入の経済効果試算を行った際、大蔵省幹部は試算結果を大蔵省からでなく経済企画庁から発表させるために、大規模な工作活動を展開した。
このタイミングでOECDが消費税率26%の提言を行ったのは、財務省の工作によるものである可能性が極めて高い。
テレビでの解説で、この部分を押さえていなければ、解説としては失格だ。
知っていて指摘しなかったのかも知れない。
第二の論点は財務省の常套句についてだ。
財務省は政府債務残高が1000兆円だから財政危機だと言う。
GDP比は200%を超える。
財政危機に直面したギリシャでさえGDP比は170%だったことが強調される。
しかし、日本政府は政府債務を上回る政府資産を保有しており、資産超過なのだ。
資産超過の経済主体が破綻することはあり得ない。
この部分を伝えていないことが、解説として致命的なのだ。
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