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2019年4月14日 (日)

いじめ問題対応まずは「学校に行かない自由」の確認

4月の新年度を迎えて学校でのいじめ問題への対応が改めて検討されている。


じめ問題を考える際に重要な点が二つある。


第一は保護者の対応だ。


教育基本法は第十条で


「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有する」


と定めている。


保護者の責任が大きい。


いじめなどの問題が存在する場合、第一に優先するべきことは子どもの命と健康の確保である。


保護者による子どもに対する虐待問題が深刻化するなかで、保護者が子どもを保護しない、保護できない場合が存在することを踏まえた対応が必要不可欠だ。


第二は、子どもには「学校に行かない自由がある」という事実をすべての子ども、保護者に徹底して周知することだ。


日本国憲法に、「子女に普通教育を受けさせる義務」が明記されているために多くの誤解を生んでいるが、日本の法体系上、子どもには「学校に行かない自由」がある。


この事実を徹底して知らせ、子どもがいじめのある学校から退避することの重要性を知らせる必要がある。


子どもが自死に追い込まれるという最悪のケースが多発しているが、多くの場合、いじめのある学校という現場に子どもを送り続けた結果として悲劇が生まれている。

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しかしながら、現行の法体系には重大な問題がある。


2016年に施行された「教育機会確保法」は第十三条に次の条文を置いた。


(学校以外の場における学習活動等を行う不登校児童生徒に対する支援)
第十三条  国及び地方公共団体は、不登校児童生徒が学校以外の場において行う多様で適切な学習活動の重要性に鑑み、個々の不登校児童生徒の休養の必要性を踏まえ、当該不登校児童生徒の状況に応じた学習活動が行われることとなるよう、当該不登校児童生徒及びその保護者(学校教育法第十六条に規定する保護者をいう。)に対する必要な情報の提供、助言その他の支援を行うために必要な措置を講ずるものとする。

「学校以外の場において行う多様で適切な学習活動の重要性」


「個々の不登校児童生徒の休養の必要性」


が明記され、いじめ等の問題が存在するときに、学校に行かない選択肢があること、ならびに、学校以外の場における多様な学習活動の存在が確認された。


しかし、当該条文が「不登校生徒児童」の表現を用いていることは、「学校を休む」、「学校に行かないこと」を「非正規」の行動として位置付けていることを意味する。


教育機会確保法は本年、見直されることになっている。


「法律の施行後三年以内にこの法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づき、教育機会の確保等の在り方の見直しを含め、必要な措置を講ずる」ことが附則に明記されている。


憲法が定めるのは「子女に普通教育を受けさせる義務」であって


「子女に学校教育を受けさせる義務」ではない。


この点を適正に踏まえた法改正が必要である。

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学校教育法は第十七条で、保護者に子女を学校に就学させる義務を定めている。


しかし、普通教育を受けさせる場は学校以外にも存在する。


世界の趨勢は、普通教育を受けさせる場として学校以外に家庭を位置づける方向に大きく変化している。


米国でも全50州で家庭での普通教育を選択できることが正式に定められた。


多くの国が普通教育を受ける場として学校以外に家庭を選択できる制度を採用している。


現在の法体系では学校教育法が保護者に「学校に就学させる義務」を定めているため、学校で普通教育を受けることが「正規」で、家庭で普通教育を実践することを「非正規」のものと位置付けている。


教育機会確保法は「学校を休む」ことの「必要性」を明記したが、あくまでもその対応は「不登校生徒児童」を対象とするものになっている。


つまり、こどもに「正規」、「非正規」の差別をつける結果をもたらしているのだ。


改めて注意を喚起しておくが、現行法令においても、法律が定めているのは


「保護者に対する子女を学校に就学させる義務」


であって


「児童生徒が学校に行く義務」


ではない。

子どもには「学校に行かない自由」がある。

この事実を周知徹底して、まずは子どもの命と健康を確保することが優先されなければならない。

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