安倍政治を終わらせるため必要な二つの重要事項
2019政治決戦が差し迫るなか、日本の主権者は何を基準に行動するべきか。
二つの重要事項をはっきりと認識しておくことが重要だ。
第一は、どのような政治を求めるのかを明確にすること。
第二は、現在の選挙制度のなかで目標を実現する方策を明確にすること。
この二つである。
第2次安倍内閣が発足して6年の時間が経過した。
しかし、長く続いたから、そろそろ変えるべきだとの主張は成り立たない。
長く続いていようが、主権者が求める政治を実現しているなら、この政治を排除する必要はないからだ。
私は安倍政治を終焉させるべきだと考える。
それは、長く続いているからではなく、安倍政治の内容が正しくないと考えるからだ。
安倍政治を存続させるべきでないと考える理由は、安倍政治が基本にしている以下の政策方針が間違っていると考えるからだ。
1.日本国憲法に反して日本を「戦争をする国」に改変していること
2.フクシマ原発事故の教訓を踏まえずに原発再稼働を推進していること
3.弱肉強食推進の経済政策を推進していること
4.大資本の利益だけを追求し主権者の利益を損なうTPP等の経済協定に積極参加していること
5.沖縄県民の総意を踏みにじって辺野古米軍基地建設を推進していること
安倍内閣与党は国会において多数議席を占有しているが、選挙の際に安倍内閣与党に投票した主権者は全体の約4分の1である。
これに対して、安倍内閣与党と対峙する政治勢力に投票した主権者も全体の4分の1である。
数の上では、後者がやや多い。
主権者の約半分は投票権を放棄している。
この5割の主権者の意思は確認できないが、各種調査を踏まえれば、安倍内閣与党を支持していない者が多数を占めると考えられる。
したがって、上記の五つの基本政策方針に対して反対の考えを有する主権者が、これを支持する主権者を上回っていると推察できる。
ところが、現実の議会議席構成において、安倍内閣与党勢力が多数を占めているため、上記の五つの基本政策方針が実行されている。
2019政治決戦で政治刷新を求めるということは、政治を司る面子を変えることが目的ではなく、基本政策路線を変えることが目的になる。
平和主義を堅持し、原発を廃止し、弱肉強食の経済政策を廃して共生重視の経済政策に転換し、TPPプラスから離脱し、辺野古米軍基地建設を中止する。
この基本政策路線を実現することを目的にすることを明確にするべきである。
しかし、基本政策路線が多岐にわたることが選挙戦術上の障害になる点を考慮しなければならない。
これが第二の第二の重要事項とかかわることになる。
第二の重要事項は、
現在の選挙制度のなかで目標を実現する方策を明確にすること
である。
現在の選挙制度では、当選者がただ一人だけ選出される選挙区のウェイトが高い。
フランスのように、一人しか当選者が選出されない選挙において、有効投票の過半数を獲得する候補者が存在しない場合、上位二者による決選投票が行われる場合には選挙戦術が変わる。
しかし、日本の場合、決選投票が行われないから、第一位の得票者が過半数投票を得ていない場合でも、そのままこの候補者が当選者となってしまう。
反自公陣営が複数の候補者を擁立すると、自公陣営の候補者が低い得票率で当選してしまう。
したがって、反安倍自公陣営は、選挙に際して訴える公約を絞り込んで、候補者を一本化することが重要になる。
その際重要なことは、すべての主権者の強い関心事項について、明確な政策公約を示すことだ。
この視点に立って、私たちは
消費税廃止へ
最低賃金全国一律1500円実現
を提示した。
この二つは、弱肉強食推進のアベノミクス経済政策の根本を変えるものである。
安倍首相は選挙対策として消費税増税を再々延期する可能性がある。
このことを前提に選挙に勝てる明確な公約を提示することが重要だ。
動を進めてゆかねばならない。
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