賃金統計まで改ざんする悪夢の安倍内閣
2月10日、自民党が都内で党大会を開催し、安倍首相が挨拶した。
12年前の2007年、第一次安倍内閣は参院選で惨敗した。
12年に一度の亥年は統一地方選と参院選が重なる政治決戦の年である。
2007年は年金記録不正問題に焦点が当たり、安倍内閣が適正な対応を示せず、参院選で大敗した。
この参院選結果を受けて第一次安倍内閣は総辞職に追い込まれた。
安倍首相はこのことに触れ、
「亥年の参院選で我が党は惨敗を喫した。当時総裁だった私の責任で、このことは片時たりとも忘れたことはない」
と述べた。
2007年の参院選で第一次安倍内閣与党は過半数を失い、衆参ねじれ状況に移行した。
それから2年後、2009年8月総選挙で民主党が大勝し,鳩山由紀夫内閣が樹立された。
このことについて安倍首相が言及した。
「我が党の敗北で政治は安定を失い、そして悪夢のような民主党政権が誕生した。
決められない政治、経済は失速し、後退し低迷した。
若い人が頑張ってもなかなか就職できない仕事がなかったあの時代、地方でも中小企業の倒産件数が3割も多かったあの時代、人口が減少していくから成長なんかできないとあきらめていたあの時代に、戻すわけにはいかない」
自分の失敗を棚に上げて「悪夢のような民主党政権」と表現するのはいかにも下品だ。
多くの主権者は現在の安倍内閣について
「悪夢のような安倍内閣」
と感じている。
安倍首相は前回の最長期間だった「いざなみ景気」(2002年4月~2008年2月)と今回の景気拡大期間を比較して成果を強調した。
また、名目GDPについて、いざなみ景気の期間中は2.5%の成長だったが、今回は6年間で10.9%伸びたと自画自賛。
地域別の景況状況について、日銀のデータをもとに、前回期間(6年1か月)の残り5年間に「プラス」で推移したのは関東と東海だけだったが、今回は北海道から九州・沖縄まで9つの地域が5年連続「プラス」で推移しているとアピールした。
都合の悪い部分には一切言及せず、アピールできる部分だけを強調して繰り返し自画自賛する。
まさに「広告代理店の主張」そのものの安倍首相の自己アピール。
「かたはらいたし」とはこのような情景のためにある言葉だろう。
「アベノミクス偽装」が国会でも取り上げられて、事実を正確に把握する国民が増えている。
「景気回復の実感がない」のではなく、「景気回復の事実がない」というのが真実だ。
アベノミクスで国民の生活は台無しになっている。
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メディアが政治権力によって支配され、多くの主権者が洗脳されてしまっている。
事実が主権者に知らされていない。
日本国民は国家の嘘=ペテンに欺かれてしまっている。
安倍内閣は2012年11月から景気回復が持続し、戦後最長の長さに達したと宣伝しているが、事実でない。
2014年1月から2016年5月にかけて、消費税増税と円高を背景に景気後退局面に移行している。
経済成長の実績を測るのは「実質GDP成長率」で「名目GDP成長率」ではない。
「名目GDP成長率」で測るなら、100万%のインフレに見舞われているベネズエラなどは景気絶好調ということになってしまう。
安倍内閣下の実質GDP成長率平均値は+1.3%で民主党政権時代の+1.7%を大幅に下回る。
労働者一人当たりの実質賃金は、民主党政権時代は横ばい推移だったが、安倍内閣の下で約5%も減少した。
2018年の実質賃金も前年比マイナスを記録したが、不正統計を用いて前年比プラスになったとの虚偽発表を強行している。
悪夢の経済状況は安倍内閣の下で生じていることを隠蔽して、民主党時代を悪夢と表現するのはいかにも見苦しい。
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